サントス・ツアーダウンアンダー第4ステージは、ポケット・ロケットことカレブ・ユアンがサム・ベネットを見事にまくって2勝目をあげた。
この敗北に対して、リードアウトをつとめたミケル・モルコフ(Deceuninck – Quick Step)とサム・ベネットが敗因を語っている。
カーブからゴールまでの距離
第4ステージは、ノーウッド〜マレー・ブリッジまでの152.8㎞。ダリル・インピーが果敢に中間スプリントでリッチー・ポートとのタイム差を縮めることに成功している。
このステージの勝負は、平坦区間に入り逃げを吸収し最後のスプリントに向かって突き進む。
Deceuninck – Quick Stepは、ゴール手前2キロ地点では先頭にチームメンバーを集めて先頭を固める。リードアウトライダーのミケル・モルコフ(デンマークチャンピオン)の前には4人。
ほぼメンバー全員でサム・ベネットの勝利を目指してゴールに突き進む。Deceuninck – Quick Stepは誰もが、サム・ベネットの勝利に向けて全開で走っていた。
完璧なレース展開だった。ゴール手前300mまでは。
彼らの作戦が崩れたのが下の場面だ。右上を見て欲しい。
もう、おわかりだろう。
そうゴールまで300mの看板はカーブの手前にあったのだ。ロードブック[主催者から提供されるレース情報の冊子]では、最終コーナーからゴールまでは300メートル離れるとなっていたのだ。
通常のレースでは大抵カーブからゴールまでは300m距離が取られているのが普通だ。
カーブの手前で300mでは、カーブを曲がり切った時にはすでに200mもない。カーブの途中では既にサム・ベネットを後ろについてミケル・モルコフが先頭に立つ。
モルコフも焦っただろう。カーブを曲がったら思ったよりも手前にゴールが見えたのだから。予定よりも早く先頭を交代したミケル・モルコフから発射されたサム・ベネットは早掛けした状態になってしまう。
それでも普通のライダーが相手ならば問題なく勝てていただろう。後ろにいるのがカレブ・ユアン以外ならば。
ラスト20mで伸びを欠いたサム・ベネットの横を容赦なくカレブ・ユアンが駆け抜けた。
ミケル・モルコフが失敗を語る
勝てなければ完璧なリードアウトとは言えない。
ミケル・モルコフが語った言葉だ。チームは最後の数キロメートルで集団を完全に支配し、最後のコーナーまで完璧なレース展開。
コーナーからの距離が近いことに少し驚いた。それは混乱だった。私たちは先週、このフィニッシュをチェックするためにここにいた。何故ならターゲットにしたステージの1つだったからだ。
だから、私たちはランインを本当によく知っていたんだ。大きな混乱だ。
モルコフもカーブを曲がって戸惑ったことを正直に打ち明けている。下見した時には、まだゴールゲートも出来ていなかっただろう。
だが、300mあると思ってカーブを曲がったのだから、リードアウトの距離が誤ったとしても仕方がない。
ミケル・モルコフとサム・ベネットはまだあきらめていない。第5ステージもゴール手前20kmに丘陵があるが、生き残ることを目指している。ゴールにたどり着ければ勝利出来る可能性はあるのだから。
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