今年初めてのモニュメント、ミラノ~サンレモが開催。春の訪れるを告げるプリマヴェーラだ。Milano-Sanremo(1.UWT)
テニスにグランドスラム、ゴルフにメジャーがあるように、自転車にも5つのモニュメントがある。
モニュメントとは
格式が高く記念碑的な意味合いも含まれている5つのクラシックレースのこと。
- ミラノ〜サンレモ
- ロンド・ファン・フラーンデレン
- パリ〜ルーベ
- リエージュ~バストーニュ~リエージュ
- イル・ロンバルディア
ミラノ~サンレモには、これまでさまざまなニックネームがつけられてきた。
ラ・プリマヴェーラはその一つで、イタリア語で春。ラ・クラシッシマ、スーパークラシックなど。
長年、聖ヨセフの祝日に開催されていたため、「Saint Joseph Classic」とも呼ばれている。クラシックの中では最長距離の289kmを走るが、今年もミラノからスタートとはならない。
過去の優勝者は
- 2024 ジャスパー・フィリップセン
- 2023 マチュー・ファンデルプール
- 2022 マテイ・モホリッチ
- 2021 ジャスパー・ストゥイヴェン
- 2020 ワウト・ファンアールト
- 2019 ジュリアン・アラフィリップ
- 2018 ヴィンチェンツォ・ニバリ
- 2017 ミハウ・クフィアトコフスキ
- 2016 アルノー・デマール
- 2015 ジョン・デゲンコルプ
- 2014 アレクサンダー・クリストフ
- 2013 ゲラルト・シオレック
- 2012 サイモン・ジェラン
パビア~サンレモ 289km

コースマップ photo milanosanremo
ミラノ~サンレモは2027年まで、ミラノからスタートしない。ファッションの街ミラノから36km南にあるパピアからスタートとなる。
約30kmで通常のコースに戻る。

コースプロフィルール photo milanosanremo
スタートから、141km地点にあるトゥルキーノ峠は、それほどきつい勾配ではない。ここから、サンレモのゴールまでは約150km。
例年のコース通り、チプレッサとポッジオの登りを経て、下ってサンレモにゴールする。総距離は289km。今年最長のレースとなるがミラノ~サンレモのレースの中では短い。
2013年は悪天候で途中で短縮し245kmとなっている。

チップレッサ photo milanosanremo
ゴール手前21kmにあるチプレッサ。ここから逃げ切るのは至難の業だ。勾配がゆるいので、差がつきにくい。

ボッジオ photo milanosanremo
頂上手前で勾配は8%に。道はかなり狭く、最初の2kmで4つのヘアピンカーブがある。曲がり角が多く、所々で狭いアスファルト道路。
下りは、2022年マテイ・モホリッチが挑戦的なアタックをかけた場所だ。通常ならば、ポッジョの登りで抜け出しがある。
- トゥルキーノ峠 標高539m
- カーポ・メーレ 1.8km・3.8% 標高77m
- カーポ・チェルヴォ 2.1km・2.5% 標高58m
- カーポ・ベルタ 2km・6.3% 標高125m
- チプレッサ 5.6㎞・4.1% 最大9%
- ポッジオ 3.7km・3.7% 最大8%
注目のライダーは
- Alpecin – Deceuninck マチュー・ファンデルプール、ジャスパー・フィリップセン
- Arkéa – B&B Hotels ケヴィン・ヴォークリン
- Bahrain – Victorious マテイ・モホリッチ、ダミアーノ・カルーゾ、フレッド・ライト
- Cofidis アレクサンデル・アランブル
- Decathlon AG2R La Mondiale Team オレリアン・パレパントル、ヴィクトル・ラフェ
- EF Education – EasyPost ニールソン・ポーレス
- Groupama – FDJ クエンティン・パチャー、ロマン・グレゴワール
- INEOS Grenadiers フィリッポ・ガンナ、ゲラント・トーマス
- Intermarché – Wanty ビニヤム・ギルマイ、タコ・ファンデルホールン
- Israel – Premier Tech サイモン・クラーク、ヤコブ・フルサン
- Lidl – Trek マッズ・ピーダスン、ジャスバー・ストゥイヴェン、ジョナサン・ミラン、ジュリオ・チッコーネ
- Lotto
- Movistar Team イバン・ガルシア
- Q36.5 Pro Cycling Team トム・ピドコック
- Red Bull – BORA – hansgrohe マキシム・ファンジルス
- Soudal Quick-Step マキシミリアン・シャフマン、マティア・カッタネオ
- Team Jayco AlUla マイケル・マシューズ、フィリッポ・ザナ
