2022年末にはワールドツアーチームの昇格と降格が決定する。
これは3年間のUCIポイントにもとづいて決定されるが、UCIポイントは10月18日までしか獲得するチャンスはない。
11月には2023年から2025年までのワールドツアーライセンスが18チームに割り当てられる。
Israel – Premier Techは、現在最下位で降格する可能性が最も高い。チーム創設にかかわったオーナーでもあるシルヴァン・アダムスは降格となった場合には訴訟を起こすと警告している。
Israel – Premier Techの状況
最新の3年間のUCI獲得状況を見てみよう。
ブエルタが終わって、Movistar Teamはエンリク・マスの総合2位が効いて14位にジャンプアップ。降格ギリギリがCofidisに変わっている。
ただ、Israel – Premier Techの順位は20位と全く変わらない。ディラン・トゥーンスを獲得したけど、彼一人ではどうにもならない。
また、マイケル・ウッズは脳震盪でブエルタをリタイヤ。総合順位でのUCIポイント獲得を狙っていたチームにとっては痛い誤算となってしまった。
最高でも総合34位のカールフレドリク・ハーゲンの20UCIポイントではどうにもならない。
シルヴァン・アダムスの言い分
シルヴァン・アダムスは、ワールドツアーを縮小するのではなく拡大することで多くの問題を解決できると言っている。
ワールドツアーチームを現在の18チームから20チームに拡大すれば良いのではないかと言うことだ。
20チームにするという情報が少し前にあったけど、UCIはすぐに否定するコメントを出している。
20チームにすると、ワンレースでの再少人数なども変わってくるし、ワイルドカードの割り当てなど、様々な問題が出てくるからだ。
シルヴァン・アダムスの言い分をまとめると
- パンデミックがあり、レースに参加出来ないライダーが多かった
- 18チームから20チームにすれば問題は解決する
- UCIポイントの為に世界選手権にライダーを送らないチームが増えている
- ライセンスがなければ、一部のチームは閉鎖される可能性がある
- スポンサー離れにつながる
最もな言い分だが、訴訟となって勝利してもUCIが改革を起こすことは難しいかも。ただ、パンデミックがあり、不可抗力があったことを考えると融通できる部分もあるのではないだろうか。
シルヴァン・アダムスは、訴訟は嫌いだと言う。「訴訟では誰も勝てず、弁護士だけが勝つ」と言っている。
チームの降格問題については、10月18日で決着がつくが、最後まで降格の危険のあるチームはメンバーをレースに送り続けるだろう。
そのため、現在でも多くの有力ライダーが世界選手権に派遣されないという事態も起こっている。
億万長者の不動産会社であり、2度のマスターズ世界チャンピオンであるシルヴァン・アダムスが本当に訴訟を起こすのか注目されることになる。
コメント
イスラエルは、今期のUCIポイントランキングでロットとトタルの後塵を拝しているのですよね。
例年通りだと、ロットとトタルには来期全ワールドツアー優先招待権が与えられますが、イスラエルはワンデーのワールドツアーしか優先招待されない。ので、グランツールに出場できない可能性が高い。
ロットに比べてもイスラエルが強硬なのはこの辺もありそうですね。
そうなんでよね。今シーズンだけ考えるとブエルタ終了前までは18位だったのですけど、Team DSMのテイレン・アレンスマンが総合6位となって320UCIポイントを獲得してのでIsrael – Premier Techは、19位に転落。
さらに、3年トータルでは少し絶望的なポイント数なので、とても厳しい状況です。
ワールドツアーチームでなくなると、多くのスポンサーも去ってしまうのでシルヴァン・アダムスにとっては痛いはず。
5年以内にツール総合優勝を目指すなんて夢のまた夢になってしまいそうてす。