ジロ・デ・イタリアも第2週に突入。第2週は16ステージまでの6日間と短い。あまりにも第1週が濃密だったからかな。
第11ステージは、ミニストラーデビアンケのコース。合計35.2kmの未舗装のグラベルロードが待っている。
これは、2010年のモンタルチーノステージで登場したグラベルロードの2倍の距離。前回は大雨の中でのレースでライダーは泥だらけ。
このステージで優勝したカデル・エヴァンスはF1カーをラリーに連れていくようなものだとコースについて語っている。エヴァンス自身ワールドクラスのマウンテンの選手だったことも勝利に貢献している。
今回は、乾燥した状態になると予測されているけど、厳しいステージになることは間違いない。
トーマス・デヘントはツイッターで以下のような投稿をしている。
Let’s try these tires for tomorrow pic.twitter.com/jE7dzRHumA
— Thomas De Gendt (@DeGendtThomas) May 18, 2021
明日は、このタイヤを試してみようと(^^;
第11ステージ ペルージア〜モンタルチーノ 162㎞
ウンブリア地方にあるペルージャから白い砂利道に到着する前に、約40kmのフラットな道をひた走る。ここでのアタック合戦はし烈だろう。
上のコースマップのグレーの部分が未舗装路。第1セクターは下っているのでそれほどでもないだろう。ただ、落車やパンクのリスクは高い。
問題は、第2セクターの3級山岳だ。
3級山岳パッソ・デル・ルーム・スベントの前半が厳しい。最大勾配16%が砂利道なのだから、ここで遅れた場合にはかなりのタイム差がつくはずだ。
3級山岳頂上からゴールまでは40km。最後の3級山岳も同じ名前だが、こちらは最後は普通の舗装路となっている。
登りに入る前は5kmほどグラベルロードだが、平坦なので問題ない。
ゴールまで逃げ切るならば、ここの登りでアタックだろう。最大勾配12%を含む9.1%勾配の部分があり厳しい登りだ。
この3級山岳を越えるとゴールまでは3.8km。十分逃げきれる距離となる。
だが、最後は最大勾配12%となっており、フニッシュでも差がつくことが予想される。誰が最初に飛び込んでくるだろう。
スタート前
ミニストラーデビアンケのコースで、インタビューされているのはアルベルト・ベッティオル。2020年のストラーデビアンケでは4位にはいっており、今日のステージでも最後まで残ることが予想されている。
ミケル・ランダにマテイ・モホリッチまで失ってしまったBahrain Victorious。幸いなことにマテイ・モホリッチは脳震盪も骨折もなく、首も大丈夫ということで一安心。
総合では、ダミアーノ・カルーゾが7位。チームは、全力でカルーゾをアシストすることになるだろう。幸也の姿が今日もみれるかな。
今日からサガンがマリア・クチラミーノで登場。楽しみなのはバイクをどこまでカスタマイズしているのか。バーテープとサドルくらいかな。
天候は晴れ。気温18℃。ゴール付近は15℃。第11ステージスタートでの4賞は
- マリア・ローザ(総合) エガン・ベルナル(Groupama-FDJ)
- マリア・チクラミーノ(ポイント賞) サガン(BORA-hansgrohe)
- マリア・アッズーラ(山岳賞) ジョフリー・ブシャール(AG2R Citroën Team)
- マリア・ビアンカ(新人賞) レムコ・エヴェネプール(Deceuninck-Quick-Step)
逃げは11人
ファーストアタックを決めたのは、タコ・ファンデルホールン(Intermarché-Wanty-Gobert)。毎ステージやってくれますね。
これにドリース・デポンド(Alpecin-Fenix)が反応。
逃げたいメンバーが全開で引いて、あっという間に先頭集団が出来上がった。だが、今日の逃げ切りはどうかな~。
集団は横一列で見送りモード。トーマス・デヘントは先頭に。逃げ切れないと思っているのか、チームメイト2人に逃げを任せている。
エガン・ベルナルが後方から上がっている。トイレでもないだろうし、なんだったのかな。
逃げには、ロットから165. Roger Kluge(ロジャー・クルーゲ)と168. Harm Vanhoucke(ハーム・ファンフック)の二人が乗っている。
ロットは3人がすでにリタイヤ。
- 161. Caleb Ewan(カレブ・ユアン)
- 162. Jasper De Buyst(ジャスパー・デブイスト)
- 166. Tomasz Marczynski(トーマス・マルチンスキー)
カレブ・ユアンは、エディ・メルクスとアクセル・メルクスの親子から、ジロをバカにしていると批判を受けて、かなりショックをうけた様子。
膝が痛いんじゃあ走れないですよね。本人が一番悔しいと言ってますしね。
