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ハイエンドバイクの高騰はどこまで続く 価格が下がることはあるのか?

機材情報
UnsplashRidwan Meahが撮影した写真
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ロードバイクの需要は高まり、ハイエンドバイクの上昇は止まらない。

なかには車よりも高いものもあり、一般人ではおいそれと買えないほどの値段となっている。

さらに心配なことに、これまでブランドは販売にほとんど苦労していないように見えること。同時に、エントリーレベルのバイクは大幅に進化しており、多くの場合それに見合った価格になっている。

自転車協会は、実際に販売されている自転車の平均価格が2019年以来26%と驚くほど上昇していることを発見した。

ハイエンドバイクの価格は下がることがないのだろうか?

 

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Specialized S-Works Tarmac

S-Works Tarmac SL7 Photo: Courtesy SD Worx

 

多くの男女のワールドツアーチームが選んだバイク、Specialized S-Works Tarmacの価格を見てみることに。

スペシャライズドの最高峰である S-Works は、決して安いバイクではない。2009年にTarmacがSL3で販売された時に、£5,499(約88万円)というかなり高額な希望小売価格で販売されていた。

 

S-Works Tarmac Image credit: Specialized

 

それ以来、平均インフレ率は約4%であり、この割合の増加を考慮すると、最新のSL7 Tarmacは約 8,800ポンド(約140万円)の上昇となるのが普通と考えられる。

しかし、実際にはそうではない。現在では11,500ポンド(約180万円)となっており、昨年だけで 1,000 ポンド(約16万円)も値上がりしている。

 

Image credit: road.cc

 

上記のグラフは下の薄い緑が平均4%のインフレ上昇率を表している。上の緑が実際のバイクの価格だ。インフレ上昇率よりも、実際の価格は信じられないくらい高くなっていることがわかる。

Tarmac SL8の新型と思われる画像が目撃されてる。

SL8 の価格がいくらになるかは誰にもわからないが、かなり高くなることは間違いない。

 

TREK MADON

TREK MADON SLR Image credit: TREK

 

トレックマドンの価格も急上昇している。

2009年には、最上位モデルのMadone6.9の価格は5000ポンド(約80万円)だった。だが、最新のSLR モデルでは13,800ポンド(約166万円)という驚くべき価格になっている。

 

Image credit: road.cc

 

インフレ率を考慮すると、約8,000ポンド(約130万円)となるのが普通。だが、実際には1.3倍の価格がついている。

これには、パンデミックも影響しているのは間違いない。自転車販売のブームと組み合わせると、多くの需要が得られ、供給が少なくなり、価格の上昇に確実に影響を与えている。

ただ、コロナの前からハイエンドバイクの価格は上昇している。それだけ人気が高いということでもある。

 

Giant Defy 2

Giant Defy 2 Image credit: giant

 

ではエントリーレベルのバイクの値段はどうなっているのだうか。

2009年発売のGiant Defy 2は、価格は約800ポンド(約12万円)だった。インフレ上昇率4%で計算すると、約1,300 ポンド(約20万円)となるはずだ。

 

Image credit: road.cc

 

だが、実際にはGiant Defy Advanced 2 (2022) の価格は現在、2,000ポンド(約32万円)を超えている。とてもエントリーレベルと呼べる値段とは言えなくなっている。

【追記】

えっみーなさんからコメントをいただき、「Giant Defy 2はアルミバイクでGiant Defy Advanced 2はカーボンバイクなのでこれは比較対象としては間違いですよね…。2009年のDefy Advanced 2は定価30万円」とのことなので比較が間違ってます。元の価格は調べても出てこなかったので、インフレ上昇率よりは高くなっているということでご理解をお願いします。

 

この上昇は続くのだろうか。

これは、コンポについても同じだ。Shimano105は電動となったが、機械式はなく価格は2倍に跳ね上がった。SRAMについても価格上昇は同じように続いている。

コンポが高くなるのだから、完成車のバイクが高くなるのも仕方がない。Shimanoの場合には、105が電動だけでなく機械式も製品として出してくれることで少し解決できる。

SRAMについても電動化がすすめられているが、同じく安価な機械式も残して貰うことだ。

 

さらに拍車をかけたのがパンデミックによる自転車需要の高まりがあげられる。部品供給が追いつかず、多くのユーザーがバイクを手に入れるに苦労した。

パーツ類は品切れとなり、価格の上昇が続いたことも響いている。

 

今後どうなる?

上記内容をまとめた動画

 

これらの例を見ると、サイクリストは2009年よりもコストパフォーマンスが悪化しているのは間違いない。

しかし、2023年には、パンデミックも終息してきており、人々の行動制限も解除されている。室内サイクリングを続ける必要もなくなった人もいるだろう。

ロードバイクの需要は少しずつだが、鈍化していくことが予測されている。すでに兆候は出ており実害が出始めている。

  • Giantは、サプライヤーの支払いを延期  株式は8.04%急落
  • Rose Bikes 45,000台の自転車の在庫を抱えており、販売価格を15%値下げ

 

パンデミックの供給分布からの最終的な影響は、自転車メーカーによる大規模な供給過剰であり、Giantは供給過剰になると予測している。2023年前半には、パーツ不足も解消されると予測されている。

そのため、自転車の価格が最終的に停滞することが期待される。2023年には、中級レベル以下のバイクについては、わずかながらバイクの価格が下がることが予測されている。

だが、一方電動自転車の需要は高まるばかりなので、これはトレンドに逆行する分野であると予想されている。

ユーザーが出来ることと言えば、中古自転車を調達、自分でメンテナンスを行い新品同様に走らせることでも解決できるだろう。それは環境にも優しい配慮となる。

ハイエンドバイクについては、まだパーツ不足が影響しており当分価格に反映されるのは先となりそうだ。

 

コメント

  1. えっみーな より:

    丁度2010年あたりから自転車に乗り始めたので本当に高くなったなと思います…
    ところで
    Giant Defy 2はアルミバイクでGiant Defy Advanced 2はカーボンバイクなので
    これは比較対象としては間違いですよね…
    2009年のDefy Advanced 2は定価30万円なのでほとんど値段が変わっていない、すごい!(汗))

    • ちゃん より:

      えっみーなさん、大変貴重な情報をありがとうございます。2009年のDefy Advanced 2は、定価30万円もしたのですね。
      本当に価格が変わっていないというのは凄いことですね。記事を訂正させて貰いました。ただ、グラフはどうしようもないので、最近は上がっているということでご理解のほどをお願いします。

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