ヤコブ・フルサンの2019年シーズンはキャリア最高の年であったといっても良いだろう。
リエージュ~バストーニュ~リエージュ、 クリテリウム・デュ・ドーフィネ、ルタ・デル・ソルでの勝利に加え、ブエルタ・ア・エスパーニャとティレノ・アドリアティコでのステージ勝利など5勝をあげた。
シーズン序盤のジュリアン・アラフィリップとの熾烈な優勝争いは記憶に新しい。
何故、34歳のヤコブ・フルサンはここまで躍進することが出来たのか。その秘密はある食生活の改善からだった。
食生活の改善は簡単なもの
2013年から2016年の間、ヤコブ・フルサンの勝利はなかった。2017年の クリテリウム・デュ・ドーフィネでは総合優勝を飾ったが、ツール・ド・フランスではDNF。
2018年はツール・ド・ロマンディで1勝をあげたのみ。
2019年シーズンは、ツール・ド・フランスの第1ステージからクラッシュしてしまい、最終的に第16ステージでリタイヤした。
それでも、2019年のUCI獲得ポイントはプリモシュ・ログリッチ、ジュリアン・アラフィリップについで3位となっている。
彼の躍進を支えた物は以外にも簡単なものだった。それを語ってくれている。
とにかく食べた。それは大きな謎ではありません。炭水化物を増やしただけなんだ。
昨シーズンの後、私は2019年に何かを変えなければいけないと考えていた。
チームの栄養士の助けを借りて、大きな改善をした。特に長く厳しいレースで大きな違いをもたらした。トレーニングにおいても、よりハードにトレーニングできるのは大きな変化だった。
プロのサイクリストと食べ物の関係は複雑で、自転車で1日に数時間を過ごすには、平均的な人がびっくりするほどのカロリー消費量が必要となる。
同時に、パワーと重量の比率がパフォーマンスの基本的な指標であり、軽量であることは高速に走ることが出来ると見なされる。
だが、これについてフルサンは次のように述べている。
それは奇妙です。ライダーとして、いつも痩せたい、痩せたい、痩せたいと思っていた。
軽いという呪縛の中で、おそらく私の栄養は正しくなかったと思う。
フグルザングの元チームメイトであるヤニ・ブライコビッチは、彼自身の過食症の経験と、プロトンン全体の摂食障害の程度について注目すべきブログを書き、この問題は最近脚光を浴びた。
ヤコブ・フルサンは摂食障害ではないが、いつも空腹で、いつも食べていた。
だが、中身はサラダと野菜を食べるか、パスタや米のプレートを持ち歩いていたそうだ。
一日の終わりには、パフォーマンスを上げるためにエネルギーが必要であることに気づかなくてはいけない。
とくに、身体を酷使した場合、筋肉の修復も夜間に行われため、必要な栄養素を取らなければ筋肉は痩せてしまい、パワーも出せなくなる悪循環に陥ってしまう。
これに気づいたフルサンは、必要な量の炭水化物と食事量を増やすことで今年の快進撃につなげていった。
彼の躍進の秘密は正しく食事を取るという簡単ものだった。
2020年の展望
ヤコブ・フルサンは、リオデジャネイロオリンピックで銀メダルを獲得している。
今回の東京のコースは、彼に向いているだろう。クリス・フルームともコースを視察しており、金メダルへの意欲はとても高い。
もっとも、フルサンは落車を恐れて下りでは車からコースを見てますけど。
来シーズンのレーススケジュールはとても難しい。チームメイトのミゲルアンヘル・ロペスがツール・ド・フランスを目指すならば、フルサンはジロを狙う。
春のクラシックとジロを走り、オリンピックを狙うならば理想的なシナリオとなるだろうが、それでもレース数が多すぎる。
残っているのは、フルサンだけだ。
しかし、一方でフィリップ・ジルベールやアレハンドロ・バルベルデを見ていると、あと数年間は問題なく走れると考えている。
フルサンは成功を確信し、彼のキャリアビークにはまだ達していないと主張している。彼のキャリアハイはさらに更新されるのだろうか?
ヤコブ・フルサンの更なる進化は、来シーズンやってくるのかもしれない。
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