ツール・ド・フランスでタデイ・ポガチャルを圧倒するには何が必要か?
Jumbo-Vismaのパフォーマンスディレクターであるマチュー・ヘイボア(Mathieu Heijboer)は、ヨナス・ヴィンゲゴールをグランツールの頂点に押し上げた重要なコンセプトを明かしている。
その基本原則はとてもシンプルなものだった。
ヨナス・ヴィンゲコーの長所に集中
[M+1] – Stage 15
🚩Les Gets
🏁St-Gervais@TamauPogi and @VingegaardJonas, side-by-side on the road, and in the GC before the rest day.@TamauPogi et @VingegaardJonas, côte à côte sur la route et au classement général avant la journée de repos.#TDF2023 pic.twitter.com/oDYO9f9BFb— Tour de France™ (@LeTour) August 16, 2023
マチュー・ヘイボアは、ヨナス・ヴィンゲコーが成功した理由を以下のように語る。
一貫性を保つこと、相手を知ること、そして弱点ではなくヨナスの強みを伸ばすこと。
今年、ヨナスと取り組んだ重要なことのひとつは、いつも良い状態を保つことだった。私たちは、彼が常に健康でフィットしていることを確認したかったのだ。
私たちはそのことに集中し、いくつかのレースをカレンダーから削除したほどだ。
ツールに向けたもうひとつの強みは、ポガチャルをどう落とせるかを理解していたことだ。昨年のツールの後、ヨナスがポガチャルを落とした2つのステージを含む、新しいデータセットを手に入れた。
そのおかげで、本当に貴重な洞察を得ることができ、シーズン中の行動に反映させることができた。
では、具体的にヨナスのどのようなメリットを強調したのか?
ヨナスの長所である長い登りに集中しようとしたんだ。この2つの資質は少し正反対なんだ。
爆発力を高めるトレーニングをすれば、持続時間の長さが失われる。適切なバランスを見つけなければならなかったが、ポガチャルに勝つには持続時間が鍵になることはわかっていた。
以前から持っていたヨナスのパワーファイルをよく見た。ポガチャルは素晴らしい、偉大な相手だが、いくつかの場面ではヨナスの方がクライマーとして優れていることがわかった。
そして、そのような場面を再び作り出すようにしなければならない。それがツール・ド・フランスで我々がやりたかったことだ。
ブエルタでは、新たにレムコ・エヴェネプールと対戦しなければいけませんが、その対策としてデータはあるのですか?
ヨナスは、ポガチャルの時のようにレムコのデータバンクを持っていないが、昨年のブエルタで戦ったプリモシュ・ログリッチの経験がある。
しかし、来月マドリードで誰が最後の赤いジャージを着るかは、データ分析よりも脚力によって決まるだろう。
ヨナスがブエルタで同じレベルに達することは現実的だが、より大きなリスク要素がある。
我々はターゲットを絞った準備を信条としており、そのためにツールに向けて細心の注意を払っている。ブエルタでは、レースの準備期間が単純に短くなるため、より不確実性が増す。
昨年との最大の違い
💛[M+1] – Stage 1
🚩Bilbao
🏁BilbaoThe first of many battles between @tamaupogi and @VingegaardJonas, but on that day, it would be Tadej’s teammate @adamyates7 who would take the first Yellow Jersey
La première des nombreuses batailles entre @tamaupogi et @VingegaardJonas,… pic.twitter.com/7I03WpgR9z
— Tour de France™ (@LeTour) August 1, 2023
2つのグランツールを連続して走るには、疲労と体力を注意深く管理する必要がある。あまりに早すぎると、次のスタートラインに立つ前に選手が埋もれてしまうこともある。
しかし、ヨナス・ヴィンゲコーは、ツール終了後1週間でサドルに戻った。
私の意見では、昨年との最大の違いは、ヨナスのトレーニングに一貫性があったことだ。ヨナスは、ツール・ド・フランスまでに26回しかレースに出場していない。
ポガチャルはケガで離脱したので比較は無駄だが、3位のアダム・イェーツはビルバオでマイヨ・ジョーヌに袖を通すまでに34回のレース出場を経験している。
ヨナスは以前、腱に問題があり、トレーニングを欠席していた。2021年にはコロナでひどい苦しみを味わい、多くのタイムを失った。
我々は、彼が今年完全に安定した走りができるよう、それらの要因をすべて排除したかった。私たちは彼の身体的な準備に多くの注意を払い、エクササイズ、リカバリー、栄養、そのすべてを常に100%正しく行えるようにした。
ヨナスはレースにはあまり出なかったが、そのおかげでシーズン中、すべてのトレーニングとエクササイズを一貫して行うことができた。我々は、それがツールに不可欠であったと信じている。
これは、今年大活躍したマチュー・ファンデルプールと同じ感じだ。レース数を絞って、パフォーマンスを落とさない作戦だ。
フルームに続く?
🇫🇷 #TDF2023
What a crowd. 🤩🇩🇰 pic.twitter.com/9sUuaquViv
— Team Jumbo-Visma cycling (@JumboVismaRoad) July 26, 2023
ツール・ド・フランスでの勝利とブエルタ・ア・エスパーニャでのマイヨロホをダブルで獲得することに成功すれば、ヨナス・ヴィンゲコーはまったく新しい境地に達するだろう。
2020年、プリモッシュ・ログリッチは、それに近づいた。ポガチャルは挑戦していない。1km1kmがレッドゾーンで争われる時代に、それが可能だと考える現代のGCレーサーはほとんどいない。
実際、1995年にブエルタが晩夏のカレンダーに移行して以来、ツールとブエルタで優勝したのはクリス・フルームだけだ。
もしヴィンゲゴーが “ダブル優勝 “を果たせば、Jumbo-Vismaが歴史的なグランツール完全制覇を成し遂げることが出来る。2024年は更にレベルアップするかもしれない。
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