Rally Cycling Women’sチームが、ウーメンズ・ツアーダウンアンダーでFelt AR DISKの新型に乗っていたと書いていた。
そのフェルトから2020 Felt AR Diskエアロロードが6年ぶりにバージョンアップされて正式に公開された。
史上最速のロードサービスと言われるこのバイクは、ディスクブレーキと30mmのタイヤクリアランスを追加する。
新しいシートポストデザインはコンプライアンスが112%向上し、チューブ形状の改善によりヨー角がゼロのときにフレームが9.4%速くなると主張している。
2020 Felt AR Diskエアロロード
新しいARはディスクブレーキのみであり、最大30mm幅のタイヤを装備出来る。
チェーンステーとシートチューブは明らかに幅の広いタイヤ用に最適化されており、後者はおそらく空気の流れをスムーズにするために太くなっている。
フレームセット全体は、古いARを連想させる砂時計のヘッドチューブプロファイルに加えて、フラッシュフィットスルーアクスルなどの小さなタッチで、滑りやすくなるように調整されている。
シームレススルーアクスル
エアロロードの開発においては、極僅かな差異が大きな性能差となって現れる。
上の写真を見て欲しい。フロントフォークエンドとリアエンドには一切の段差が無いことがわかるだろう。
さらにスルーアクスルはフレームと面一になる専用品を開発している。これは他社にない新しい仕様だろう。(他にあったら教えて下さい)
前モデル比9.6%の空気抵抗削減
フェルトが注目したのは、正面方向からの風に対しての抵抗を減らすことが結果的に空気抵抗削減につながることを導き出した。
そのため、Felt AR DISKは進行方向に対し0度から10度未満の空気抵抗に対して最適化を目指して設計が進められた。
結果、ヨー角0度の状態では前モデル比9.6%の空気抵抗削減に成功している。
ヨー角(yaw angle)とは
ヨー角(yaw angle)はBの角度のことで、黒線と緑線の間の角度のことをいう。
Feltは、古いARと新しいARの間で次のドラッグ比較を提供している。
青の線が古いARで緑の線が新しいARだ。
- 0度で9.4%高速
- -2.5〜2.5度で7.0%高速
- -5.0〜5.0度で5.2%高速
- -7.5〜7.5度で3.2%高速
- -10〜10度で0.7%高速
真正面からの風に対しては前モデルよりも9.4%空気抵抗を削減出来ている。これはあくまでも自社のバイクとの比較なので他社との比較も欲しい所だ。
トランケーテッド・エアロフォイル形状
上記の空気抵抗削減のために考えられたのが「トランケーテッド・エアロフォイル形状」だ。
ダウンチューブは前方と後方で大胆に形を変えている。前方では左右方向に厚く、前後方向に狭い。後方ではその逆として、ライダーを含めた全体での空気抵抗の最適化を図っている。
古いARの形状のほうが空気抵抗が少ないように見えるが、CFD解析によって追い求めた結果の形状なので間違いない。
リーフスプリングシートポスト
フェルトは新しいシートポスト設計により乗り心地が大幅に改善されたと報告している。
ポスト自体は、リーフスプリングのように動作する2つの半分に分かれており、一体成形されたプラスチック/ゴムスリーブに囲まれる。
力が加わった時にリーフスプリングのように前後にしなることで、大きな衝撃を吸収する。シートレールクランプは反転することで0mmと20mmを選択できるため、サドルセッティングにも不安は無い。
公式サイトにも、フレーム重量の記載がないのでわかれば追記したい。
ラインナップは5種類。コンポはアルテグラで組んである。
- Felt AR Ultegra Di2:158万円
- Felt ARフレームキット(シートポストとステムを含む):59万8千円
6年ぶりのバージョーンアップなので、機能が紹介しきれないほどある。最近のエアロロードの機能は全て装備されている。詳しくは公式サイトを見て貰いたい。
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