2025年、ルワンダ・キガリで開催された世界選手権男子ロードエリート。タデイ・ポガチャルが2連覇を達成し、史上最も過酷なレースの一つとして記憶されることになった。
しかし、この熾烈を極めたサバイバルレースの中で、世界のトップサイクリストたちに混じり、ひときわ強い輝きを放った一人の若者がいた。
彼の名はポール・セイシャス。弱冠19歳になったばかりのフランスの未来を担う超新星だ。
史上最難関のレースでエリートデビュー
Premier Français aujourd’hui, Paul Seixas termine 13ème à l’occasion de son premier championnat du monde élites ! 🇫🇷 pic.twitter.com/sJy4XlQhs1
— Cycling Legend (@CyclingLegend_) September 28, 2025
ポール・セイシャスはミックスリレーにも出場。2位に貢献。エリート男子では、フランス代表としてエースのパヴェル・シヴァコフをアシスト。
先頭集団に向かって集団からアタックする姿が、残り220kmあたりから見られていた。ただ、この引きでジュリアン・アラフリップは切れた訳だけど。
レース後半ポール・セイシャスは、フアン・アユソーと共に走り、後方からパヴェル・シヴァコフが追いつく。最終的には13位でフニッシュ。フランス勢最高の順位だった。パヴェル・シヴァコフは40秒遅れの15位。
最終的に完走できた選手がごくわずかというタフな267kmの戦い。
その中で、プリモシュ・ログリッチやジェイ・ヒンドリーといった世界屈指の強豪たちと最後まで競り合った彼の走りは、まさに驚異的。
レース後、リヨン出身のこの若者は、その過酷さをこう振り返っている。
ポール・セイシャスのコメント
こんなに最後まで走りきれるとは思わなかった。間違いなく、僕の人生で最も過酷なレースだった。
走っている間も、ゴールまであとどれくらいあるかを考えていた。チーム、特にリーダーのパヴェル・シヴァコフを少しでも助けたかったんだ。もしかしたら、彼も期待していたような結果ではなかったかもしれないね。
185cm、61kgという理想的なクライマー体型を持つセイシャスのキガリでの経験は、彼にとって「ナショナルチームの仕組みを発見し、将来への準備を整える」ための第一歩だった。
世界選手権で限界を突破したばかりだが、日曜日には、母国フランスで開催されるヨーロッパ選手権に再び参戦する予定だ。
キガリでの13位という結果は、フランスが目標としたトップ10入りには届かなかったが、セイシャスという「未来への希望」を確実に灯した。
ポール・セイシャスは、まだ19歳となったばかり。タイムトライヤルの能力はこれから上がっていく。ポール・セイシャスが、近いうちに世界の自転車界の主役となる日は、そう遠くないかもしれない。
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