- Team Picnic PostNL ワレン・バルギル、ジョン・デゲンコルプ
- Team Visma | Lease a Bike オラフ・コーイ
- Tudor Pro Cycling Team ジュリアン・アラフリップ、マッテオ・トレンティン
- UAE Team Emirates – XRG タデイ・ポガチャル
- Uno-X Mobility マグナス・コルトニールセン
- XDS Astana Team ディエゴ・ウリッシ、マイク・テウニッセン、アルベルト・ベッティオル
スタート

Tiz-cycling ストリーミング スクリーンショット以下同様
ディフェンディングチャンピオンのジャスパー・フィリップセンの顎にはタイヤですった跡が残っている。
タデイ・ポガチャルは雨のコンデションでも問題ないのだろうか。
タデイ・ポガチャルはレインウェア装着。カメラを向けられると笑顔でピースサインの余裕。
バイクは新形。エアロマウント装着。
ニュートラルスタート。
Lidl – Trekのジュリオ・チッコーネはメカトラ。
タデイ・ポガチャルもマシントラブルのために停車。
Lidl – Trekのジョナサン・ミランはグローブ装着。
オフィシャルスタート。
VF Group – Bardiani CSF – Faizanèから攻撃開始するけど、モニュメントの逃げに乗るのは簡単ではない。
55km/hで抜け出してをはかる。しかし、これは捕まる。
- マティス・ル・ベール (Arkéa – B&B Hotels)
- フレドリック・ドゥバースネス (Uno-X Mobility)
3人が少し前に。
- トンマーゾ・ネンチーニ Team Solution Tech – Vini Fantini
- アレッサンドロ・ヴェーレ Arkéa – B&B Hotels
- マーティン・マーセルージ VF Group – Bardiani CSF – Faizanè
3人で決まるはずもなく、集団は60km/hちかいペースで進んでいる。誰が逃げに合流するか。
先頭と30秒離れたけれど、逃げたいメンバーは沢山いる。4人が抜け出しに成功か。
マチュー・ファンデルプールは、オスカル・リースベークと話しながら走っている。
この4人が追いつくと逃げは一旦逃げは完成か。
- マティス・ル・ベール Arkéa – B&B Hotels
- バティスト・ヴェストロッフェ Lotto
- マーク・スチュワート Team Solution Tech – Vini Fantini
- フィリッポ・トゥルコーニ VF Group – Bardiani CSF – Faizanè
先頭は合流。クリスティアン・ズバラーリも追いついている。残り248.5kmで5分3秒差。
- マティス・ル・ベール Arkéa – B&B Hotels
- アレッサンドロ・ヴェーレ Arkéa – B&B Hotels
- バティスト・ヴェストロッフェ Lotto
- クリスチャン・ズバラーリ Team Solution Tech – Vini Fantini
- トンマーゾ・ネンチーニ Team Solution Tech – Vini Fantini
- マーク・スチュワート Team Solution Tech – Vini Fantini
- マーティン・マーセルージ VF Group – Bardiani CSF – Faizanè
- フィリッポ・トゥルコーニ VF Group – Bardiani CSF – Faizanè
残り241.4kmで4分32秒差。集団はいつものようにAlpecin-Deceuninckのシルヴァン・ディリエが引いている。1時間の平均は45.7km/h。昨年の46.11km/hよりは遅いペースだけど、雨だからねえ~。
タデイ・ポガチャルは、退屈で寒いんでしょうね。腕の屈伸運動。
タデイ・ポガチャルは、右手を振っていた。冷たくてすでに痺れているのでは。
残り228.9km/hで3分51秒差に。
マチュー・ファンデルプールは、グローブを変えている。手が痺れるとハンドリングに影響する。
2019年優勝のジュリアン・アラフリップは補給で食べている。
残り186.8km。3分46秒差。
残り176.5km。タイム差は2分49秒。
残り152.7km。3分46秒差。
トゥルキーノ峠 標高539m
集団もトルキーノ峠を越えた。
先頭は下っている。
残り130.3km。雨は完全に上がっている。
残り115.8km。シルヴァン・ディリエは、俺が引いているんだからちゃんと後ろにつけと言っている。
残り111.9km。3分40秒差。
残り97.4km。タイム差は3分45秒と拡大傾向。そろそろシルヴァン・ディリエ一人では対応できなくなるのでは。
