ワウト・ファンアールトが速くもパリ~ルーベのコースを試走している。
レース前ならばわかるけれどオフなのに速い。同行したのはAlpecin-Deceuninckから移籍してきたティモ・キーリッヒ。クリストフ・ラポルト、開発チームのアルド・タイリュー、マティス・ファン・ケルクホーフェが同行。
パリ~ルーベのコースの一部を周回。96.1kmほど走行している。
ワウト・ファンアールトは、ロンド・ファン・フラーンデレンとパリ~ルーベという、ベルギー人選手にとって最も価値のある2つのモニュメントでの勝利を狙っている。
元シクロクロス世界王者ととしても石畳、荒れたコースでの勝利は是非とも欲しいところ。
ワウトは、これまで数多くの大レースで勝利を収めてきたが、シルバーコレクターという異名を貰うほど2位が多い。常に頂点に肉薄しながらも勝利を逃してきた。
度重なる挫折と怪我からの復帰を経て、ワウト・ファンアールトがトップレベルに戻り、フランドルとパリ~ルーベで輝きたいという強い決意を持っているのは確かだ。
機材テスト
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ワウト・ファンアールトが、この時期にパリ~ルーベを走ったのは、装備のテストを兼ねていた。
Graavaの自己膨張・収縮タイヤシステムをテストしたのだ。2024年10月に正式に発売されたタイヤシステムは、ハブに内蔵されたポンプによって、走行中にタイヤの空気圧を調整・モニターすることができる。
システムは、ハブとチューブレスタイヤのバルブに伸びるホースで行われる。KAPSはKinetic Air Pressure Systemの略。
具体的には、ホイール ハブにある 250gのポンプシステムが、ホイールの回転によって駆動される。
ハンドルバーのボタンを使用して、ライダーはタイヤの空気圧を数秒で増減できる。これは直接行うこともできるが、圧力リザーバーを介して行うこともできる。
スマホであらかじめタイヤの空気圧を設定しておいて、手元のボタンで空気圧を変えることが出来る。
Team Visma | Lease a Bikeは、2023年のクラシックシーズンに初めてこのテクノロジーを採用。
2024年10月、マリアンヌ・フォスがUCIグラベル世界選手権で優勝した際に、最新のGraava KAPSシステムを搭載したホイールを使用。
14度目のレインボージャージ獲得に貢献した。
平地のスプリントでは、空気圧をあげて対応。グラベルでは空気圧を下げてパンクを防ぎ、乗り心地を良くする。
タイヤの選択もより有利なものが使用できる。太いばかりのタイヤは必要ないのだ。
例えば、世界グラベル選手権でマリアンヌ・フォスが使ったタイヤは、33mm 幅の Vitorria Dugast シクロクロス タイヤ。他のチームメンバーは、38~42mm のVitorria Terreno Dryタイヤだった。
2位となったロッテ・コペッキーは、 Roval Terra CLX II ホイールにSpecialized Pathfinder グラベルタイヤを装着していた。タイヤ幅は38mm。
タイヤの幅が変われば、当然タイヤの重量自体違う。軽いものを使用して空気圧が変わるほうが有利なのは当然だ。
- 石畳では空気圧を引くくして走りやすく
- アスファルトでは空気圧を高くして転がり抵抗を30W低減
これに加えて、チューブレスタイヤの場合にはパンクを検出した場合に、空気を入れることも可能となる。
2025 パリ~ルーベの前にもワウト・ファンアールトはテストしている。ただ、実際にワウト・ファンアールトがGraava KAPSシステムを使ったのかは確認出来ていない。
ワウト・ファンアールトは今度こそモニュメント制覇となるのか。パリ~ルーベは4月12日スタートだ。





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