ツール・ド・フランス第16ステージは、逃げ切りとなりパトリック・コンラット(BORA-hansgrohe)が勝利した。
総合勢は、UAE Team Emiratesが引いて13分遅れで走っていた。
すでに、逃げ切りは決定的であり総合は休みの日かと誰もが思っていただろう。だが、最後の4級山岳アスプレ・サラからワウト・ファンアールトが猛烈にスパート。
総合は一気に絞られて15人の集団となり、ワウト・ファンアールトにゴール前まで猛烈なスピードで走らされている。
総合に休みはない
元々は、最後の4級山岳アスプレ・サラの短い800mの登りで、コフィディスのシモン・ゲシュケがギヨーム・マルタンを引いてスパートしたことから始まる。
ここでリードして、ゴールまで逃げ切ろうという作戦だったのか、単に先頭付近に配置しようとしたのかはわからないが、この動きをみてワウト・ファンアールトが動いた。
一気に、コフィディスの二人を置き去りにすると、メイン集団の先頭で4級山岳を越える。
ワウト・ファンアールトは、この時無線で、イネオスのリチャル・カラパスが上手く配置されていないという情報を受け取った。
これを聞いてワウト・ファンアールトはヨナス・ヴィンゲゴーを乗せてゴールまで逃げ切りきることを選択。下りからゴール前までの激走に繋がった。
ヨナス・ヴィンゲゴーとリチャル・カラパスのタイム差は1秒しかない。少しでもリードを広げたいのが本音だ。
下りでは、一時セップ・クスも手助けしてくれている。だが、全開で引いてちぎれていく。
リチャル・カラパスが追いついたという情報は、すでにワウト・ファンアールトには伝わっていたと思うけれども、かまわず引き続けた。
ワウト・ファンアールトはゴール後のインタビューで以下のように種明かしをしてくれている。
ギヨーム・マルタンの攻撃に驚いた。ラジオでマイク(テウニッセン)から、お気に入りが少し離れていると聞いた。それが試してみる合図だった。
結局、すべての有名人が加わった。コースの最後の部分は横風もあり、実際には何もおこらなかった。残念だ。自分のギアに固執しすぎたかもしれない。
だけど、少なくともいつでも準備が出来ていることを示したね。
更に、本当は逃げに入りたかったことも話している。
しかし、逃げに入るのは簡単ではない。自分が常に標的にされていることに気づいた。UAEは Jumbo-Vismaの誰かが去るのを見たくない。
山岳賞の人達は私を手放したくない。ステージハイジャッカーの人達もそうだ。ステージの早い段階で、ステファン・クライスヴァイクとマイク・テウニッセンが解放されたので、必然的に戦術を変更する必要があった。
チームは5人しかおらず、総合3位のヨナス・ヴィンゲゴーのフォローが大切になっていくる。全員が残っていればワウト・ファンアールトは、逃げを狙い続けたかもしれない。
だが、いかにワウト・ファンアールトでも、常にマークされていたら逃げようがない。逃げれなかった鬱憤を最後の引きで見せたと言えるかも。
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