集団は、イネオスが引くけどタイム差は、すでに8分以上となっている。
先頭にベルナルがいないと思ったら、また後ろから上がっている。ルイスレオン・サンチェスと一緒だ。
サガンのバイクは、何もしてないみたい。ヘルメットのカラーを変えてますね。
ベルナルのバイクは、一部ピンクに変わっている。
逃げ集団は順調にタイム差を広げて、残り107kmで12分まで開いてきた。結構逃げれそうだ。
タコ・ファンデルホールン(Intermarché-Wanty-Gobert)が、サポートカーで補給。残り98.5kmでタイム差は13分4秒まで広がっている。
総合に関係ある選手は入っていないので、イネオスもそんなに速いペースで引かない。
残り75kmで14分15秒。イネオスは全く追いつこうとしないので、逃げ切りをさせてくれるのかな。
第1セクター
先頭はいよいよ白い道に入っていく。砂ぼこりが結構たつ。
集団も第1セクターに向けて先頭開始だ。サガンも前に上がっている。
先頭は人数が少ないから、砂ぼこりもあまりひどくないかも。でも、集団で走ると後ろは大変なことになりそう。
第1セクター前で位置取り争いが激しい。
集団が第1セクターに突入だ。
後ろは前が見えないのではないかというほどの砂ぼこり。
フィリッポ・ガンナがエガン・ベルナルをガンガンに引く。二人は前に飛び出るほどだ。
ガンナの引きで中切れだ。後ろにレムコ・エヴェネプールが取り残されている。
全然見えないけど、フィリッポ・ガンナはオーバーペースでカーブを曲がり切れなくなる。片足外してなんとかクリアー。それだけ凄いペースで引いている。
レムコ・エヴェネプールはやばい。チームメイトに引かれているが、あきらかに遅い。
フィリッポ・ガンナの引きで集団は完全に分裂。
エガン・ベルナルはサガン、ヴィンチェンツォ・ニバリなどのメンバーでレムコのグループを引き離すことに成功。
後続のレムコグループは全開で前を追う。
その後、なんとか追いつくことが出来た。
第2セクター
先頭は第2セクターにはいる。
集団から、ジョージ・ベネット(Team Jumbo-Visma)と、トビアス・フォス(Team Jumbo-Visma)の二人が飛び出る。
これはトビアス・フォスの総合ジャンプアップのためだ。
第3セクター
先頭はタコ・ファンデルホールン(Intermarché-Wanty-Gobert)が切れて10人。残り21.8kmで7分9秒のリードがあるので逃げ切りは確実だ。
ジョージ・ベネットとトビアス・フォスは捕まる。ジョージ・ベネットは、そのまま集団の前で走る。
なんと~、レムコ・エヴェネプールがまたも遅れた~。やはりグラベルロードは得意ではないようだ。
しかも、周りにはアシストがいない。先ほどの追走で使い切ってしまっている。
無線で聞いたであうろ、エガン・ベルナルは先頭でベースを上げまくる。これはチャンスだ。
イネオスは、ジャンニ・モスコンがいる。これはベルナル有利。すでに30秒のタイム差がついた。
先頭は、ロットのロジャー・クルーゲが切れて8人となっている。
レムコ大ピンチだ。残り13kmで50秒のタイム差がついた。途中で無線も外していた。
前からアルメイダが降りてきてくれた。これでタイムが縮まるはずだ。
第4セクター
最後の3級山岳を前にして二人が飛び出た。ドリース・デポンド(Alpecin-Fenix)だ。うしろは、アレッサンドロ・コーヴィ(UAE Emirates)。
集団はモビスターが引く。ベルナルは3番手だ。
先頭はマウロ・シュミットが追いついて3人に。
- 22. Dries De Bondt(ドリース・デポンド)Alpecin-Fenix
- 206. Mauro Schmid(マウロ・シュミッド)Team Qhubeka ASSOS
- 223. Alessandro Covi(アレッサンドロ・コーヴィ)UAE Emirates
3級山岳
エガン・ベルナルも先頭を引いてペースを上げる。すでにレムコと1分10秒のタイム差となる。
レムコは、アルメイダにずっと引いて貰っている。舗装路では前に出るが、グラベルロードでは先頭交代も出来ない。
ペリョ・ビルバオがダミアーノ・カルーゾのために集団を引く。
登りでベルナルも先頭を引く。少しでもレムコとのタイム差をつけておきたい。
ジロ2回の覇者、ヴィンチェンツォ・ニバリが集団から切れてしまう。
エマヌエル・ブッフマンがアタックをかけている。これは良いペースだ。現在総合13位の1分47秒遅れ。逃げ切れれば、一気に総合上位だ。
先頭はドリース・デポンドが登りで切れて2人に。
- 206. Mauro Schmid(マウロ・シュミッド)Team Qhubeka ASSOS
- 223. Alessandro Covi(アレッサンドロ・コーヴィ)UAE Emirates
ベルナルがアレクサンドル・ウラソフを抜いてアタックだ!
