スぺインのバスク地方で行われたクラシカ・サンセバスティアンの翌日におこなれるサーキット・デ・ゲッチョ。(Circuito de Getxo – Memorial Hermanos Otxoa)
1924年に初開催され、2001年以来、元サイクリストのリカルド・オチョアを記念して、メモリアル・リカルドオチョアとしても開催されている。
2001年2月15日の練習中に、双子の兄弟であるハビエル・オチョアとリカルド・オチョアが交通事故にあう。
リカルド・オチョアは即死。ハビエル・オチョアは脳に障害が残り、事故やツールのステージ優勝などの記憶は残っていなかったが、2004年にアテネパラリンピックに出場してロードとTTで金メダルを獲得している。
ビルバオ~ゲッチョ 193.7km
ルートは周回コース。前半25.5kmの周回を6周。後半は地図の下側の周回コースを1周してゴールする。
周回コースの中には2箇所の登りがあり、最終周回だけ2級山岳が最後に組み込まれている。
- 3級山岳 0.8 km・6.8%
- 3級山岳 5.6 km・2.8%
- 2級山岳 2.2km・9.2%
2級山岳頂上からゴールまでは16kmあるので、追いつく可能性はあるがゴールも登っている。ただ、スプリンターが絶対に勝てないコースではない。
2015年には、ナセル・ブアニが勝利していることからもわかる。2020年の優勝はジロ総合2位となった、Bahrain Victoriousのダミアーノ・カルーゾ。
クラシカ・サンセバスティアンから連続して出場するライダーも多い。
リアルスタートまで
スペインのサイトでスタート前からストリーミングをしていたので観戦。
リアルスタート前はスペインのプロチームが先頭付近を固める。
今回プロチームの参加は上記のチーム。8チームで7名編成。
コンチネタルチームは、5チーム。
マッテオ・トレンティンがリアルスタート前から遅れている。何でかな。
アタック合戦
リアルスタートから一列棒状。
トレックのスペイン人、フアン・ロペスが飛び出すがすぐに捕まる。
アルケア・サムシックのトマ・ブタを含む5人が抜け出すけれど、これま決まらず。
何故かわからないけど、スペインの英雄ミゲル・インドゥラインデューラインの再来と言われているフアン・アユソーが遅れている。
登りで少し詰まった時に、遅れたのかな。先日、Prueba Villafranca – Ordiziako Klasika (1.1)を見ていたら、最後のゴールで2番手につけていたので、勝ったと思った。だけど、ルイスレオン・サンチェスをまくれず2位。プロ初勝利を逃している。
BORAのマッティオ・ファブロとBahrain Victoriousのステューブン・ウィリアムズが良い感じで抜け出るけど、これも吸収される。
BORAが先頭を固めて登りでペースを作る。決定的な登りの勾配ではないので序盤では絞れないだろう。
BORAの攻撃が実って、ようやく5人が少し抜け出る。ウィルコ・ケルデルマンが逃げに入った。
トレックからは、ジャンルーカ・ブランビッラも入っているけど、タイム差が開いているほどではない。
後方からも追いついて、先頭は大きな集団となる。最後尾はモビスターのヨハン・ヤコブス。だが、この大きな先頭集団も潰されてしまう。
12人の逃げ
60kmに及ぶアタック合戦の末に、ようやく逃げが決まる。54秒もタイム差をつけたのは初めてだけど、残り120kmもあるので勝ち逃げとはならないかも。
集団は、逃げにメンバーをのせていない、Team Qhubeka NextHashとCofidis, Solutions Créditsがメインで引いている。
逃げには、昨日のクラシカ・サンセバスティアンで2位に入ったマテイ・モホリッチも入っている。
- ジャンルーカ・ブランビッラ Trek-Segafredo
- アントニオ・ニバリ Trek-Segafredo
- マッテオ・トレンティン UAE Team Emirates
- マテイ・モホリッチ Bahrain Victorious
