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長いインターバルと短いインターバルでは、どちらの効果が高いのか?

トレーニング
Photo by Rille Camera Strap on Unsplash
この記事は約6分で読めます。

自転車で速くなりたいなら、速くなるように体を鍛えなければならない。それには、インターバルトレーニングが必要だ。

 

インターバルトレーニングには、

  • ブロックトレーニング
  • 坂道スプリント
  • スイートスポットトレーニング

など、いろいろな方法がある。

 

でも、5分や10分なんて長い時間、全力に近いパワーなんて中々出せるものではない。しかも、それを何本もやるなんて~。

考えただけでも、嫌になる人もいるでしょう。私もその筆頭だ(^^;

では、長い高強度のインターバルトレーニングと短い高強度のインターバルトレーニングでは、どちらが効果があるのだろうか?

 

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二つのグループでテスト

 

本当にパフォーマンスを向上させたいのであれば、超短時間で高強度のHIT (High Intensity Interval Training)に時間を割くべきだとする研究が増えている。

この種のトレーニングは、主にレーサーやスプリンター、シクロクロッサーが行うものだと思われるかもしれないが、実はそうではない。

Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sportsに掲載された最新の研究では、高度な訓練を受けたサイクリストを対象に、長いインターバルと短いインターバルの効果を比較したものがある。

研究では、18人のエリート男性ライダーがテストを行った。

彼らは、週に16時間ほど、強度の低いロングライドを中心に、時々インターバルを挟みながらトレーニングを積んできたところだった。

彼らはフィットネスレベルのテストを受けた後、週に3回のインターバルトレーニングを3週間行うという特定のインターバルトレーニングのスケジュールを受けた。

 

  • 長いインターバル : 5分間のインターバルを4回、2.5分間のリカバリー
  • 短いインターバル : 30秒×13回のインターバルを3セット、15秒のリカバリーと3分の休憩

 

インターバルの総時間はどの選手も同じ

  • 長いインターバルは20分
  • 短いインターバルは19.5分

両グループとも可能な限り高いパワーを出すために最大まで行うよう指示されている。上記の例は、あくまでエリートサイクリストの場合だ。

 

結果は

 

3週間後、短いインターバルをこなしたライダーが明らかに勝者となった。

短時間インターバルでは、20分間のFTPテストにおける平均出力が4.7%向上したが、長時間インターバルでは有意な向上は見られなかった。

また、ショートインターバル群では、有酸素性ピークパワーと乳酸性閾値におけるパワーが有意に向上した。

しかも、長いインターバルのライダーが減少したとさえ言われる中で、これだ。

 

では、何が短いインターバルを効果的にしたのだろうか?

まず、これらの努力によって、選手の乳酸に対する耐性、いわゆる乳酸耐性が高まったと思われる。

研究期間中、脚に乳酸を流し込むことで、短距離走者は筋肉をストレスに適応させ、ハイオク燃料の燃焼に伴う酸性環境のバッファリングに優れた状態にすることができた。

更に、乳酸性作業閾値を上げることも出来ている。

 

乳酸性作業閾値とは

乳酸性作業閾値とは、解糖系のエネルギー供給にあまり頼らずとも、継続することができる運動強度のことを指します。解糖系が高まる、すなわち糖の分解が高まることから、この運動強度では「乳酸(糖を分解してエネルギーを生み出す際の副産物)」が多く作られることになります。そのため、乳酸値が急激に高まり始める運動強度とも言い換えることができます。

引用 よくわかる乳酸性作業閾値(LT:Lactate threshold)

 

また、短いインターバルのグループは、インターバルワーク中に、より多くのパワーを生み出していた。

平均すると、短時間で最大出力の94%の力でペダルを踏んでいたことになる。

インターバルの長いサイクリストの平均出力は最大ワット数の79%にすぎなかったので、短いインターバルのグループの方がパワーが向上したのは当然といえば当然だ。

気分的にも、短いほうが頑張れるのは間違いないだろう。全力に近いパワーで短く何回も繰り返すのが効果が高いということだ。

 

一般ユーザーでは

 

この研究は、エリートサイクリストを対象にした小規模なものだった。

では、一般のサイクリストの場合にはどうだろうか?

同じ研究者が、あまり訓練を受けていない(しかし、体力はある)サイクリストを対象にした別の研究のフォローアップが行われた。

その結果、短い間隔の方が良い結果が得られることが分かったそうだ。

この2つの研究は、本当に短時間で激しいインターバルトレーニングが、誰であれ、どれだけ健康であれ、体力を素早く向上させることを示す世界中の数十の研究結果に追加されるものとなる。

 

ここで行われているような短いインターバルトレーニングで最も難しいのは、インターバルを記録することだ。

7~8回走ると、自分が何回やったのか覚えるのが難しくなる。この場合には、GPSコンピュータのラップタイマーを全セットの時間にセットしておくとよい。

長い時間は設定しても、効果がないので、自分が出来るインターバルの時間で良いだろう。無理をしては、長続きしないし、一度やったら嫌になってしまうかも。

私は、30秒も持たないので、今なら10秒から15秒かな。こんなに短くでも効果あるんだろうか。まあ、個人差があるから自分の出来る範囲の高強度で、まずはやってみることが大切だ。

自分に言い聞かせてますね(^^;

 

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コメント

  1. niandra より:

    FTP5倍のそこそこシリアスなサイクリストです。
    いつも楽しく拝見しています。

    短時間高強度トレーニングが短期間でのパワー向上や、短い練習時間でのパフォーマンス維持に有効なことは記事の通り間違いないものと思います。
    自身の経験においても効果を感じています。

    一方、短時間高強度トレーニングが長期に渡る継続的パフォーマンス向上に寄与するかどうかについては疑問があります。
    私の主観ではありますが、短時間高強度トレーニングを一時的に集中して行うことで、現在の自分のパワーを素早く数%上積みすることは出来ても、それを1ヶ月2ヶ月と続けたところで、その伸び率は続かないもの考えています。

    結局土台となるパワーを底上げするにはL2、L3、L4を中心とした長期の乗り込みがどうしても必要であり、短時間高強度トレーニングはその長い時間をかけて培ったベースパワーに対して素早く一定のボーナスを上積みできる点に特徴があるものと理解しています。

    日本のトップアマのトレーニング法をインタビュー形式でまとめた本においてもL2〜L4あたりのトレーニングを大量に積み上げ、レースが近づいたら高強度トレーニングを増やして一気に仕上げる、という手法が散見されました。

    • ちゃん より:

      niandraさん、貴重なコメントありがとうございます。
      niandraの言われるように、長いスパンでみると間違いなく構造的トレーニングをしていないと向上はないと思います。
      この実験自体の1か月程度の期間なので、その後も長期間継続してテストしている訳ではないですもんね。
      実験の期間を長期にした場合には、確実に伸び率は変わってくるでしょう。どのスパンで見るかで結果は変わるのが普通でしょうね。
      ちなみに、Jumbo-Vismaは2分間の高強度インターバルが効いているとか。でも、それに至るまでに冬場月5,000km近い乗り込みがあってこその高強度かと。
      継続にまさるものはないと言えるでしょう。

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