先頭二人はラスト1km。
エガン・ベルナルは10秒前を行く、エマヌエル・ブッフマンに一気に追いつく。アレクサンドル・ウラソフは後方。
先頭二人は、最後の登りを上がる。
さあ、先行するのは、マウロ・シュミッド(Team Qhubeka ASSOS)。
二人は並んでスプリント!
勝ったのはマウロ・シュミッド(Team Qhubeka ASSOS)だ!
スイス出身の21歳。2019スイスU23チャンピオン。2018年Tour of Black Sea (2.2)でも総合2位となっておりオールラウンドに力の発揮できるタイプ。Swiss Racing Academyの出身だ。
本人はトラック競技もしておりTTが得意。しかし、これは快挙と言っても良いだろう。Team Qhubeka ASSOSに貴重な2勝目をプレゼントした。
2週間前にジロに行くように言われたという。第10ステージでは散々だったが、グラベルトレイルが好きなので、ブレイクアウェイに入りたいと思っていたそうだ。
休息日1日で一気に回復してしまうとは、若いっていいな。
エガン・ベルナルは最後のスプリントも譲らない。最後まで貪欲にタイムを勝ち取っていく。
レムコ・エヴェネプールは、アルメイダに引かれてゴール。26位で帰ってきた。総合でも7位に後退してしまう。ベルナルとのタイム差は2分22秒と開いた。
レムコの弱点がグラベルロードだったとは~。まあ、走ったことがないのでは対処しようもないですよね。
リザルト
※スマホの場合には、横にスワイプして見て下さい
第11ステージ リザルト
Rnk | Rider | Team | UCI | Pnt | Time |
---|---|---|---|---|---|
1 | SCHMID Mauro | Team Qhubeka ASSOS | 100 | 80 | 4:01:55 |
2 | COVI Alessandro | UAE-Team Emirates | 40 | 50 | 0:01 |
3 | VANHOUCKE Harm | Lotto Soudal | 20 | 35 | 0:26 |
4 | DE BONDT Dries | Alpecin-Fenix | 12 | 25 | 0:41 |
5 | GUGLIELMI Simon | Groupama – FDJ | 4 | 18 | ,, |
6 | BATTAGLIN Enrico | Bardiani-CSF-Faizanè | 15 | 0:44 | |
7 | KLUGE Roger | Lotto Soudal | 12 | 1:23 | |
8 | GAVAZZI Francesco | EOLO-Kometa | 10 | 1:37 | |
9 | VAN DER HOORN Taco | Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux | 8 | 1:43 | |
10 | NAESEN Lawrence | AG2R Citroën Team | 6 | 1:59 | |
11 | BERNAL Egan | INEOS Grenadiers | 5 | 3:09 | |
12 | BUCHMANN Emanuel | BORA – hansgrohe | 4 | 3:12 | |
13 | VLASOV Aleksandr | Astana – Premier Tech | 3 | 3:32 | |
14 | CARUSO Damiano | Bahrain – Victorious | 2 | 3:35 | |
15 | YATES Simon | Team BikeExchange | 1 | ,, | |
16 | FOSS Tobias | Team Jumbo-Visma | ,, | ||
17 | GUERREIRO Ruben | EF Education – Nippo | 3:39 | ||
18 | CARTHY Hugh | EF Education – Nippo | 3:41 | ||
19 | CICCONE Giulio | Trek – Segafredo | 4:56 | ||
20 | BETTIOL Alberto | EF Education – Nippo | ,, |
総合
Rnk | Prev | ▼▲ | Rider | Team | UCI | Time |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | – | BERNAL Egan | INEOS Grenadiers | 20 | 42:35:21 |
2 | 3 | ▲1 | VLASOV Aleksandr | Astana – Premier Tech | 0:45 | |
3 | 7 | ▲4 | CARUSO Damiano | Bahrain – Victorious | 1:12 | |
4 | 6 | ▲2 | CARTHY Hugh | EF Education – Nippo | 1:17 | |
5 | 9 | ▲4 | YATES Simon | Team BikeExchange | 1:22 | |
6 | 15 | ▲9 | BUCHMANN Emanuel | BORA – hansgrohe | 1:50 | |