- ダイエル・キンタナ Team Arkéa-Samsic
- マティス・ルーヴェル Team Arkéa-Samsic
- トマ・ブタ Team Arkéa-Samsic
- ジョヴァンニ・アレオッティ BORA-hansgrohe
- マティアス・イェルゲンセン Movistar Team
- ルイス・マス Movistar Team
- アントニオ・ヘスス・ソト Euskaltel – Euskadi
- ヴィチェンツァオ・アルバネーゼ EOLO-Kometa
マテイ・モホリッチは、チームカーからボトルを貰う。今日も途中からアタックをかけて逃げるかな。
すでに100kmを走って、av48.3km/hと猛烈に速い。下りも70km/hオーバーで進むし、登りも短いので速い。タイム差は1分40秒まで広がった。
マッテオ・トレンティンもUAEに移籍してから勝利がない。そろそろ逃げ切りもしたいところ。
タイム差は、広がらなくなった。各チーム満遍なく入っているので、追うチームが少ないのだけど追走も頑張っている。
Bahrain Victoriousのマーク・パデュンは登りで遅れて立ち止まってしまう。左肘に包帯をしており、調子がよくないのか。昨日のクラシカ・サンセバスティアンでは13位に入っているのだけど。
Team Qhubeka NextHashは、ジャコモ・ニッツォーロで勝利を狙いたい。登りゴールに対応出来るかな。
タイム差が一時1分20秒程度まで縮まったが、再び1分40秒まで広がる。
Bahrain Victoriousは、マテイ・モホリッチが逃げているのに集団先頭で引いている。これまでも何度が見たけど、何故こんな走りをするのか理解できない。
残り3周のゴール地点を越える。
ウィルコ・ケルデルマンがBahrain Victoriousの引きを利用して4人の追走集団を作りだす。Bahrain Victoriousは、サンティアゴ・ブイトラゴが4人に入っている。だが、この追走も集団に捕まる。
先頭も追走がかかっているので、動きが出る。アントニオ・ニバリなどは中央分離帯を越えて走っている。
先頭は登りで5人となる。
- マテイ・モホリッチ Bahrain Victorious
- アントニオ・ヘスス・ソト Euskaltel – Euskadi
- マティアス・イェルゲンセン Movistar Team
- マッテオ・トレンティン UAE Team Emirates
- ヴィチェンツァオ・アルバネーゼ EOLO-Kometa
最後尾を走るマテイ・モホリッチは、自分のチームが追っていることをどう思うのだろう。
約20人の追走がBORA-hansgroheを先頭に迫ってきている。すでに長い直線では前の5人を視界に捉えている。あと少しで追いつくだろう。
BORA-hansgroheは、多くのメンバーを残しており追いつくのに全員で回している。先頭はパトリック・コンラット。
追走にはジャコモ・ニッツォーロが残っており、追いつけばスプリントを狙える。残り31kmで22秒なので、そろそろ捕まえる頃か。
先頭からマッテオ・トレンティンがアタック!
マテイ・モホリッチが追走する。
マッテオ・トレンティンのアタックは決まらない。
- マテイ・モホリッチ Bahrain Victorious
- マティアス・イェルゲンセン Movistar Team
- マッテオ・トレンティン UAE Team Emirates
- ヴィチェンツァオ・アルバネーゼ EOLO-Kometa
先頭の足が止まってしまう。これは吸収されることを考えて足を残している。カウンターがかかるはずだ。
マッテオ・トレンティンがまたもアタック!
マテイ・モホリッチが追走する。
マテイ・モホリッチが追いついて二人となるが、タイム差は10秒だ。
あ~、残り20.8kmで二人は捕まってしまう。これで逃げはなくなった。
2級山岳 2.2km・9.2%
モビスターのマティアス・イェルゲンセンを先頭に登り始める。
モビスターのアンドレア・ゴンザレスがアタック!
