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ワウト・ファンアールトは、ベルナール・イノー以来の快挙を達成!

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Photo credit: Ronan Caroff on VisualHunt.com
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ベルナール・イノーはツール・ド・フランス5勝、ジロ・デ・イタリア3勝、ブエルタ・ア・エスパーニャ2勝、1980世界選手権王者など数々のタイトルを獲得したロード界の英雄。

上の写真の右の人物だ。ベルナール・イノーは、平地でも手を抜かない走りで、スプリント、山岳、タイムトライヤルと全てにおいて強い選手だった。

ツール・ド・フランス史上、山岳ステージ、タイムトライヤル、スプリントを同一年で勝利したのは1979年のベルナール・イノーただ一人。

そのマルチタスクのハットトリックをワウト・ファンアールトもやってのけた。これは歴史に残る素晴らしい成績だ。

 

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たった一人のトレイン

 

Team Jumbo-Vismaは最後のパリのステージでは4人しかいない状態。

  • ワウト・ファンアールト
  • ヨナス・ヴィンゲゴー
  • マイク・テウニッセン
  • セップ・クス

トレインに割けるメンツはマイク・テウニッセンしかいない。

スプリント動画では、マーク・カヴェンデッシュばかり写して全体の様子がわかりにくい。だが、ラスト1kmでDeceuninck-Quick-Stepは、カスパー・アスグリーン、ダヴィデ・バッレリーニ、ミケル・モルコフが残っていた。

コーナーを曲がった時点で、カスパー・アスグリーンが先頭。ダヴィデ・バッレリーニも近くにいたが、ミケル・モルコフは何故か、マーク・カヴェンデッシュの後ろだった。

Deceuninck-Quick-Stepの二人の後ろをゲットしたのがマイク・テウニッセンだ。

トレインを上手く利用して、マイク・テウニッセンは渾身のリードアウトを見せる。ミケル・モルコフと離れたマーク・カヴェンデッシュ。

ワウト・ファンアールトの左からずっと抜くことを考えていれば、マーク・カヴェンデッシュはもう少しゴールが近かっただろう。一度、足を止めて右から抜こうと進路を変えている。

スプリントは、チームメイトのトレインがあったほうが絶対に有利だ。うまく並びにはいったTeam Jumbo-Vismaは、絶好のポジションだった。

スプリントは位置取りが大切。最後のパリの舞台は全てのスプリンターが狙っており、何キロも前から、ずっとレースを支配するには道幅なども関係してくる。

今回はTeam Jumbo-Vismaに勝利の女神が微笑んだということだ。

 

マルチタスクな才能

 

第10ステージでは、スプリントでマーク・カヴェンデッシュに完敗した。だが、翌日のモン・ヴァントゥでは最も厳しいと思われる山岳の一つのステージを単独で越えてしまう。

更に、2回目のタイムライヤルでは圧勝。続いてスプリントでも勝利してしまうのだから凄すぎる。

全ての種目で一流を言われるライダーを凌駕している。こんな選手は今のプロの中ではいない。完成されたライダーと言ってよい。

ツールの前には、盲腸の手術によりコンデションは本調子とは程遠かった。第2週から調子を戻してきた感じだ。

この後、ワウト・ファンアールトは東京でロードとTTの二つのタイトルに挑むことになる。日本の蒸し暑さに対応する時間があるのかわからないが、4年に1度のタイトルだから特別なものだ。

昨年の世界選手権はロード・TT共に2位だった。今回のオリンピックでは、TTはフィリッポ・ガンナ、レムコ、そしてプリモッシュ・ログリッチもライバルとなる。ロードは誰が勝つか全くわからない。

ワウト・ファンアールトには疲れを見せず、是非、ベストな走りを見せて貰いたい。

 

ラスト1kmからの動画はYouTubeでどうぞ
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