ViniZabù-KTMはイタリアのUCIプロチーム。
2020年ジロ・デ・イタリアにワイルドカードで出場する。このチームには佐野淳哉選手が2013年、2009年には宮澤崇史選手も所属していた。
今回、ジロ・デ・イタリアに出場するViniZabù-KTMは、レース中にパワーメーターとパルスメーターを使わないことを発表。
あらゆるチームがパワーメーターを使ってレースを組み立てている中であえて使わないというのだ。
レース中のパワーメーター禁止
プロのサイクリングは数字のゲームになっており、ライダーは自分のパワーナンバーと心拍数に細心の注意を払うことに夢中になっている。
ViniZabù-KTMのマネージャーであるLuca Scintoはレース中のパワーメーターと心拍計の使用を禁止するとLa Gazetta dello Sportに語った。
これまでも、チーム内でこんな言葉を良く聞いていたと言う。
- 400ワットで漕がないといけないのでコースを調整しないといけない
- 300ワットを越えてペダルが踏めないので調子が悪い
- ワットが出ないので、疲れているから練習を止める
全てをパワーメーターの数値で語ってしまうので、困っている。
自由に運転できるようにしたい。トレーニング中に装備を使って改善するのは良いことだが、レース中はうんざりしている。
とマネージャーは語っている。
要は、自分の身体に耳を傾け、自分でコントロール出来るライダーとなって欲しいということだ。ロボット相手にレースしているんじゃあないとも言っている。
パワーメーターの数値でレースを決めないで欲しいとの思いもあるようだ。
チームリーダーのジョヴァンニ・ヴィスコンティは
ヴィスコンティは、チームのパワーメーター禁止に賛成している。ヴィスコンティは、2007・2010・2011年とイタリア国内チャンピオン。
ジロ・デ・イタリアでも2勝をあげており、チームの中心選手だ。すでに37歳となった彼は、これまでのプロレースの流れを身をもって見てきている。
レースのやり方が変わったことに違和感を持っている一人だからだ。
ライダーは、自分の能力を知っているため、パワーを使っていつ攻撃に反応するか、いつアタックすることが出来るのか知ることが出来る。チームはデータを利用してリタイヤにならない労力を決定することも出来る。
便利である反面、レースを見ている側にはつまらない展開となってしまうのだ。
ツール・ド・フランスのディレクター、クリストフ・プルードホームは、2018年のツールでパワーメーターの禁止を呼びかけ、「スポーツの輝かしい不確実性を全滅させる」と述べた。
アルベルト・コンタドールは、デバイスの禁止が「レースを平準化する」可能性があると述べている。
パワーメーターがレースをつまらなくしていると思っているのだ。
ViniZabù-KTMは、今シーズンからパワーメーター禁止でレースに挑むが、結果がどうなるのかはわからない。他のチームと比べて、後からレースを分析することも出来なくなる。
だが、将来的にパワーメーターの禁止はあり得るかもしれない。ViniZabù-KTMチームの試みがどうなるのか注目するべきかもしれない。チームの一部の選手は不満を言っているようですが。
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