ロードレースでのモトバイクとライダーの距離については、たびたび問題になっている。
モトバイクが前を走ることによって、ライダーが有利になっているのではないかと。
これについては、以前バウケ・モレマも問題提起していた。
バイクが前を走ることで得られるメリットを、アイントホーフェン工科大学が科学的に実証した。
実験によれば、例えば、ライダーがバイクの後ろ30mを1分間走行した場合、2.6秒のタイム短縮を達成するという。
実験では、空気抵抗の測定にコンピュータシミュレーションと風洞実験を使用。建築物理学Bert Blocken教授によると、結果は同じだったと。
メリットはあるわけですね。
大きな効果
風洞の測定と計算を実行したが、これほど大きな影響があるとは信じられませんでした。しかし、何度実験しても、同じ結果だった。
レースは数秒で決定されることがあるので、これらの違いが勝敗を決定する可能性がある。
オートバイがレースの結果に影響を与えることができるという苦情は、正しくて正当化されている。
と、建築物理学Bert Blocken教授は言う。
教授が言うには、向かい風があると更にライダーの利益は大きくなるという。
逆に、追い風や横風では影響は少なくなる。特に横風ではモトバイクの影響はほとんど受けないという。
まあ、考えたらその通りなのですが、それらを実験によって確かめている訳だ。
モトバイクとライダーの距離
実験では、バイクがライダーの前で運転するときの利点が正確に示されている。
距離 | 時間節約 | 抵抗 | スピード |
0.48メートル | 29.3秒 | -71% | + 48.9% |
4.8メートル | 9.3秒 | -36% | + 15.6% |
15メートル | 4.0秒 | -18% | + 6.7% |
30メートル | 2.6秒 | -12% | + 4.2% |
50メートル | 1.4秒 | -7% | + 2.4% |
ソース:TUアイントホーフェン |
UCIは、レース中にオートバイのドライバーに明確な規則を定めている。
例えば、タイムトライアルでは、コースを先導する役割を果たすトラッキングモーターは、ライダーの少なくとも10秒先にいると仮定される。
それは、ライダーのスピードにもよるが、100~150メートルの距離となる。
前にバイクがない状態でライダーが時速54kmで走っている場合、バイクがあると時速67kmで走行でき、毎分14.1秒のタイム短縮が得られる。
以下のツイートで実験によって確かめたことを説明している。
Finally proven: motorcycles influence the outcome of professional cycling races. A cyclist riding at 54 km/h without a motorcycle, would ride at about 67 km/h with a motorcycle at 2,5 m in front of him. #windtunnel #aerodynamics @BertBlockenhttps://t.co/BwJacnZOvg pic.twitter.com/NZXgiZj74j
— TU Eindhoven (@TUeindhoven) 2019年6月28日
“Motorcycles can influence the outcome of professional cycling races,” says @BertBlocken. For a rider 🚲 cycling for 10 seconds at 2.5 meters behind a motorcycle 🏍️, this gain can exceed 2 seconds.#windtunnel #aerodynamics #cyclinghttps://t.co/BwJacnZOvg pic.twitter.com/Q2i2TtVine
— TU Eindhoven (@TUeindhoven) 2019年6月27日
こちらは横から。
“Motoren kunnen de uitkomst van wielerwedstrijden beïnvloeden,” aldus @BertBlocken. Een wielrenner 🚲 die 10 seconden lang op 2,5 m achter een motor 🏍️ rijdt, heeft al een tijdswinst van meer dan 2 seconden.#windtunnel #aerodynamica #wielrennenhttps://t.co/FRsiw2ozbA pic.twitter.com/lvPXXov2kX
— TU Eindhoven (@TUeindhoven) 2019年6月27日
2017年に、UCIは、レース車両がライダーと衝突して重大な怪我を引き起こしたいくつかの事件の後、ライダーの安全性を向上させるために、 オートバイおよびレース中の車に関する規則を導入している。
最近のカメラは、高感度で距離が離れていても撮影出来るのだから、前から撮影する時には距離をあけるべきですね。
ただ、迫力ある映像が見れるのは見ている側には嬉しいサービスだ。
難しい問題ですが、なんとか安全に公平にレース出来るように考えて貰いたいところだ。
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