リチャル・カラパスは第20ステージでまさかの失速。
残り2kmで遅れてしまい、ゴールでは大きくタイムを失う。ジェイ・ヒンドレーにピンクのリーダージャージを奪われた彼は、もはや長い表彰台のプロトコルに従う必要も、メディアに説明する必要もない。
カラパスはアンチドーピングのためにフィニッシュエリアに戻ったが、ジロ最後の山岳フィニッシュでの敗北は、彼をあまりにも失望させ、何も語らなかった。
だが、こうなることをレース中に予測していた人物もいた。
まさかの失速
NOW OR NEVER!#Giro pic.twitter.com/SopzHDN62m
— Giro d’Italia (@giroditalia) May 28, 2022
INEOS Grenadiersは、ほぼ完璧なレース展開をしていた。一つ誤算はリッチー・ポートがいないこと。
しかし、集団は途中からBahrain Victoriousが引いたためにINEOS Grenadiersのアシスト陣は温存された。
最後の砦は、パヴェル・シヴァコフ。
彼が引き終わった時に、ジェイ・ヒンドレーがアタック。その前ではレナード・ケムナが待っていた。
彼は、無線で聞いており3.5kmもジェイ・ヒンドレーが来るまで待っていたという。ジェイ・ヒンドレーのアタックをかわしたカラパスだったが、レナード・ケムナが引くスパートで崩壊してしまった。
カラパスは一人で、ジェイ・ヒンドレーとレナード・ケムナの引きに対応しなければならなかった。
BORA-hansgroheの完璧な作戦勝ちでもあるのだけど、それ以上にカラパスのコンデションが悪かったことを確認している人物がいた。
間近で見た人物
それを見ていたのは、解説でもおなじみのブラットリー・ウイギンズだ。彼は、モーターバイクに乗って集団を間近で見ている。
選手の様子は、息遣いや顔色、ペダリングなども見ている。
今朝スタートする前に、リチャル・カラパスがこのジャージを失うのを見ることはできないと確信していた。
ポルドイで、彼が普段と違う様子でラインに入っているのを見つけたんだ。低いギアで漕いでいて、サドルの上に前のめりに座っていた。
これは決して良い兆候ではない。彼のボディランゲージから、今日は調子が悪いんだなということが伝わってきた。
ウィギンズは、最後のタイムトライアルを残してレースをリードしているヒンドレーを賞賛。
ウィギンズによれば、このオーストラリア人が転倒したり病気になったりしない限り、彼がレースを制することは間違いないという。
最後の上りで、厳しさが増してきたとき、ジェイ、なんという走りだったことだろう。彼は無事にジャージを手に入れ、明日のタイムトライアルで脱落することはないだろう。
なんというライディングだ。まだ、頭を悩ませているところだ。カラパスは、ジェイが一晩でクラッシュしたり、病気になったりしない限り、無理だと思うんだ。
ジェイはこのジロをほぼ完走している。彼はただ冷静さを保ち、そのプロセスを経るのみだ。
すでに、ボルドイ峠で悪い兆候は見て取れたということだ。サングラスもヘルメットの上にのせていた様子も確認されている。
リチャル・カラパスは、前日の第19ステージではライバルのアタックをかわし、総合勢トップでゴールしている。最高の調子であると誰もが思っていたはず。
だが、この第20ステージで、リチャル・カラパスはバットデイを迎えてしまった。ジロが終わってから、カラパスはこのステージについて語ることだろう。
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