ペダリングテクニックは重要だ。
雨天時、上り坂、オフロードなど、スムーズなペダリングが必要な場合がある。特に上り坂では、スピードが落ちているため、後輪がスリップしてトラクションがかからなくなることもある。
平地でのロードライディングでは、85~100rpm程度の中高速ケイデンスでスムーズなペダルストロークを行うことが、エネルギーの節約につながる。
しかし、トップライダーのペダリングは、ダウンストロークの踏み込みが強く、引き上げが弱いという、一見矛盾するような傾向があることもわかっている。
1991年に発表された「エリート自転車競技の持久力向上に関連する生理学的およびバイオメカニカルファクター」という研究では、全国レベルのライダーは地方のライダーよりも踏み込みが多く、押し下げが少なかったことが示されている。
それ以来、これを否定する研究はない。ただ、かなり古い論文でこの頃には、ペダルのベクトルデータとかは取れてないと思う。
プロ選手の場合
プロの多くは、当然のことながらペダリングに長けているが、アルベルト・コンタドールは、近年の競技者の中で最もスムーズな動きを見せていることは間違いない。
日本でいうとプロ・スクラッチ10連覇を達成した中野浩一が、踏み込みと引き足の比率が優れていると言われている。
ここで重要なのは、本当にスムーズに見え、ペダルサークルの中を完璧にペダリングしているように見えること。全周に渡って力を加えられればいうことない。
通常は、下向きにペダルを踏み、反対側の足で押し下げるアップストロークで回復するようになっている。
プロがスムーズなのは、アマチュアのレースよりも低い強度(彼らの場合)で走ることがあること、そしてプロは高いケイデンスで走ることなど、さまざまな要因が絡んでいる。
グリコーゲンを節約するだけでなく、低いケイデンスでペダリングするよりも速いペースで変化させることができるようになっている。
自分に合ったケイデンスを見つける
ペダリングテクニックの大部分は、自分にとって良いケイデンスを見つけることであり、体力が向上するにつれて取り組むこと。
踏み込みと円運動を組み合わせたテクニックを「トレーニング」できるという証拠はない。
一説には、優れたサイクリストは生まれつきそうで、より大きなダウンフォースをかけることができるという説もある。
グリップのない緩い地形では、ペダリングテクニックがより重要になる。
一方、雨天時や上り坂、砂利道、ぬかるんだ道など、安全性や効率性を優先する場合は、より円を描くようにパワーを使う練習をするのが有効だ。
ここで重要なのは、健康で強くなるためにトレーニングすることで、ペダリングテクニックを練習し、向上させること、つまりサイクリングに費やす時間を増やすことが必要となる。
楽をしてテクニックを身に付けることは出来ないということだ。
トレーニングでハードなセッションをするときは、出力を最大にすることを目指し、それが可能なペダリングテクニックを使えば良いことになる。
それを続けていると、気づかないうちに効率が上がっているはずだ。
コメント
自分の感覚では、片脚が持ち上がって踏込の邪魔さえしなければ引足は十分。こっちがほとんど重量で左右される絶対値だから、あとの推進力は踏み込む力で決まるんでしょう。
つまり、最大出力が上がれば引足の影響が小さくなっていくというだけで、これは「実力差」を数値化しただけの実験を、あたかも「効率性」が逆転しているような結果に見せている欺瞞の可能性があると思いますよ。
とはいえ論文自体を読まないと分からんですけどね。同じ出力の人間で比較したとしても、今後ペダリングスキルが上昇していく過程を見ている可能性もあるし。
引足を意識しすぎて変になるのは確かに良くないですが、引足はある程度必要だと自分は思いますけどね。意識すると明らかに効率上がっていると思うし。
batohさん、コメントありがとうございます。
論文は以下の通りです。論文自体かなり古いものなので、現在のようにベクトルの数値とかは検証出来ていないのでは。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1997818/
確かに、引き足の練習も必要でしょう。よくマニュアル本とかにも書いてありますよね。
その点で、中野浩一は引き足と踏み込みの比率が素晴らしかったと聞いてます。登りとかでは、引き足を意識すると確かに良く登れるように思います。