スイスのコンポーネントメーカー、DT Swissが、同社史上最軽量のエアロホイールとなるARC 1100 SPLINE 38 CSを発表。
このホイールは、DT Swissとして初めてカーボンファイバースポークを採用したモデルであり、ペアでわずか1,174gという驚異的な軽さを実現した。
しかし、この新作ホイールの最大の注目点は、DT Swissがスポーク製造の長い歴史を持ちながら、カーボンスポークを外部メーカーから調達したという異例の事実だ。
ARC 1100 SPLINE 38 CS
カーボンスポークは、中国の複合材メーカーVONOAが製造した「VONOA aero carbon t-head」スポークを使用している。
自社生産で一から開発するよりもコストはかからない。Intermarché – Wantyが使用するNewmenにも、VONOAのスポークが使われている。
カーボンスポークの採用により、従来の最軽量エアロホイールARC 1100 DICUT 38(1,299g)から125g以上軽量化された。
軽量化と同時に、カーボンスポークの剛性を活かし、より少ないスポーク数(フロント18本)で、高いねじれ剛性を確保している。
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ARC 1100 SPLINE 38 CSは、単なるスポークの変更に留まらず、ホイール全体が再設計されている。
まず、ハブはカーボンスポークに対応するため、フラッグシップの180 Straight-Pull ハブをベースにフランジを改良し、スポークパターンを一新。
スポーク張力が高い側にスポークを集中させる2:1の組み方を採用している。
リム高は38mmで、DT Swiss独自のPUREカーボン技術を用いて自社製造されている。最近のトレンドであるフックレスリムとは異なり、従来のフック付きチューブレスレディ設計を採用し、タイヤ選択の自由度と信頼性を確保。
このホイールは、エアロ性能を最適化するため、タイヤが付属するWTSキットとして販売される。
- フロント: 26mm幅のContinental Aero 111タイヤ(エアロダイナミクスを重視)
- リア: 28mm幅のGP 5000 S TRタイヤ(スピードとグリップのバランスを重視)
価格は、3,199ユーロ(約57万円)。現時点では38mmハイトのモデルのみだが、カーボンスポークで組まれたモデルが次々と出てくるのは間違いない。



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