ベルギーのオープニングウィークエンド。オンループ・ヘットニュースブラッドでは、Jumbo-Vismaがワウト・ファンアールト抜きでも抜群の強さを発揮した。
Bahrain Victoriousから移籍したヤン・トラトニクも効果的に集団先頭で攻撃を仕掛ける姿がみられた。そして、クリストフ・ラポルト、続いてディラン・ファンバーレがアタック。
ディラン・ファンバーレは、先頭グループから3人をつき切れで追い落として勝利。それは、素晴らしい走りだったが、2位になったライダーの活躍も忘れてはいけない。
落車して膝から血を流しながら集団の頭をとったアルノー・デリー(Lotto-Dstny)だ。
鬼神か
残り50kmで落車したアルノー・デリーは、膝から流血。バイクチェンジして集団に追いついたが、その時点で単独で追っており、足を使っている。
だが、すぐに集団復帰。
残り42kmでは、再び先頭に戻っているのだ。
そして、カペルミュールの登りでは巨体を揺らしながらティム・ウェレンスの後ろを追っている。
2023エトワール・ド・ベセージュ第4ステージの登りゴールでも、スプリンターで8位という信じられない強さも見せていたが、石畳の登りもこなせるとは思わなかった。
ただ、アルノー・デリーは、2017パリ~ルーベのジュニアレースで7位となっており、石畳もベルギーのライダーらしく乗りこなしている。
カペルミュールで出来た追走4人の中には、Jumbo-Vismaのクリストフ・ラポルトがいた。前でチームメイトのディラン・ファンバーレが逃げているので、先頭交代には入らない。
結局4人はゴール前で集団に捕まる。
それでも、足を使っていないクリストフ・ラポルトをアルノー・デリーは破って2位でゴールしたのだ。クリストフ・ラポルトは、Cofidis時代にはエーススプリンターを務めており、キャリア26勝の強さを誇っている。
それを退けたのだから、凄いことだ。
アルノー・デリーは、ゴール後に天を仰いでいたが、これは悔しさからだった。
アルノー・デリーのコメント
アルノー・デリーは、ゴール後のインタビューで次のように答えている。
20歳の2位は悪くないね。ディラン・ファンバーレの後ろで、ティム・ウェレンス、マテイ・モホリッチと一緒に追走するのが精一杯だったんだ。ティムのおかげで2位になれたんだ。
膝から大量の出血をしながら、すべてをやり遂げた。この転倒がなければ、もっと良かったと思う?
超神経質で、コーナーの通過が少し速すぎたのかもしれない。ほとんど何もなかった。
でも、明日に備えよう。フレデリック・フリソンとブレント・ファンムールのおかげで、モーレンベルクに間に合うようにプロトンのトップ10に入ることができたんだ。
カペルミュールからできた、4人の逃げは強烈でしたね。
ハハ、今日は本当に超強力で、超脚力があったんだ。壁での走りは印象的だった。3年前、テレビでこのレースを見ていたのに、今は自分が壁の上の人間になっている。信じられない。
アルノー・デリーは、ひょっとするとスプリントだけでなく、クラシックも狙っていけるサガンのようなスーパーなライダーに成長するかもしれない。
しかも、まだ20歳だ。
すでに、Soudal – Quick StepのGMパトリック・ルフェーブルが狙っていると言われており、2025年以降の争奪戦は相当なものとなりそうだ。
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