シルヴァン・ディリエは代わってくれよと頼むけれど、首を振られる。そろそろ限界だ。
残り74.8km。タイムは4分15秒と拡大。あと20kmでレースが始まる時間に。
タイム差が4分を越えてから、ようやく各チームが前で出始めた。
ゲラント・トーマス、フィリッポ・ガンナも前面に出てきた。
カーポ・メーレ 1.8km・3.8% 標高77m
さあ、ここからだ。
集団は2分20秒差で突入。
ジャスパー・フィリップセンは、パンクから復帰中。右腕と右膝の包帯が痛々しい。
逃げから切れたトンマーゾ・ネンチーニ(Team Solution Tech – Vini Fantini)が捕まる。
ジャスパー・フィリップセンは、集団最後尾に追い付く。
クリスチャン・ズバラーリは、パンクから先頭に追い付く。
カーポ・ベルタ 2km・6.3% 標高125m
1分20秒差で登りに。
先頭の均衡が崩れた。
VF Group – Bardiani CSF – Faizanèのマーティン・マーセルージが単独に。
Team Visma | Lease a Bikeのベン・トゥレットがパンクか。
集団は1分18秒差に。
逃げが一人ずつ捕まっていく。
また、一人先頭を吸収。
マチュー・ファンデルプールは、前方。フィリッポ・ガンナの後ろで、タデイ・ポガチャルは、横に。
マーティン・マーセルージは29秒差。今年はチップレッサまで持たないパターンか。
11秒差となり集団が見えてくる。
チプレッサ 5.6㎞・4.1% 最大9%
さあ、チップレッサに。
マーティン・マーセルージが捕まる。
あっと落車。
2人がこけている。
UAE Team Emirates – XRGが先頭を引き出した。
ポガチャルは、10番手くらいにいる。
あ~、ジャスパー・フィリップセンだめだ~。
ティム・ウェレンスから、ヨナタン・ナルバエスにスイッチ。タデイ・ポガチャル、フィリッポ・ガンナ、マチュー・ファンデルプールと続く。
ヨナタン・ナルバエスのアシストからタデイ・ポガチャルが発射!
チップレッサからきたか~。
フィリッポ・ガンナ、マチュー・ファンデルプール、ロマン・グレゴワールが続く。
タデイ・ポガチャルが引き離す。
マチュー・ファンデルプールがフィリッポ・ガンナを抜く。
Groupama – FDJのロマン・グレゴワールが切れる。
フィリッポ・ガンナもやばい。
タデイ・ポガチャルが確認。
フィリッポ・ガンナが離れる。
いや、フィリッポ・ガンナが戻ってきた。
マチュー・ファンデルプールが先頭を引く。
フィリッポ・ガンナと3人パックに。
チップレッサをクリアー。
タイム差は32秒。
残り17.6km。後続は49秒差に。
もう、こうなったら3人でポッジョまでいかないといけない。
残り15.4km。1分2秒差に。
この展開は~。
ティム・ウェレンスの膝の調子が悪いので早めにチップレッサから攻撃。タデイ・ポガチャルにとっては理想的な展開だ。あとはポッジョで爆発すれば良い。マチュー・ファンデルプールはついていけるか?
逃げるのにも、登るのにも有利な追い風だ。
残り9.7km。逃げ切れば3人で表彰台だ。
ポッジオ 3.7km・3.7% 最大8%
さあ始まった。
あっと、タデイ・ポガチャルがアタック!
フィリッポ・ガンナが切れてしまう。
この差だ。
タデイ・ポガチャルが前を引く。マチュー・ファンデルプールが後ろを確認。
フィリッポ・ガンナが追いつきそう。
あ~、しかしタデイ・ポガチャルがスパート。
フィリッポ・ガンナ追いつかない。
タデイ・ポガチャルが攻撃。
集団は42秒。
タデイ・ポガチャルがアタック!
マチュー・ファンデルプールは離れない!
残り距離が少ないぞ。タデイ・ポガチャルが攻撃!
切れない。マチューは切れない。
タデイ・ポガチャルの脚が止まるか。6%勾配で35km/h。
あっと、ここでマチュー・ファンデルプールのアタック!
決まるか!
いや、決まらない。
タデイ・ポガチャルは、追いついた時に話ししている。
タデイ・ポガチャルが前に出る。
2人でゴールまでいくつもりだ。こうなると有利なのは~。
残り4km。
二人は牽制している時間はない。フィリッポ・ガンナは追いついてくる。
残り1.2km。フィリッポ・ガンナから前が見えている。
残り900m。フィリッポ・ガンナがきた。
さあ、フィリッポ・ガンナ合体。
マチュー・ファンデルプールが前に出る。
これはどうする。
牽制でマチューが先頭。
タデイ・ポガチャルは、後ろに下がりすぎだ。
残り300mで、マチューが行った!
タデイ・ポガチャルは、遅れた!
マチューが加速!
マチューがもがく。
フィリッポ・ガンナは並ぶこともできない!
マチューが最後の力を振り絞る。
マチュー・ファンデルプールが勝利だ~!
