タデイ・ポガチャルは、ティレーノ〜アドリアティコ第6ステージで、ライバルを圧倒する走りを見せた。
ツール・ド・フランスでも上位を争う総合ライダーが揃っていたのに、誰も相手になるライダーはいなかった。
それでも、タデイ・ポガチャルは謙虚に自分は無敵ではないという。更に、登りでライバルを圧倒したタデイ・ポガチャルの秘密とは何だろうか?
無敵ではないというけど
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— Tirreno Adriatico (@TirrenAdriatico) March 12, 2022
残り16kmからのアタックは強烈だった。ミケル・ランダがアタックして加速しているのに、それを凌駕するスピードでねじ伏せてしまった。
2021ツール・ド・フランス総合2位のヨナス・ヴィンゲゴー(Jumbo-Visma)もフォロー出来ない。
しかし、勝利を収めたにもかかわらず、彼は謙虚な姿勢で集中力を保ち、誇大妄想などないと言い切った。
私は自分が無敵だと思ったことはない。だから、いつも注意しているし、誰も見くびってはいないよ。
アタックするときはフルアクセルだけど、どうなるかわからない。
ランダがアタックしたとき、それに続いたんだけど、彼はリズムを変えようとした。それが嫌だったので、1回だけ良いアタックで答えて、自分のリズムでトップに立つことができた。
この寒さの中、ガス全開だった。実は頂上で少しめまいがしたんだ。でも下りは本当に大変だったけど、なんとか自転車に乗り続けることができたよ。確かに限界だった。
最初の上りでバーレーンがアタックし、下りで追い上げた。本当に嫌だった。
なぜかわからないけど、クラッシュして骨折する危険性があったから、2回目の下りで1人になれてかなり嬉しかったよ。
全てのライバルに対して、決して過小評価していないし、謙虚だ。下りを自分のラインで安全に下れたのも有利に働いている。
後続は4人で下りだしたのに、路面の悪さか、凍っていたのかエンリク・マスが転倒。リッチー・ポートもカーブで滑って落車しそうになって遅れた。
タデイ・ポガチャルは、リードがあったので安全に下れている。
登りで圧倒した秘密
総合2位のレムコ・エヴェネプールは、寒さと急斜面に苦しみ、4分を失った。
ポガチャルはマルク・ソレルのペースに合わせ、モンテカルペーニャの2回目の登りの途中で単独アタックを仕掛けた。
頂上までの3キロで1分を稼ぎ、下の村のフィニッシュまでの曲がりくねった下り坂ではリスクを避けることができた。
この登りでポガチャルが対策したのは、リムブレーキで登ることだった。
リムブレーキモデルならば、300gを節約することが出来る。重要なレースではリムブレーキを使用するのは昨年から変わらない。
ホイールは、Campagnolo BoraUltras。CampagのCULTセラミックベアリングが取り付けられており、摩擦係数は、標準のシールドベアリングよりも40%低い。
登りの途中ではボトルも捨てている。
すべてが計算されているのだ。あとは、身体的な強さも上げられる。UAEツアーでは暑さに耐え、今回は登り頂上で0℃という気温でも対応している。
寒さはレースに大きく影響する。寒いと体が温まるためにエネルギーを使うから、余計に疲れるんだ。
今日は特別に大変だった。カルペーニャの頂上は0度で、超急斜面だった。
筋肉に大きなダメージを与え、体にとってあまり健康的とはいえない。僕はすぐに順応するし、寒さは嫌いだけど、体はいつも元気なんだ。
機材面でも、妥協を許さず、身体も人一倍頑強。スロベニアの冬は寒い。タデイ・ポガチャルは、冬はシクロクロスをしており、寒い中でも走るのは得意だ。
一方、サッカー出身でキャリアの少ないレムコ・エヴェネプールが、寒さにやられたのも理解できる。0℃で足を出したまま下ったら、普通は凍死してしまうレベルだ。
しかも、何人も下りで滑ったように、路面は凍っているような場所も多くあり足を回して降りることも難しい。
これにより更に、身体が冷えたのは間違いないだろう。タデイ・ポガチャルは、無敵ではないといいながらも、それだけの準備と資質を備えている。
やっぱり、無敵なんじゃないかな。誰か、タディを止めてくれ!
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