壮大なるポーカーゲーム。
結局、アタックで抜け出したサイモン・イェーツは、下りでワウト・ファンアールトと合流。10キロ以上にわたって固定で引き続けた。
仮に、リチャル・カラパスとアイザック・デルトロが一緒になって追っていれば。フィネストレの頂上では1分40秒のタイム差がついていた。
総合で19秒アイザック・デルトロをサイモン・イェーツは、頂上で上回っていた。その前から二人が協力していればタイム差は小さかったはず。さらに下りを全開で追っていれば….。
まあ、これも仕方ない。リチャル・カラパスは、レース後にマリアローザ奪還とならなかったためにうなだれていた。
レースのやり方
Dejamos todo en la carretera, intentamos todo lo que pudimos y, bueno, solo hay un ganador. Congrats, Simon 👏🏽
📸 @visualsofharry pic.twitter.com/D0ZBYeRGlA
— Richard Carapaz M (@RichardCarapazM) May 31, 2025
アイザック・デルトロがリチャル・カラパスに固執するのもわかる。総合3位のサイモン・イェーツがアタックしたのだから、まずはリチャル・カラパスが追うのがセオリー。
だが、アイザック・デルトロはリチャル・カラパスに固執するあまり、ジロ・デ・イタリアを失った。もう少しなんとかならなかったのか、とても残念な感じがするのは私だけだろうか。
Vieron a Isaac del Toro llorarle a Richard Carapaz en el #GirodItalia #Giro2025 🤣
Si, otro mexicano llorando. 😏 pic.twitter.com/HpQ91Hp3r9— Poliwar (@Poliwar_Ec) June 1, 2025
この上記の会話の場面で2分29秒差。前でワウト・ファンアールトが引いていたので、もう追いつくことは無理ではあったのだけど。
ゴール後にリチャル・カラパスは、ハンドルに突っ伏してしまう。中々インタビューに答えることもなかった。それはそうだろう。チームはリチャル・カラパスのアタックのために残り42km地点まで全開で引いて発射した。
サイモン・イェーツが、何度もアタックをかけて二人を振り切ったが、ゴールでここまでタイム差がつくとは誰も想像してなかっただろう。
リチャル・カラパスのコメント
今日は我々が最強だったかもしれないが、勝ったのは最も賢いチームだった。
デルトロはジロの優勝を目指して走るよりも、あなたと競い合っていたように感じたか?
ああ、結局彼はジロに負けたんだ。彼はレースのやり方を知らなかった。だから、一番賢い人が勝ったんだ。
アイザック・デルトロは、完全にリチャル・カラパスを封じ込めることに成功した。だが、結局ジロを失う結果に。
皮肉なことだが、リチャル・カラパスがジロで初制覇した2019年の時には、サイモン・イェーツ、ヴィンチェンツォ・ニバリ、プリモッシュ・ログリッチがお見合いしていた。
それと同じような感じだが、もう少し違う展開を期待したかった。
コメント
正直みっともない負け惜しみにしか見えないです。
カラパスの敗因はデルトロが強調しなかったことではなく、
デルトロを千切る脚がなかったことと、あまりにも長い距離で仕掛けすぎたこと、サイモンを甘く見過ぎたことです。
デルトロと強調していればサイモンを捕まえられたという考えが間違ってます。
ファンアールトが逃げてる時点でサイモンに10秒以上与えてはいけなかった。
フィネストレ峠で集団を崩壊させ、サイモンにとって理想的な状況を作り出したのはまぎれもなくEFとカラパスです。
先に仕掛ければマークされるのも、距離が長いのでデルトロが脚を使いたがらないのも当然。
UAEとしてはアユソがリタイアしてステージ2勝してる時点であとは表彰台確保できれば万々歳。
カラパスが3位に落ちたのは、カラパス自身がリスクを冒して攻めた結果です。
21歳の若手がレースの走り方を知らないのは当然ですし、ベテランでも同じ状況に陥るのがロードレースです。
(力で全てを制圧するポガチャルを見て麻痺してますが、昨日のステージはロードレースらしい駆け引きのある素晴らしいレースだったと思ってます。)
カラパスがデルトロを批判するのは完全にお門違いだと思います。
長い距離での攻撃は良かったですが、何発かけてもアイザック・デルトロは千切れなかった。他の総合勢は全く近寄ることも出来なかったのですから、アイザック・デルトロの強さは凄かった。
最後のサイモン・イェーツのアタックを見送ったのが、敗因でしたね。勝てる足があり、最強と思われたリチャル・カラパスが沈んでしまう。
これほどのシナリオは作家でも書けないほどでしたね。リチャル・カラパスがグランツールで勝てる最後のチャンスだったかもしれない展開を失ってしまった。
今でも、後悔してるでしょうね。