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Dual Engagement Link Driveによりチェーンの未来が変わるかも?

機材情報
Photo by Markus Spiske on Unsplash
この記事は約5分で読めます。

全く新しい思想のチェーンが開発されている。

実際に目に出来るのは、東京オリンピックのトラック競技となるだろう。今の時点では、東京でオリンピックがあればだけど。

自転車のチェーンとスプロケットの仕組みは3世紀も前に作られた技術。新しいチェーンを開発しているのは英国のNew Motion Labsという企業。

効率の向上だけでなく、ドライブトレイン全体の摩耗を低減し、面倒なクリーニングや潤滑手順を必要としない、まったく異なる設計を導入している。

どんなチェーンなのか見てみよう。

 

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Dual Engagement Link Drive

こちらはチェーンの仕組みを説明した動画。

 

これまでの、チェーンの思想と効率を更に突き詰めていこうというのが、今回の開発の目的。

 

photo newmotionlabs

これまでのチェーンの場合には、ローラーがチェーンリングまたはカセットスプロケットの歯の片側にかみ合うと、ローラーがわずかに回転して所定の位置にスライドする。

これにより、チェーンとチェーンリングまたはリアスプロケットの間の滑り摩擦が最小限に抑えられるが、チェーン自体にも摩擦が生じる。

さらに、多くのチェーンリングとスプロケットの歯が噛み合っているように見えても、現在のチェーンはほとんどの場合、ほんの数本の歯を介して動力を伝達している状態。

これにより、応力が小さな領域に集中し、摩耗が加速し(特に、大きな力を出すライダーの場合)、別の摩擦源が生じる。

上の図のように、応力は1点に集中しているのが実情だ。

 

photo newmotionlabs

最初に考えられたのが、歯の両側に接するローラーを開発すること。これにより、多くの歯で応力が分散され耐久性が向上する。

 

photo newmotionlabs

実際に開発されたDual Engagement Link Driveの拡大図だが、かみ合ったピンはそのまま最後まで歯に密着して回転する。

 

特徴は

  • これまでで、最も効率的なチェーン
  • システム寿命の4倍の増加
  • 25%多いトルクを伝達する能力
  • ピーク応力の30%の減少
  • 摩擦損失の低減

 

1つのローラーが歯の片側を押すだけでなく、2つのチェーンピンの間に各歯をくさびで留める。

チェーンは歯の両側で噛み合うため、効果的に所定の位置に固定され、理論的には多くの歯に配電を広げ、効率を高め、摩耗を減らすという。

 

将来的な展開は

 
 
 
 
 
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現在は、トラックバイクと一部の電動自転車のみ互換性がある。New MotionLabsは東京オリンピックでDual Engagement Link Driveを登場させ、軌道に乗せることを目指している。

すでにHUUB-WattbikeおよびSpellman Dublin Port UCIトラックチームと提携しており、これらはチェーンを使用する最初のチームとなる可能性がある。

 

photo newmotionlabs

当初、新しいトラックチェーンには独自の歯形が必要になるため、New Motion Labsは、チェーン、チェーンリング、スプロケット、および潤滑油を含む完全なパッケージを提供する。

New Motion Labsは、基本的な設計上の利点があるとされていることから、効率を上げるためにチェーンにワックスをかけることは過去のものになると確信している。

つまり、超音波で洗浄してワックスをかける手間はなくなるかもしれない。

 

ロードバイクではどうなのか?

photo newmotionlabs

問題は、ロードバイクでも使用可能になるのか気になるところ。

開発チームによると、既存のディレーラーシステムで動作する、ロードゴーイングプロトタイプのテスト段階にあり、近い将来完成することを期待しているという。

New Motion Labsがチェーンの製造と小売をしようとするのではなく、最終的に製造業者に技術をライセンス供与することを計画している。

つまり、Shimanoかカンパか、SRAMが買い取ってくれれば普及するということだ。

ただ、これらのチェーンの実際の数値データなどもなく、価格もまだ未定。チェーン自体の重量も重たそうに見えるし、ロードの場合には改良が必要だろう。

 

公式サイトを見てみると2025年に世界をリードするモーション・テクノロジー・ラボになるとなっている。

開発されているのは、自転車のチェーンだけでなく、電動自転車のローラーチェーンドライブから、コンベアのベルトドライブやトランスミッションのギアドライブまで様々だ。

まあ、将来的に期待したい技術と考えておこう。

 

 

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