2023年のUCIのルール改定については、大まかな内容をすでに紹介していた。実に、コマゴマとしたルール変更が沢山あった訳だけど。
UCIはタイムトライヤルについて、さらにルール改正を発表した。その内容とは?
車両との距離は更に広がる
タイムトライヤルで、ライダーとサポートカーの距離は15m離すこととルール改定されていたけれど、これがなんと25mに拡大。
研究では、ライダーの10m後ろに車が存在すると、アスリートは46.8 km/h の速度 (タイム トライアルで達成された速度に対応する速度) で 1 kmあたり0.05 秒のアドバンテージを得ることがわかった。
これは、20 kmのタイム トライアルの1秒に相当する。ただし、距離を15mに伸ばすと、その利点は取るに足らないものになる、とUCIも見解を発表しているのだけど。
さらに、ご丁寧に図解まで出しているけど、10mでも0.05秒。15mならばほとんど関係ないと思うけどなあ~。
それが25mに拡大とは。25m離れていたら、ライダーが落車しても追突が避けれるなどのメリットもあると説明。
ジュリアン・アラフィリップとバイクの接触とちょっと違うけれど、距離も少し考えないといけないかも。
まあ、25m離れていたら、サポートカーにいくらバイクを積んでも関係なくなるでしょうね。
ただ、モトバイクの空気シュミレーションでは、かなり離れていても効果があることが分かっている。
ちなみに、前や後ろは空気抵抗に対してメリットがあるけど、真横だと逆に空気抵抗が大きくなるというデータもある。
エアロバーの長さ
身長別に応じて、エアロバーの長さが細かく規定された。これまで、身長の高い選手は、身体を縮めて乗ってましたからね。
- 180cm以下 80cm 前腕サポートとエクステンションの最高点との高さの差は10cm未満
- 180~189.9cm 83cm 前腕サポートとエクステンションの最高点との高さの差は12cm未満
- 190cm以上 85cm 前腕サポートとエクステンションの最高点との高さの差は14cm未満
上記の規制の変更に対応するために、ハンドルバーエクステンションの前腕サポートの最大傾斜角度が 15°から30°に増加している。
新しい規則の目的は、空気力学的な位置を維持しながら、ライダーにより高い安定性と安全性を提供すること。
これは、背の高い選手にとっては助かるルール改定だ。皆が80cmでは現状にあっていなかった。
レース車列内の人による危険な運転に対する規制も強化
たとえば、カメラマンは、レース条件が許可されていないときにバイクのライダーにプロトンを追い越すように命じたり、第三者を危険な位置に置いたりしたことで制裁を受ける場合がある。
これまで、罰せられるのはバイクのライダーだけで、カメラマンは翌日、別のバイクのライダーと一緒に仕事を続けることができた。これが出来なくなる。
1週間仕事出来なかったら、短いステージレースならば、終わってしまうことも。
さらに、この種の制裁は UCI ワールドツアーのイベントのみに適用されていたが、今後はすべてのクラスのイベントに適用される。
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