アワーレコード新記録を達成したヴィクトール・カンペナールツの2020年の目標はジロ・デ・イタリアの個人タイムトライヤルに焦点を当てるという。
それには、ベルギーという自転車王国において代表枠獲得という厳しい現実があるからだ。
これについて二人は直接対談して思いをぶつけている。
2020ジロ・デ・イタリアの個人TTに集中
ヴィクトール・カンペナールツは、ベルギーのwebサイトでインタビューに答えている。
2020年前半の目標としてジロ・デ・イタリアの3つの個人タイムトライヤルに焦点を合わせていると語った。
カンペナールツにとって有利なのは2020のジロ・デ・イタリアのTTコースが3つともフラットに近いのが幸いしている。
2019ジロ・デ・イタリアの個人TTでは途中から山岳コースのように急こう配になったために、途中でバイク交換をしたジュリオ・チッコーネが勝利した。
今回も最後が登り勾配だが、2019年のTTほどではないのでカンペナールツはTTバイクで乗り切るつもりだ。
うまくいけば、初日からマリアローザ着用も可能であり大きなインパクトを与えることが出来るだろう。
続く第14ステージの33.7kmの個人TTは少し厳しいか。単純なフラットではない。
スタートして6キロ地点から、わずか1.2キロで140m登らないといけない。
ここを越えるとなだらかに下っていく。いかに登りでスピードを落とさずに走れるかが勝負となりそうだ。
最終ステージの第21ステージは完全フラットなので絶対に取らないといけないステージだ。
だが、心配なのはヴィクトール・カンペナールツはTTでの落車が多いこと。
昨年のジロでも落車してるし、ツール・ド・ロマンディでも落車している。
バロワーズ・ベルギーツアーでも、レムコと二人で逃げていてカーブでこけているし~。
ここで落車してなくて3位に入っていれば、印象も変わっていたんでしょうけどねえ~。
結局、ベルギーの2020年世界選手権TTの代表は、レムコ・エヴェネプールが2019年欧州TT選手権を獲得したので2枠のうち1枠は埋まってしまっている。
さらにレムコは世界選手権でも2位となり確固たる地位を手にいれている。
ベルギーでは、タイムトライヤルの候補は5人以上いて、世界一の逃げ屋のトーマス・デヘントも代表争いに名乗りを上げている。
ワウト・ファンアールトとの二人の対談
対談している、ワウト・ファンアールトの目つきが怖い(^^;
ワウト・ファンアールトは2019年のベルギーTT選手権では優勝している。レムコやカンペナールツを破っているのだ。
この対談の中で、ワウト・ファンアールトはビクトール・カンペナールツにこう述べている。
ごめんなさいビクトール。私は自分の力で東京に行きたい。
とコメントしており、ワウト・ファンアールトも2020年の成績で代表を決めて貰いたいと思っていることを打ち明けた。
ファンアールトは2019ツール・ド・フランスの落車で現在リハビリ中だが、目覚ましい復活具合で、現在はTeam Jumbo-Vismaのトレーニングキャンプに参加している。
ワウト・ファンアールトは、ケガをベルギーのサイトで公開しているが腰の部分の手術の後はヒドイ。
よくぞ、ここまで復活出来たものだと言えるほどのケガだ。12月27日のシクロクロスレース復帰に向けて順調に調整を進めている状態だ。
ビクトール・カンペナールツもTeam NTTに移籍して、タイムトライヤルに専念できる環境を手にいれている。
Team NTTとしても、東京オリンピックで活躍してくれるであろうカンペナールツを獲得したのだから、出場するのはマストだと言ってもいい。
両者には負けられない理由があるのだ。
ワウト・ファンアールトは復活をかけて絶対に元の状態に復帰しなければならない。ビクトール・カンペナールツはアワーレコード保持者として絶対にオリンピック代表になって金メダルを狙いたい。
特に、カンペナールツは28歳であり、全盛期といっても良いだろう。4年後は考えられないのだ。
二人の対決は熾烈を極めていくだろうが、まちがいなく世界最高峰の戦いとなるだろう。ベストな状態で戦って貰いたいと思う。
どちらが代表となってもメダル候補は間違いないのだから。
コメント