Kaskが「史上最速のロードヘルメット」としてUtopia aero road helmetを発表したのは、2018年のこと。
それ以来、このヘルメットはグランツールやモニュメントの勝者の頂点に立ち、多くのKaskのヘルメットと同様に、人気を証明してきた。
2022ツール・ド・フランスの第1ステージを前に、ゲラント・トーマスはKaskの新しいエアロロードレーシングヘルメット、おそらく人気のユートピアの後継と思われるものを装着してタイムトライアルの偵察に出発している。
新型Kaskロードヘルメット
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Image credit: cyclingtips
新型と思われるヘルメットは、中央に大きな通気孔があり、さらに3つの前面通気孔と2つの側面通気孔が左右に設けられている。
また、フロントクラウン下部には2つの小さなベントがあり、リアには合計6つのベントがある。
合計で少なくとも11個のベントがある。
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通気孔とは対照的に、新しいヘルメットにはたくさんの滑らかな表面とチャンネルがあり、これらはすべて新しいリッドの空力効率を向上させるために設計されている。
新しいヘルメットのストラップは、従来のKaskのものと変わっていないようだ。KaskのOcto Fitアジャスタブルリテンションシステムも踏襲している。
新しいヘルメットは、後部にWG11の赤いロゴがある。
WG11とは、Working Group 11の略称。WG11は、ヘルメットの安全基準に回転ベースのテストを導入するために活動しており、その目的は、自転車事故による脳損傷の減少に貢献すること。
さまざまな政府機関が要求する以上のヘルメットテストプロトコルを確立するために努力している11人のメンバーからなるワーキンググループだ。
巨大なバイザー
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トム・ピドコック cycling Today スクリーンショット以下同様
INEOS Grenadiersのメンバーは、Kask Bambino Pro EvoとMistral LW time trial helmetsの二つのタイムトライアルヘルメットを使用し、新しいバイザーと思われるものを装着した。
この新しいバイザーは、外側のサイドにウィングチップを備えており、ヘルメットの周りの気流を誘導するために設計されていると思われる。
以前F1マシンで見られたバージボードを彷彿とさせるこの新しいバイザーチップは、気流をトリップさせてヘルメットに再付着させ、エアロダイナミクスを向上させることを目的とした空力補助装置と思われる。
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しかし、その先端は、これまでサイクリングで見てきたどのトリップよりもかなり大きく、実際、ライダーの肩周りの気流をリダイレクトするように設計されている可能性がある。
ただ、モータースポーツのように時速300km/hで走る訳ではない。ロードバイクのTTでも60km/h程度だ。どれだけ効果があるのかは証明するのは難しいのでは。
また、どのライダーもかなりサイズアップしているように見える。特に、トム・ピドコックのようにあまりにもデカイと思ったのは私だけだろうか。
この目的は、ヘルメットの幅を広くすることで、肩にかかる気流をスムーズにする効果もあると言われている。
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チームイネオスのパフォーマンスエンジニア、ダン・ビンガムは、この新しいバイザーについて何も語らず、ただ「新しいバイザー」とだけ確認した。
ダン・ビンガムは、ライダー一人ひとりの頭部にヘルメットがどのようにフィットするかに気を配り、時間をかけてフィット感や角度を調整している姿が見受けられた。
銀行強盗か?
Quick-Step Alpha Vinyl Teamのメンバーと、BORA – hansgroheのアレクサンドル・ウラソフはエアロバラクラバと言われるものを装着。
さらにTotalEnergiesのサガンも。TotalEnergiesもSpecializedがついているので当然か。
だけど、どうみても、銀行強盗にしか見えない。
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BORA – hansgroheのアレクサンドル・ウラソフ
これはスペシャライズドの最新のエアロ開発製品だそうだ。
スペシャライズドによると、耳、髪の毛、ライダーの頭の形を平らにすることで、ブランドのヘルメットの周りを通過する空気の流れをスムーズにするように設計されているとか。
この日は、雨で気温20度だったから良かったけれど、35℃以上ある時に使用したら暑くて逆にタイムを落としそうだ。
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優勝したイヴ・ランパールトはつけていない
ちなみに、ステージ優勝したイヴ・ランパールトは装着していない。第20ステージで、各ライダーが装着しているのか確認してみたいと思う。
チーム全員で集まってやっていたら、間違いなくスタート前に銀行強盗の容疑で捕まってしまいそうだ。
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