110回目の開催となるシュヘルデプライスは、フランダースクラシックが主催する最も古いクラシックで1907年から始まっている。
比較すると、ロンド・ファン・フラーンデレンは1913年、ヘント〜ウェヴェルヘムは1934年から開催。
その他のフランダースクラシックが主催するレースは第2次世界大戦以降に始まっている。
スプリンターの世界選手権とも言われており、クラシックの中でもスプリンターが勝利を狙うコースとなる。
過去の優勝者は
- 2021 ジャスパー・フィリップセン
- 2020 カレブ・ユアン
- 2019 ファビオ・ヤコブセン
- 2018 ファビオ・ヤコブセン
- 2017 マンセル・キッテル
- 2016 マンセル・キッテル
- 2015 アレクサンダー・クリストフ
- 2014 マンセル・キッテル
- 2013 マンセル・キッテル
- 2012 マンセル・キッテル
今年、歴代優勝者に名前を並べるスプリンターは誰になるだろう。
テルネーゼン~スコーテン 198.7km

コースマップ photo scheldeprijs
スタート地点は、オランダ南西部のゼーラント州、ゼーウス・フラーンデレン地域の中部に位置するテルネーゼンから。
72 km後、アントワープのカペッレンにあるベルギーとの国境に到着。プッテ、ブラッススガート、ブレヒトの自治区を経由して、17.2kmのローカルサーキットに向かう。
オランダなので、全く高低差はない。だが、オランダなので風は強い。向かい風選手権というのがあるくらいだから。

コースプロフィール PHOTO procyclingstats
ローカルサーキットでは、1,700メートルの長さの石畳が4回出てくる。この石畳はかなり綺麗なので、ここで差がつくことは考えにくい。
ゴールは、凹凸もなくなっており路面は綺麗なので安全にスプリント出来る。
注目されるスプリンターは
- Alpecin-Fenix ジャスパー・フィリップセン、ティム・メルリエ
- Quick-Step Alpha Vinyl Team ファビオ・ヤコブセン
- Lotto Soudal アルノー・デリー
- Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux アレクサンダー・クリストフ
- BORA – hansgrohe サム・ベネット
- Team BikeExchange – Jayco ディラン・フルーネウェーヘン
- Team DSM ケース・ボル
- UAE Team Emirates パスカル・アッカーマン
- Team Arkéa Samsic ナセル・ブアニ
大量の離脱
オランダといえば風。先頭はペースを上げまくる。
集団が見事に割れていく。この後、集団は3つに分裂する。
BORA – hansgroheが人数を揃えて攻撃を続ける。
17人が逃げている。ジャスパー・フィリップセン、ティム・メルリエ、サム・ベネットと優勝候補が乗っている。主なメンバーは
- ジャスパー・フィリップセン Alpecin-Fenix
- ティム・メルリエ Alpecin-Fenix
- アレクサンダー・クリストフ Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux
- サム・ベネット BORA – hansgrohe
- ダニー・ファンポッペル BORA – hansgrohe
- ヨルディ・メイウス BORA – hansgrohe
- ライアン・ミューレン BORA – hansgrohe
- リュデガー・ゼーリッヒ Lotto Soudal
- ドワード・トォーンス Trek-Segafredo
- ダニエル・マクレイ Team Arkéa Samsic
- WÆRENSKJOLD Uno-X Pro Cycling Team
ここで先頭最後尾にいたヘルベン・タイッセン(Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux)が落車してしまう。
後ろのサポートカーにあわやひかれる所だった。
先頭は、BORA – hansgroheがメインで引く。
ティム・メルリエは普通に先頭交代している。残り88kmでタイム差は58秒。
第2集団にファビオ・ヤコブセンがいる。20人がいる。主なメンバーは
- ファビオ・ヤコブセン Quick-Step Alpha Vinyl Team
- ミケル・モルコフ Quick-Step Alpha Vinyl Team
- スティン・ステールス Quick-Step Alpha Vinyl Team
- ゼネク・スティバル Quick-Step Alpha Vinyl Teamは
- ギョーム・ファンケイルスブルク Alpecin-Fenix
- フロリアン・フェルメルシュ Lotto Soudal
- アルノー・デリー Lotto Soudal
- ブレント・ファンムール Lotto Soudal
- ルカ・メズゲッツ Team BikeExchange – Jayco
- ニルス・ポリッツ BORA – hansgrohe
第2集団の後方にファビオ・ヤコブセンがいる。チームメイトに頑張って逃げをつぶして貰うしかない。
先頭にいるライアン・ミューレンはチームカーと打ち合わせ。
Alpecin-Fenixはどちらがメインでスプリントするのか?
