2023年のロードバイクトレンドについては、すでに別記事で紹介している。こちらは技術的なことが主だった。
Specialized Tarmac SL8の出現
Quick-Step Alpha Vinyl Teamのファビオ・ヤコブセンや、Team DSMのロレーナ・ウィーベスが新型のSpecializedのハンドルを使っているのが目撃されている。
これまでのTarmac SL7は、2020年7月に発売されたので、スペシャライズドの通常の3年間のサイクルを考えると、2023年に新しいバイクが登場することを考えるのは当然の流れとなる。
通常ならば、Tamac SL8は2023ツール・ド・フランスに間に合うように登場する可能性が高く、この統合されたコックピットが取り付けられると予想される。
UCIのフレーム規制と 3:1 ルールの緩和により、より深いヘッドチューブとより薄いシートポストを備えている可能性が高いと考えられる。
また、ホイールについては、カーボンスポークを備えた新しい ROVAL ホイールセットが発売され軽量化されるかも。
イエローとグリーンの両方をゲット
ツール・ド・フランス史上で、マイヨジョーヌとグリーンジャージの両方を最後に着用していたのは、1969年のエディ・メルクスしかいない。
2023年にこれを達成できるとしたらJumbo-Vismaのワウト・ファンアールトだけだろう。2022ツールでは、第1ステージから第5ステージまでマイヨジョーヌをキープ。
ポイント賞のグリーンジャージは、第2ステージから最後まで着用した。まあ、可能性はほとんどないけど、出来るライダーを上げるとしたらワウト・ファンアールトだ。
ただ、ワウト・ファンアールトは、グリーンを狙わないと言っているので無理でしょうね。
大画面のサイクルコンピューター
サイクルコンピューターのカラー化、大画面化は進んでいるけど、ディスプレイ全体まで画面が広がった見えやすいサイクルコンピューターはまだない。
SRAMはサイクルコンピュータブランドのHammerheadを2022年1月に買収している。
SRAM傘下となったHammerheadが、GarminやWahooに対抗して大画面でディスプレイ一杯まで広がった見えやすいサイクルコンピューターを発売する可能性は結構あるだろう。
2強ともいえるサイコンの世界に割り込んでいくと面白いのだけど。
UCIがピンなしナンバーポケットの禁止を撤回
UCIは技術資料の明確化ガイドでピンレスナンバーを禁止してしまった。
タイムトライアルで使用されていた、レースナンバー用の貼り付け式ポケットスリーブ (Nopinz 製のものなど) は、ロードレースでも使われていた。
ピンレスナンバーポケットを使用することを選択するのはプロだけではない。多くのサイクリストは、空力効果を高めるためだけでなく、自分のスキンスーツに番号をピンで留める必要がないという利便性のために使用することを選択している。
レース前に、安全ピンでジャージに取り付けるのは結構手間な作業ですからね。ライダーによっては、ヒラヒラするのが嫌だから縫いつける人もいるくらい。
一方、ブリティッシュサイクリングは、公認イベントのピンレスナンバーシステムに関するUCI規則に従わないことを確認している。
これはブリティッシュサイクリング公認のレースだけの措置だ。ゼッケンナンバーが良く見えるようになっていれば問題なしとしても良いではないだろうか。
SRAM Redが13速へ
Campagnoloが13速をグラベルで出しているのだから、SRAMが13速のロードコンポを登場させても不思議はないだろう。
SRAM Red、Force、Rival は現在すべて12速システムだけど、13速になるのは最初にトップグレードのRedからだろう。
Campagnolo はグラベル専用のEkarグループセットで13スピードであり、SRAMはロードグループセットをグラベル市場にもアピールしたいと考えている。
追加のスプロケットは 1x セットアップに大きな違いをもたらすため、2023年には13スピード SRAM Redが登場するかもしれない。
フィリッポ・ガンナが再びアワーレコードを更新
⏱ 56.792 KM ‼️@GannaFilippo has set a new @Tissot #UCIHourRecord 🔥 pic.twitter.com/JgqUwLhW7d
— UCI Track Cycling (@UCI_Track) October 8, 2022
フィリッポ・ガンナは、10月にアワーレコードを更新した。
これが更に更新出来る可能性がある。それは、UCIがルール改正したタイムトライアルポジションに関する規則の変更だ。
背の高いライダーは、前腕サポートと延長チップの間のリーチと高さの差が大きくなることを利用できるようになった。
身長によってボトムブラケットからハンドルバーまでの距離が変更となっている。
- 180cm以下 80cm
- 180~190cm 83cm
- 190cm以上 85cm
フィリッポ・ガンナは、193cmなので5cmほど余分に伸ばすことが出来るようになる。背の高いライダーは、当然腕も長い。
これまで窮屈なポジションで我慢して乗っていたのが楽になるのだから、空気抵抗も前に腕を伸ばすことで抑えられるはず。
ただ、ガンナはとてもキツカッタとコメントしており、次の挑戦は引退前となるかもしれない。
電動自転車改造キットの増加
電動自転車変換キットが増加することが予測される。例えば、PikaBoostは工具不要で、シートポストに取り付けて、タイヤを回すというアイディア。
考え方としては、とてもレトロで面白い。これならば、どんな自転車でもアシスト自転車に変換できる。
例えば、リカンベントやトライク(後輪2つ)のような自転車の場合には、電動オプションは限られている可能性があり、キットオプションは良い方法かもしれない。
したがって、2023年には、より多くのレトロフィット電動自転車キットが見られると予想される。
部品交換を教えてくれるアプリ
これは多いに可能性ありだろう。すでにシマノは特許を申請している。
タイヤやディスク ブレーキパッドなどの自転車の定期交換部品の交換時期をユーザーに通知してくれるアプリが完成すれば、初心者の人とかは便利だ。
シマノのアプリの特許は、そう遠くない将来に当て推量が削除されるか、少なくともより適切な情報が提供される可能性があることを示唆している。
自転車用の電磁ブレーキ
自転車に電磁ブレーキが搭載される日がくるだろうか。
電磁ブレーキは、現在、電車や路面電車、ロボットなどに使われている。磁気ブレーキは、ブレーキパッドの摩耗や故障がないため、メンテナンスが少なくて済むというメリットがある。
電磁ブレーキとは
電磁クラッチ・電磁ブレーキとは、コイルに通電することにより発生する電磁力を利用して動力や回転運動を制御する装置です。クラッチは動力の連結と切り離し、ブレーキは回転運動の制動と保持を行い、その作動方法によって励磁作動形と無励磁作動形に分けることができます。
ただ、小型化するのは相当な時間が必要だ。自転車の電磁ブレーキが搭載された場合、メンテナンスとか交換とか気にすることはなくなるかもしれない。遠い将来に期待かな。
今年はどんな技術が登場するのか楽しみにしておきたいですね。
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