自転車の人気は欧州のみならず、世界で高まっており、買おうとしても中々在庫がない状態が続いている。
これはコロナの影響もあるけれど、それ以外にも値上がりの原因があるようだ。ロードバイクにも価格が転用されており、各社共に値上がりの傾向がある。
輸送費
多くの自転車製品はアジアで製造されている。2020年3月のコロナパンデミックの発生により、輸送手段が不足し、現在に至るまで復旧していない。
その結果、輸送費は上昇した。鉄道輸送などの代替手段を探していたが、もはや採算が合わなくなっている。
船から始まったものが、今ではすべての輸送ルートに問題が広がっている。
さらに、輸送するコンテナも不足。年間400万個のコンテナが生産されるが、2020年には250万個しかなかった。
コンテナの不足により、待ち時間も含めて輸送費は増大している。ある時点で、コストに転嫁せざるを得なくなっているのが現状だ。
原材料の供給
原材料市場も緊迫している。鉄鋼、プラスチック、木材、断熱材、包装など、原材料の供給はすべての分野で不足している。
配送と生産が可能な状態を維持するには、通常の市場価格を大幅に上回る価格を支払う必要がある。
特に鉄鋼生産の不足は意図的なものであり、コロナとは無関係。2019年には世界で70の高炉が閉鎖されており、そのうち20だけが現在稼働している。
一部のフレームやコンポーネントの製造にも鋼が使用されており、自転車製品のメーカーも原材料の価格上昇に苦しんでいる。
アルミニウム、銅、プラスチック用の粒状物も大きく成長しており、1キロ当たりの価格が上昇している。
更に段ボールの価格も上昇。そのため現在、12か月または8か月間の価格安定を提供するメーカーはないとも言われている。
バイクの価格が上昇することは避けられないだろう。
市場の状況
上記の2点は他の多くの業界にも影響を及ぼすが、価格上昇は業界特有の特徴もある。自転車の世界的需要により、一部のコンポーネントの需要は供給を大幅に上回っている。
これは、特にチェーンやブレーキディスクなど、材料価格に大きく依存するパーツが含まれている。
状況は急速に変化する可能性があり、特にパーツの購入時には、自転車メーカーは新しい価格の計算に直面する可能性がある。
大きなメーカーは、将来の価格上昇に備えて備蓄を加速している。
だが、ワークショップなどの個々の組み立てを行う場合には、大量の安価なコンポーネントを保管するための保管スペースなどもっていない。その時点での高いパーツを使わざるを得ない。
見通し
サプライヤーは現在、パーツの更なる値上げを発表しており、それは遅れて顧客に伝えられる。
更に、絶え間ない技術革新により、価格スパイラルが発生している。
たとえ、供給業者の価格が下がったとしても、価格が再び下がることは考えられない。追加予算は、開発と研究に使用される可能性が高くなる。
多くの消費者は、環境に優しく人道的な生産方法を重視している。これは中長期的な価格にも影響を与えている。
ユーザーにとっては価格は重要な役割を果たすが、バイクディーラーも顧客に対してより高い価格について議論する必要もあるようだ。
原材料の高騰については、どうにもならない部分もあるけど、抑えられる価格については考えて貰いたいが、それも難しい。利益を抑えるというのは小さな小売店などには死活問題だ。
当面の価格上昇は抑えられないと思っておいたほうが良さそうだ。
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