休息日明けの第16ステージは、最後のモンテ・ボンドーネの登りで総合勢がついに爆発した。
ジェイ・ヴァインの強烈な引きから、先頭にたったジョアン・アルメイダは調子がよくかなりの距離を引き続ける。
一度、先頭から外れて牽制気味となった時に、アルメイダはキレの良いアタックを繰り出す。これには、誰も反応出来ない。
1.5kmほど追走してから、ゲラント・トーマスがセップ・クスの後から飛び出す。これに、プリモッシュ・ログリッチは反応出来なかった。
結局、セップ・クスの引きでゴール手前700mまで走って、ゴールでは25秒遅れでゴールした。さて、この結果についてプリモッシュ・ログリッチはどう思っているのだろうか?
回復してないのか?
最大35秒まで開いたタイム差を、ゴールでは25秒まで縮めてログリッチはゴール。ログリッチの左膝には絆創膏が貼られているのがわかる。
そして、左腰も打撲しているのだ。ゴール後に、プリモッシュ・ログリッチは、チームバスに向かう途中で一部のメディアに短く答えている。
アルメイダとトーマスについて行けなかったのには自分自身驚きましたか?
ここでレースをしているのは私だけではない(笑)。
これまでの落車の影響があるのか?
それが気になるかどうか?もちろん100パーセントでいたいと思うけど、私はまだここにいる。幸せだよ。
やはり、左腰と左膝の打撲から完全には回復していないようだ。今回のプリモッシュ・ログリッチの走りについて、スポーツディレクターのマーク・リーフは、次のように答えている。
最後の登りでコントロールして良いペースで走ろうと決めた。他のチームもフロントポストで交錯した後、プリモズにはベストな脚がなかったことが判明した。
その後、彼はセップ・クスとともに完全に空車で運転した。ステージで失ったタイム差は30秒以内だ。
セップは素晴らしい仕事をしてくれた。彼がいなかったら、差はもう少し大きかっただろうが、プリモシュもラスト1キロを力強く走ることができた。プリモシュとセップ・クスを使ってこのようにダメージを抑えられるのは良いことだ。
ここでの戦いには負けたが、もちろん戦争ではない。今後数日間でまだ多くのことが起こるため、私たちは可能な限り最高の結果に十分な自信を持っている。
我々は今後数日間、チームの資質を活かして勝利を目指して戦う。
アルメイダは、第15ステージが終わった時点で、
「プリモッシュ・ログリッチが攻撃しないのには驚いた。彼が転倒からまだ回復途中なのか、それとも体調が優れないのかはわからない。しかし、彼が攻撃しないのは普通ではないことに疑いの余地がない。」
と言っている。第15ステージでは、短い登りで、気分が良かったのでライバルの足をみるためにアタックしたのだ。これが、今日のアタックにも繋がっていたのかもしれない。誰が足があるのか、ある程度予測出来ていたのだろう。
第17ステージは、スプリンターステージなので総合での争いはない。第18・19ステージで連続して山岳ステージとなる。そして、最終的な総合順位の確定は、第20ステージの個人タイムトライヤルとなる。
そこまでに、プリモッシュ・ログリッチの身体が回復するのか。100%に近い状態に戻らないと、29秒差を埋めるのは難しい。ただ、プリモッシュ・ログリッチはチャンスを待っているのかもしれない。
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