ジロ・デ・イタリア第16ステージは、悪天候により距離を短縮。
それでも、厳しいコースに変わりはなく多くの総合ライダーが脱落。元に戻った攻撃的なエガン・ベルナルの強さが際立ったレースとなった。
この短縮されたレースで総合から脱落したライダーを見てみよう。
レムコ・エヴェネプール
この投稿をInstagramで見る
レムコが今、必要としているのは水曜日の朝までの睡眠だ。
レムコ・エヴェネプールは、1回目の休息日の後に総合7位だったが、2回目の休息日には10位にまで落ちているだろうと自分で予測していた。
第1週での総合2位は自分でも驚くほどの走りだった。
だが、このステージではゴールから40km手前で集団から脱落。エガン・ベルナルから24分5秒遅れの58位でゴール。
総合では19位にまで落ちてしまい完全に圏外となってしまう。
これが起こる可能性があることはわかっていた。完全に休みの日だった。恥ずかしいことではない。
2ヶ月しかトレーニングをしていない人は、3週間のレースで最高の状態になるとは期待できない。
力がどんどん減っていくと感じている。すべてのステージでやらなければならないことは、どんどん増えていく。しかし、それは学習プロセスのすべての部分であり、そのレッスンを来年に取り入れていく。
まあ、当初からステージ優勝を狙いリハビリとしてジロを考えているので、この結果は当然だという自覚をしている。
ただ、これから後のステージを狙うにも、走る前から疲れていては逃げることも出来ない。トレーニングと調整のためのレース。やはり、じっくりと取り組んでいかないと無理だということだ。
GMのパトリック・ルフェーブルは、ジロを止めさせると言っていたが、レムコ本人は最後まで走るつもりだ。
これも経験となるだろう。
アレクサンドル・ウラソフ
この投稿をInstagramで見る
アレクサンドル・ウラソフは決して大きく遅れた訳ではない。EF Education-Nippoが強烈なペースで引き続ける中、サイモン・イェーツよりも遅れていた。
この、理由なのだけど、アレクサンドル・ウラソフはレインジャケットの袖がホイールに引っかかってしまった。
幸いサポートカーは近くにいたが、大切な場面で集団から遅れてしまう。ゴールでは、再びレインジャケットを着ているが、登りの途中で脱ぐ時に失敗したのが痛かった。
総合順位も4位で変わっていないが、ベルナルからは2分11秒もタイムを失ってしまう。ヒュー・カーシーにも順位を抜かれ表彰台争いも微妙になってきた。
残る山岳ステージで挽回するしかない。
サイモン・イェーツ
総合2位でスタートした、サイモン・イェーツはこの日も主役となると思われていた。
だが、サイモン・イェーツは超級山岳となったパッソ・ジャウの頂上手前4kmでEF Education-Nippoのサイモン・カーが引く集団から切れてしまう。
寒さにやられたのかと思っていたが遅れた理由はそうではなかった。
一部のライダーは他のライダーよりもそれを許容する。普段は大丈夫で、今日はそれほど寒くはなかったが、いくつかの要因が組み合わさっただけで、思い通りの場所に行けなかったと思う。
チームのスポーツディレクターによると、良い日もあれば悪い日もあり、今日のサイモンは悪い日が当たったようだ。
3週間という長いステージレースでは、毎日絶好調とはいかない。この日、サイモン・イェーツはパットデイだったということだろう。
サイモン・イェーツはエガン・ベルナルに対して、2分37秒のタイムを失う。総合でも一気に5位まで下がってしまったが、まだ山岳ステージは3つ残っている。
バットデイがあれば、良い日も必ず訪れる。残るステージでどこまで挽回できるのか。まずは、ゆっくりと休養して、またエガン・ベルナルとのバトルを見せて貰いたい。
コメント