残り63kmで43秒差に。少しずつ詰めてきたか。
すでに先頭は周回コースに入っている。石畳のコースの端を選んで走っている。
タイム差は縮まらない。
残り3周回
先頭はBORA – hansgroheが、ひいて残り3周回に。
Quick-Step Alpha Vinyl Teamは頑張っていたけど、なんかスピードが落ちている。タオルを投げたかなあ~。
あ~、タイム差が広がった。再び1分5秒差に。先頭は13人になった。
雨が降ってきたので、石畳では慎重に走らないといけない。タイム差は、更に広がって2分に。もう、この中から勝者が出るのは間違いない。
残り1周
もう、残り1周だ。ゴールは少しカーブしているので雨で滑らないといいのだけど。
第2集団は、本当に追いつかなかった。ファン攻撃があるのはわかっていたと思うけど、まさか追いつかないとは誰も思わなかっただろう。
サム・ベネットは先頭集団の最後尾で足をためている。
4人が少し前にでてベースを上げている。この調子だとAlpecin-Fenixはジャスパー・フィリップセンで勝負だ。
Team DSMの開発チームにいる、キャスパー・ヴァン・ユーデンがアタック!
なんと、サム・ベネットは切れてしまう。なんのためにチームメイトが引いてくれたのか~。
さあ、12人がゴールに向かう。
石畳からアレクサンダー・クリストフがアタック!
誰も反応しない。後ろを振り向いて更に踏み込むアレクサンダー・クリストフ。ゴールまで7kmアルが逃げ切るのか。
アレクサンダー・クリストフが逃げに出るとは~。何故、スプリントにかけないのだろうか?
先頭はバラバラになってきた。
3人は切れてしまった。
- ヨルディ・メイウス BORA – hansgrohe
- ライアン・ミューレン BORA – hansgrohe
- リュデガー・ゼーリッヒ Lotto Soudal
アレクサンダー・クリストフは、後ろがお見合いしている間にギャップを増やす。
16秒まで開いた所で、二人が前に出て追う。だが、これも後ろに吸収される。
残り3.5kmで21秒まで開いた。これはいったか?
追走が回らない。
あ~、決まりかな。
残り1kmのゲートをアレクサンダー・クリストフが越えた。
アレクサンダー・クリストフが単独で帰ったきた。
アレクサンダー・クリストフが勝った~!
スブリンターのためのクラシックで逃げてスプリンターが勝つという本当に珍しいレース展開となった。
多分、ソロでかえってきて勝ったことなどないのでは。これでアレクサンダー・クリストフは、クラシカ・デ・アルメリアに続いて、今シーズンの2勝目となった。
2位には、頑張ったBORA – hansgroheからダニー・ファンポッペルが入った。何とか面目を保った形か。
リザルト
アレクサンダー・クリストフのコメント
私たちは素晴らしいシーズンを過ごしている。ソロで勝った勝利を思い出せないので、これも私にとってはとてもいい勝利だ。
BORA-hansgroheとAlpecin-Fenixが絶えず攻撃しているので非常に厳しかった。
最終ラップの石畳の後、自分で試してみるべきだと思った。誰もフォローしなかったので、持っているものを全て出した。信じられないほどの苦しみだったけどね。
私は一日中気分が良かった。通常、私はスロースターターだ(笑)。
しかし、今日は最初から準備ができていた。だから、すぐにヘルベン・タイッセンと一緒に座った。彼がグループから脱落したので、それを一人でやらなければならないと覚悟した。
彼に感謝しないといけない。彼がいたからファンも生き残れたからね。
Rnk | Rider | Team | UCI | Pnt | Time |
---|---|---|---|---|---|
1 | KRISTOFF Alexander | Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux | 200 | 125 | 4:06:02 |
2 | VAN POPPEL Danny | BORA – hansgrohe | 150 | 85 | 0:24 |
3 | WELSFORD Sam | Team DSM | 125 | 60 | ,, |
4 | VAN UDEN Casper | Team DSM | 100 | 50 | 0:26 |
5 | THEUNS Edward | Trek – Segafredo | 85 | 45 | ,, |
6 | VANBILSEN Kenneth | Cofidis | 70 | 40 | 0:28 |
7 | MCLAY Daniel | Team Arkéa Samsic | 60 | 35 | ,, |
8 | PHILIPSEN Jasper | Alpecin-Fenix | 50 | 30 | ,, |
9 | MERLIER Tim | Alpecin-Fenix | 40 | 26 | ,, |
10 | MULLEN Ryan | BORA – hansgrohe | 35 | 22 | ,, |
11 | SELIG Rüdiger | Lotto Soudal | 30 | 20 | ,, |
12 | MEEUS Jordi | BORA – hansgrohe | 25 | 18 | ,, |
13 | BENNETT Sam | BORA – hansgrohe | 20 | 16 | ,, |
14 | DE LIE Arnaud | Lotto Soudal | 15 | 14 | 3:32 |
15 | JAKOBSEN Fabio | Quick-Step Alpha Vinyl Team | 10 | 12 | ,, |
16 | POLITT Nils | BORA – hansgrohe | 5 | 10 | ,, |
17 | ANDRESEN Tobias Lund | Team DSM | 5 | 9 | ,, |
18 | MOZZATO Luca | B&B Hotels – KTM | 5 | 8 | ,, |
19 | SAJNOK Szymon | Cofidis | 5 | 7 | ,, |
20 | LIEPIŅŠ Emīls | Trek – Segafredo | 5 | 6 | ,, |
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