ツール第16ステージで大きく遅れたエガン・ベルナル。
最初は残るステージに向けてタイム差をつけ、ステージ優勝を狙う作戦かと思った。イネオスはあきらかに、リチャル・カラパスのステージ勝利を狙っていた。
残るステージでの優勝という目標に切り替えたのかと思っていたが。
どうやら、エガン・ベルナルは身体が悲鳴を上げていたようだ。
背中意外の痛みも
Egan Bernal, the 2019 Tour de France champion riding in the gruppetto with Sam Bennett and Greipel…what an image. #TDF2020 pic.twitter.com/UqBrL1iTcx
— Mihai Simion (@faustocoppi60) September 15, 2020
まさか、画面が切りかわった時に、グリーンジャージのサム・ベネットと同じグループで走っているエガン・ベルナルの姿を見ることになろうとは。
ベルナルはわざと遅れているのではなくて、本当に身体の状態が悪かったようだ。
今日、私は一日中背中の痛みで苦しんでいて、それは増加していた。
最後のクライムでは、膝に痛みが切り替わった。四方八方にねじ込まれている。このまま続けると、非常にハードなクライムであるコル・デ・ラ・ロゼでのステージ争いは難しくなるでしょう。急な勾配がたくさんある。
これまでのステージでも背中の痛みはあったようだ。
オフシーズンには誰よりも乗り込んでいた。ロックダウン中も乗っていたが、その強度にも問題があったのではないかと言われている。
故郷でのトレーニングにコーチがいたのかはわからない。サポートのバイクとか練習相手はいたが、効率的なトレーニングが出来ていたのかは不明だ。
距離だけがトレーニングではない。
砂上のフィットネス
これについて、クイックステップのGMパトリック・ルフェーブルがコメントしている。
誰もがベルナルの長いトレーニングライドについて話しているが、その前に彼は2か月も室内で過ごしていた。
屋内にとどまらなければならなかったライダーは、他の年のように基本的な状態ではない。
ベルナルが過度に訓練されていると言うのは単純すぎる。むしろ、それは基盤の欠如だ。
家を建てるとき、あなたはそれを良い土台の上に置かなければならない。彼らは2か月間何もできなかったので、ベルナルは実際に砂の上で彼らのフィットネスを築き上げた。
ベルナルは、ロックダウンでコロンビアに戻ってから、自己検疫のために自宅にこもっていた。その後、屋外トレーニングを始めたが、それでも十分ではなかったということだ。
ライダーはレースを積み重ねてフィットネスレベルを上げていく。ジュリアン・アラフィリップなどが調子を維持出来ないのも、通年と違う状態だからだとGMは言っている。
ベルナルの身体の悲鳴は、準備期間とレースでの負荷の違いにより起こったことなのかもしれない。
いずれにしても、来年以降に向けて通常のサイクルに戻らないと、ライダーによっては対応が出来ないだろう。
ベルナルは、このツールを完走は出来るだろうが、膝を痛めてまで走る必要はないかもしれない。来シーズン以降のためにも。
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