なんと2度目のミラノ~サンレモを獲得。
しかも、最強の男、タデイ・ポガチャルのチップレッサ、ポッジョの攻撃をしのいでの勝利なのだから完璧だ。
今年最初のモニュメントは、チップレッサからの逃げ切りという凄まじいレース展開となった。こんなライダー達はいない。素晴らしいドラマだ。
リザルト
優勝したAlpecin-Deceuninckのマチュー・ファンデルプール
ミラノ〜サンレモで一度優勝しただけでも特別なことだが、タデイ・ポガチャルとフィリッポ・ガンナに勝ったのは…私にとっては名誉なことだ。何と言っていいかわからない。本当に、本当に嬉しい。
本当に信じられない。今日は勝つことにとても集中していた。タデイが絶好調であることは事前に分かっていたが、私も非常に調子が良かった。レースの最初の数時間は寒さと雨でまだひどかったが、海岸に近づくにつれて良くなり、私も調子が良くなり始めた。
ポガチャルがチプレッサで攻撃を開始したとき、ファンデルポールは追随することができましたね。
登りではタデイが最強だったのは明らかだった。チプレッサでの彼の走りは本当に印象的だった。あの登りの後、僕たち3人はうまく連携した。それは理にかなっている。
表彰台を3つも逃がすわけにはいかない。僕にとって、今日のフィニッシュはポッジョの頂上だった。タデイはその後差をつけることができなかったからだ。彼に対抗できればと思ったが、彼は今日とても強かった。
スプリントでは早めに行くことにした。それはタデイとフィリッポを驚かせるためだった。彼らは私がスプリントを短くしたいと思っていたので、300メートルで私が飛び出したときは驚いたと思う。
私は持ちこたえるだけの力があると感じていたので、それは正しい戦術だった。 我々はここで3年連続で優勝した。これは本当に特別なことだ。
4位 Team Jayco AlUlaのマイケル・マシューズ
Rnk | Rider | Team | UCI | Time |
---|---|---|---|---|
1 |
VAN DER POEL Mathieu
|
Alpecin – Deceuninck | 800 | 6:22:53 |
2 |
GANNA Filippo
|
INEOS Grenadiers | 640 | ,, |
3 |
POGAČAR Tadej
|
UAE Team Emirates – XRG | 520 | ,, |
4 |
MATTHEWS Michael
|
Team Jayco AlUla | 440 | 0:43 |
5 |
GROVES Kaden
|
Alpecin – Deceuninck | 360 | ,, |
6 |
CORT Magnus
|
Uno-X Mobility | 280 | ,, |
7 |
PEDERSEN Mads
|
Lidl – Trek | 240 | ,, |
8 |
KOOIJ Olav
|
Team Visma | Lease a Bike | 200 | ,, |
9 |
TRENTIN Matteo
|
Tudor Pro Cycling Team | 160 | ,, |
10 |
WRIGHT Fred
|
Bahrain – Victorious | 135 | ,, |
11 |
TEUNISSEN Mike
|
XDS Astana Team | 110 | ,, |
12 |
STRONG Corbin
|
Israel – Premier Tech | 95 | ,, |
13 |
DEL TORO Isaac
|
UAE Team Emirates – XRG | 85 | ,, |
14 |
GIRMAY Biniam
|
Intermarché – Wanty | 65 | ,, |
15 |
ARANBURU Alex
|
Cofidis | 55 | ,, |
16 |
TULETT Ben
|
Team Visma | Lease a Bike | 50 | ,, |
17 |
HONORÉ Mikkel Frølich
|
EF Education – EasyPost | 50 | ,, |
18 |
ZAMBANINI Edoardo
|
Bahrain – Victorious | 50 | ,, |
19 |
VAN GILS Maxim
|
Red Bull – BORA – hansgrohe | 50 | ,, |
20 |
BARRENETXEA Jon
|
Movistar Team | 50 | ,, |
21 |
GARCÍA CORTINA Iván
|
Movistar Team | 30 | ,, |
22 |
VELASCO Simone
|
XDS Astana Team | 30 | ,, |
23 |
STUYVEN Jasper
|
Lidl – Trek | 30 | ,, |
24 |
ADRIÀ Roger
|
Red Bull – BORA – hansgrohe | 30 | ,, |
25 |
LIVYNS Arjen
|
Lotto | 30 | ,, |
26 |
PEDERSEN Casper
|
Soudal Quick-Step | 30 | ,, |
27 |
ALBANESE Vincenzo
|
EF Education – EasyPost | 30 | ,, |
28 |
AULAR Orluis
|
Movistar Team | 30 | ,, |
29 |
PACHER Quentin
|
Groupama – FDJ | 30 | ,, |
30 |
GRÉGOIRE Romain
|
Groupama – FDJ | 30 | ,, |
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