2026年のジロ・デ・イタリア第14ステージ、ピラへの過酷な山岳ロードで、世界中のファンの心を震わせるひとつのシーンがあった。
それは、Team Visma | Lease a Bikeのティム・レックスが見せた、限界を遥かに超えた執念の走りだ。
エースであるヨナス・ヴィンゲゴーのマリア・ローザ奪還のため、集団の先頭で猛烈なペースを維持し続けたティム・レックス。
その際にカメラが捉えた彼のあまりにも激しい苦悶の表情は、ロードレースにおけるアシストの過酷さと、勝利へのあくなき献身を象徴するものとして、今大きな話題を呼んでいる。
限界なき牽引
Gros boulot de Tim Rex en tête de peloton, pour la Visma-Lease a Bike. La souffrance se lit sur le visage du Belge (22 ans), qui dispute son premier Grand Tour. #GirodItalia pic.twitter.com/jQNfbPhrmu
— Le Gruppetto (@LeGruppetto) May 23, 2026
第14ステージの山岳ステージの勝負どころにおいて、マリアローザを狙うTeam Visma | Lease a Bikeの戦略は明確だった。ライバルたちの追撃を許さない極限のハイペースを維持すること。その大役を任されたのがティム・レックスだった。
レックスは急勾配の登坂において、パワーメーターが示す驚異的な数値を維持しながら集団を牽引し続けた。
カメラが至近距離からレックスの顔を捉えたとき、そこには苦痛に歪み、歯を食いしばりながらも、1秒でも長く先頭を引き続けようとするプロフェッショナルの姿があった。
肉体が悲鳴を上げているのは誰の目にも明らかであったが、彼のペダリングが衰えることはなかった。限界を超えてなお走り続けるその献身的な牽引によって、ライバルチームの選手たちは次々と集団から脱落していった。
表彰台で輝かしいスポットライトを浴びるのはエースのヴィンゲゴーだが、その栄光の土台を作ったのは、間違いなくレックスの顔に刻まれたあの苦悶の表情と、自己犠牲の精神だ。
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ティム・レックスのコメント
本当にきつかった。かなり限界だった。差を一定に保つように努め、なんとか維持することができた。実際にはもう限界だったのだけど、どうにかして登り切ることができたので、かなり痛みを感じた。
登り始めの頃は、一番下の勾配は6~7%で、僕が引っ張っていたんだけど、もっと急なところで差が広がったら少し加速する必要があるねって話になったんだ。
もう限界だったんだけど、突然「そのまま運転を続けろ」と言われたんだ。道路以外の星や何かが見えた。それで加速したら、もう自分の限界をかなり超えてしまっていたよ。
バスに戻ってきて、もちろん最初に開いたのはパワーデータだった。一日中、体重1kgあたり5.9~6wのペースで走っていた。登り坂だけでなく、一日中ずっと同じペースだった。
若いから、自分の限界を超えて何も見えなくなるようなタイプなんだ。面白い話があるんだけど、10歳の頃、父と一緒に自転車に乗っていた時のこと。
坂道を登っていたんだけど、置いていかれたくなかったんだ。でも結局、転倒してしまって置いていかれちゃった。あまりにも激しく走ったせいで目の前が真っ暗になったから。だから、そういう性格がちょっと染み付いているんだと思う。
ヨナスは僕たちのために全力を尽くしてくれているけど、僕たちも彼のために全力を尽くしている。チームの雰囲気はとても良いし、一緒にいると本当に楽しいし、お互いに助け合おうとしているんだ。
ティム・レックスは2026年に開発チームから昇格したばかりの1年目。22歳のベルギー人。限界を越えることのできる人は強くなる。


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