ヴォルタ・アン・アルガルヴェの最終ステージは個人タイムトライヤル。
20.3kmで行われるコースでは、世界TTチャンピオンであるローハン・デニス(Team INEOS)とレムコの2回目のタイムトライヤル対決に注目が集まった。
すでに、ローハン・デニスは第2ステージで遅れており総合からは脱落している。力をセーブしていたと考えると、ここまで全開で走っているレムコよりはコンデション的には良いかと思われたが。
結果は今の二人の状態を表していると言っても良いかもしれない。
第5ステージ Lagoa ~ Lagoa 20.3km
あまり、起伏はないように見えるが所々に鋭い登りがあり、オールフラットではないコース。
カーブもあり、短いながら500mで平均7.2%の勾配もある難しいコース。
レムコの実力からいったら、このコースで無理をして全開で走る必要もないタイム差がすでに第4ステージ終了時点であった。
だが、レムコはスタートからフルガスで走り出す!
.@EvenepoelRemco has started!
Full gas, young wolf!#VAlgarve2020 pic.twitter.com/VZxxUkWY5F— Deceuninck-QuickStep (@deceuninck_qst) February 23, 2020
中間タイムではローハン・デニスに対して20秒のリード。車から見ていたパトリック・ルフェーブルGMによると、最高83kmで走っていたというから凄いスピードで走り抜けている。
第4ステージ終了時点で、同タイムのダン・マーティン。2分前にスタートしたダン・マーティンだったが、ゴールではレムコに追いつかれそうになった。
それだけレムコが圧倒的に速かったということ。
レムコとローハン・デニスだけが、平均時速50km/hを越えており最終的なタイムはレムコが10秒上回った。
二人は別次元の世界で戦っているようで、2か月後のジロ・デ・イタリアでのTT対決が俄然面白くなってきたと言える。
まだ最高の状態でない
20キロメートルにわたって本当にガスが充満していた。すぐにフルガスで走り始めたが出来るだけタイムを稼ぐようにした。
チームカーとのコミュニケーションも完璧だった。道路の隅々やあらゆる穴を知っていたので安心して走れた。
ジロはまだ2か月先だ。次の目標はティレーノ〜アドリアティコ。まだ自分はトップではない。最高の形に成長するにはまだ時間がある。
現在の状態に満足している。それは美しい週であり、ここで初めてレースを楽しんだ。気象条件は素晴らしく、道路は素晴らしく、素敵な山の乗り物を提供してくれた。
まだトップコンデションであるとは感じていないというから驚きだ。
このままの勢いでジロ・デ・イタリアまでキープ出来ればTTでの勝利も間違いないだろう。そして2020東京オリンピック、世界選手権TTでの勝利もあるかもしれない。
ローハン・デニスは東京に照準を合わせていると言っている。二人の高次元での戦いが、まずはジロ・デ・イタリアで見られることに感謝したい。
今シーズン5勝目をあげたレムコは、どこまで進化し続けるのか。20歳の若者の未来は無限に広がっている。
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