2025世界選手権ジュニア男子ロードレースで見事金メダルを獲得した英国の若きスター、ハリー・ハドソン。
彼の勝利以上に注目したいのが、ハドソンが乗ったバイクだ。通常才能のある若手は早くからワールドチームに目をつけられて高額なバイクを受け取っている場合もある。ジュニアはだめだっけ。
ハドソンのバイクは、誰もが知る有名ブランドではなく、比較的新しい中国ブランドのフレームを中心に組まれたバイクだった。
1500ドルのフレームで世界の頂点に
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ハドソンが世界チャンピオンに輝いたバイクは、Quick Pro AR:One。このフレームセットは、約1,500ドルという、ハイエンドモデルに比べてはるかに手頃な価格帯で提供されている。
このバイクは、中国を拠点とするオンライン小売業者Panda PodiumのCEO、ジョー・ウィッティンガム氏が開発に関わったもので、「中国ブランドのバイク」が世界の舞台で最高の結果を出せることを証明した。
現在のフレーム価格は公式サイトをみると$1,899に上がっている。
AR:Oneは、その価格にもかかわらず、最高品質のカーボンファイバーである東レのT1100とM65カーボンを使用。最軽量のXSサイズでは、生の状態でわずか680gという驚異的な軽さを誇っている。
ハドソンが世界選手権で使用した完成車は、UCIの最低重量規定(6.8kg)をわずかに上回る6.83kgを計測。もっと軽くすることも十分に可能とのこと。
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ハドソンのバイクでひときわ目を引くのが、特徴的な道化師のペイント。これはウィッティンガム氏がデザインしたもので、世界選手権の集団の中で圧倒的な存在感を放っていた。
このフレームは、別々の部品を接着するのではなく、一つの塊として製造される真のモノコック構造を採用。また、メンテナンス性に優れたBSA(ねじ切り)ボトムブラケットを備え、最大32mm幅のタイヤに対応している。
このQuick Pro AR:Oneは、ハドソンがジュニアカテゴリーで勝利したリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ・ジュニアや、2023年と2024年の英国ナショナルヒルクライム選手権での勝利など、彼の成功を支えてきた。
バイクのジオメトリーは極めてレースに特化しており、アグレッシブなライディングポジションを追求するライダー向けに設計されている。
ハドソンは、Quick Proのフレームに、カーボン製のCraft Racing Works (CRW) CS5060ホイールセットや、Cybreiカーボンクランクなどの高性能なコンポーネントを組み合わせて使用。
今回の勝利は、必ずしも高額なブランドバイクでなくても、才能と優れた機材が組み合わさることで、世界のトップレベルで戦えることを示している。
中国ブランドが世界のサイクリング市場で存在感を増していく時代の到来を告げる、象徴的な出来事とも言える。
色々検索していたらこんな動画もあった。全部説明されてますね。字幕を日本語にしてみるとよくわかる。
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