少し集団を引き離している。プエルトリコチャンピオンだ。
Bahrain Victoriousの、サンティアゴ・ブイトラゴが追いついてくる。
2級山岳は、二人で越えていきそうだ。
ジュリオ・チッコーネがチョザーレ・ベネデッテイと8秒差で追走。
下りで二人が追いついた。
- ジュリオ・チッコーネ Trek-Segafredo
- サンティアゴ・ブイトラゴ Bahrain Victorious
- アンドレア・ゴンザレス Movistar Team
- チェザーレ・ベネデッテイ BORA-hansgrohe
さらに下りで追いついてきそうだ。
イーデ・シュリングも追いつきそうだ。
結局、下りで10人ほどになった。
更に後ろからルイスレオン・サンチェスも追っている。
イーデ・シュリングがスルスルと先頭からアタックをかける。残り6.3kmなので逃げ切れる距離だ。
チームメイトが追走を邪魔する。ジャコモ・ニッツォーロについて来られると困る。
- チェザーレ・ベネデッテイ BORA-hansgrohe
- ジャコモ・ニッツォーロ Team Qhubeka NextHash
- サンティアゴ・ブイトラゴ Bahrain Victorious
イーデ・シュリングは追いつかれて4人に。
二人いるBORAは、イーデ・シュリングがチェザーレ・ベネデッテイをアシストするだろう。
ラスト1kmのゲートをくぐった。4人の勝負だ。
イーデ・シュリングがチェザーレ・ベネデッテイを引く。
先頭はイーデ・シュリングのままだ。残り400mなのでスパートしないとジャコモ・ニッツォーロが有利になる。スプリントになったら絶対に勝てない。
サンティアゴ・ブイトラゴが早めのスプリントをかける。
サンティアゴ・ブイトラゴはジャコモ・ニッツォーロを引き離せるか?
だが、ジャコモ・ニッツォーロが前に出る。
ジャコモ・ニッツォーロが登りを駆け上がる!
ジャコモ・ニッツォーロのスプリントが速い!
後ろを2度ほど確認している。余裕だ~。
ジャコモ・ニッツォーロが登りきった~。今シーズン3勝目をあげた。チームの5勝のうち実に3勝はニッツォーロの勝利だ。
BORA-hansgroheは、二人もいたのにスプリンターのジャコモ・ニッツォーロにはかなわなかった。最後のロングスプリントをかまさないとニッツォーロは落とせない。
見事に、凌いだジャコモ・ニッツォーロの力業だった。
ジャコモ・ニッツォーロは、表彰式で帽子のかぶり方を指導されてしまう。思わず苦笑い。
リザルト
Rnk | Rider | Team | UCI | Pnt | Time |
---|---|---|---|---|---|
1 |
NIZZOLO Giacomo
|
Team Qhubeka NextHash | 125 | 75 | 4:12:24 |
2 |
ALEOTTI Giovanni
|
BORA – hansgrohe | 85 | 55 | ,, |
3 |
BUITRAGO Santiago
|
Bahrain – Victorious | 70 | 40 | ,, |
4 |
GONZÁLEZ Abner
|
Movistar Team | 60 | 32 | 0:12 |
5 |
SCHELLING Ide
|
BORA – hansgrohe | 50 | 28 | ,, |
6 |
CICCONE Giulio
|
Trek – Segafredo | 40 | 24 | ,, |
7 |
COVI Alessandro
|
UAE-Team Emirates | 35 | 20 | 0:54 |
8 |
SÁNCHEZ Luis León
|
Astana – Premier Tech | 30 | 18 | 1:04 |
9 |
TRENTIN Matteo
|
UAE-Team Emirates | 25 | 16 | ,, |
10 |
SOTO Antonio Jesús
|
Euskaltel – Euskadi | 20 | 14 | 1:26 |
※ハイライト動画はのちほど追加予定
コメント
BORAの91番はベネディッティじゃなくてアレオッティですね。
2021年よりFriuliから3年契約で採ったBORA期待の新鋭クライマーみたいです。
er4bさん、凄い!
前日のクラシカ・サンセバスチャンで落車してリタイヤしてましたね。また、教えて下さい<(_ _)>