7 | 2 | ▼5 | EVENEPOEL Remco | Deceuninck – Quick Step | 2:22 | |
8 | 4 | ▼4 | CICCONE Giulio | Trek – Segafredo | 2:24 | |
9 | 18 | ▲9 | FOSS Tobias | Team Jumbo-Visma | 2:49 | |
10 | 11 | ▲1 | MARTÍNEZ Daniel Felipe | INEOS Grenadiers | 3:15 |
総合ベルナル以外、大きく変動。エマヌエル・ブッフマンが一気に6位に入ってきた。
ポイント賞
Rnk | Prev | ▼▲ | Rider | Team | Points |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | – | SAGAN Peter | BORA – hansgrohe | 108 |
2 | 2 | – | GAVIRIA Fernando | UAE-Team Emirates | 91 |
3 | 3 | – | CIMOLAI Davide | Israel Start-Up Nation | 91 |
4 | 5 | ▲1 | VIVIANI Elia | Cofidis, Solutions Crédits | 79 |
5 | 6 | ▲1 | NIZZOLO Giacomo | Team Qhubeka ASSOS | 76 |
6 | 16 | ▲10 | GAVAZZI Francesco | EOLO-Kometa | 42 |
7 | 7 | – | MOSCHETTI Matteo | Trek – Segafredo | 42 |
8 | 8 | – | TAGLIANI Filippo | Androni Giocattoli – Sidermec | 39 |
9 | 9 | – | FIORELLI Filippo | Bardiani-CSF-Faizanè | 39 |
10 | 10 | – | GROENEWEGEN Dylan | Team Jumbo-Visma | 36 |
山岳賞
Rnk | Prev | ▼▲ | Rider | Team | Points |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | – | BOUCHARD Geoffrey | AG2R Citroën Team | 51 |
2 | 2 | – | BERNAL Egan | INEOS Grenadiers | 48 |
3 | 3 | – | MÄDER Gino | Bahrain – Victorious | 44 |
4 | 4 | – | MOLLEMA Bauke | Trek – Segafredo | 23 |
5 | 5 | – | CICCONE Giulio | Trek – Segafredo | 20 |
6 | 6 | – | GOOSSENS Kobe | Lotto Soudal | 18 |
7 | 7 | – | GAVAZZI Francesco | EOLO-Kometa | 17 |
8 | 8 | – | ALBANESE Vincenzo | EOLO-Kometa | 16 |
9 | 9 | – | TAARAMÄE Rein | Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux | 13 |
10 | 10 | – | EVENEPOEL Remco | Deceuninck – Quick Step | 13 |
ヤングライダー賞
Rnk | Prev | ▼▲ | Rider | Team | Time |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | – | BERNAL Egan | INEOS Grenadiers | 42:35:21 |
2 | 3 | ▲1 | VLASOV Aleksandr | Astana – Premier Tech | 0:45 |
3 | 2 | ▼1 | EVENEPOEL Remco | Deceuninck – Quick Step | 2:22 |
4 | 6 | ▲2 | FOSS Tobias | Team Jumbo-Visma | 2:49 |
5 | 5 | – | MARTÍNEZ Daniel Felipe | INEOS Grenadiers | 3:15 |
6 | 4 | ▼2 | VALTER Attila | Groupama – FDJ | 3:51 |
7 | 8 | ▲1 | ALMEIDA João | Deceuninck – Quick Step | 7:04 |
8 | 7 | ▼1 | HINDLEY Jai | Team DSM | 7:55 |
9 | 9 | – | TEJADA Harold | Astana – Premier Tech | 27:51 |
10 | 10 | – | FORTUNATO Lorenzo | EOLO-Kometa | 27:54 |
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