10月21日のベネトクラシックで欧州のレースは全て終了。最後はUno-X Mobilityのマグナス・コルトニールセンがあり得ない逃げを成功させる素晴らしいレースで締めくくってくれた。
2024年シーズンの統計記録が出てきている。最多勝利チームや、最多勝は、誰もが想像のつく結果だけれども、最も逃げたライダーなどはちょっと予想外れ。
多くの記録をまとめてくれているStatsOnCyclingの投稿で見てみよう。
最多勝利チーム
📊🏆Most wins by teams in 2024:
81 | 🇦🇪UAE Team Emirates (🔝team record)
42 | 🇺🇸Lidl-Trek (🔝team record)
34 | 🇧🇪Soudal Quick-Step (🔻fewest since ‘11)
32 | 🇳🇱Team Visma | LaB (🔻-37 vs ‘23)
30 | 🇫🇷Decathlon AG2R LMT (🔺most since ‘99)
28 | 🇮🇱Israel-Premier Tech (🔝team record)— Cycling Statistics 📊 (@StatsOnCycling) October 17, 2024
- UAE Team Emirates 81勝
- Lidl – Trek 42勝
- Soudal – Quick Step 33勝
- Team Visma | Lease a Bike 32勝
- Decathlon AG2R La Mondiale Team 30勝
- Alpecin-Deceuninck 26勝
- Lotto Dstny 22勝
- Intermarché – Wanty 13勝
UAE Team Emiratesは、近年最高だった2018年のSoudal – Quick Stepの72勝を抜いている。
さらに年間最多勝を獲得しているTeam Columbia – HTCが2009年に作った85勝という記録を抜く勢いだった。
当時のTeam Columbia – HTCには、マーク・カヴェンディシュ、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン、アンドレ・グライペル、トニー・マルティンの豪華メンバーが並んでいた。
UAE Team Emiratesはタデイ・ポガチャルだけで25勝を稼ぎ出したが、他のメンバーも凄かった。
タデイ・ポガチャルだけでなく20人が勝利に貢献。これは2000年にマペイが記録した19人を上回っている。
さらに、ワールドツアーレースでは41勝をマーク。これほどの成績を収めたチームはかってないはず。
ただ、来年はマルク・ヒルシが移籍。9勝をあげた選手が抜けるのは痛い。
まあ、それでも若手が育っているので、UAE Team Emiratesは来シーズンも最多勝となる可能性は高い。逆に、2023年シーズンに69勝をあげたTeam Visma | Lease a Bikeは32勝と激減。
ヨナス・ヴィンゲゴー、ワウト・ファンアールトなど主力選手のあいつぐケガ、プリモッシュ・ログリッチの移籍の影響もあり、不運なシーズンをおくってしまった。
ベストサイクリスト
📊🏆Best season in cycling history: 🇸🇮Tadej Pogačar 2024.
⭕️9,959 km, 58 days
🥇25 victories, 🌍24 WT🏆GC 🇫🇷Tour + 🇮🇹Giro
🏆🌈Worlds RR
🏆🇧🇪Liège-Bastogne-Liège + 🇮🇹Il Lombardia🏆🇮🇹Strade + 🇨🇦Montréal
🏆GC 🇪🇸Volta Catalunya (+4x stage)
🥇12x GT stage (+2x ⏱️ITT)
👕39x GT LJ pic.twitter.com/efbflChbx8— Cycling Statistics 📊 (@StatsOnCycling) October 12, 2024
- タデイ・ポガチャル UAE Team Emirates 25勝
- ティム・メルリエ Soudal – Quick Step 16勝
- マッズ・ピーダスン Lidl – Trek 12勝
- ジョナサン・ミラン Lidl – Trek 11勝
- レムコ・エヴェネプール Soudal – Quick Step 9勝
- ティボー・ネイス Lidl – Trek 9勝
- ジャスパー・フィリップセン Alpecin-Deceuninck 9勝
- マルク・ヒルシ UAE Team Emirates 9勝
- ヨナス・ヴィンゲゴー Team Visma | Lease a Bike 9勝
- ブランドン・マクナリティ UAE Team Emirates 9勝
タデイ・ポガチャルは今世紀の最多勝利数、アレサンドロ・ペタッキの25勝に並んだ。
- アレサンドロ・ペタッキ 2005年 25勝
- タデイ・ポガチャル 2024年 25勝
- アレサンドロ・ペタッキ 2003年 23勝
- マーク・カヴェンディシュ 2009年 23勝
- ピーター・サガン 2013年 21勝
スプリンターでない選手が25勝もあげるのは驚異的。しかも、レース数が58レースなのだから、勝率は38%とこれまた驚異的。
しかも、ステージレースでは無敗。グランツールでは39日間リーダージャージを着用している。これも記録なのでは。
そして、同一年でジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランス、世界選手権制覇のトリプルクラウンの史上3人目の達成者。
エディ・メルクスが最も活躍した年と言われる1972年でも、モニュメントは3つ獲得しているが、世界選手権は取れていない。
タデイ・ポガチャルの今シーズンは、歴史上、最も成功した年と言ってもよい。これ以上をまた記録するのだろうか。
歴代でいうとエディ・メルクスが1970年に達成した37勝が最多勝だと思うけれども、これ以上のライダーがいたかも。どなたかご存じでしたら教えて下さい。
レムコ・エヴェネプールのパリオリンピックロードとTTの勝利、世界選手権個人タイムトライヤルの2年連続制覇、ツール・ド・フランス総合3位など、凄い記録なのだけどタデイ・ポガチャルには及ばない。
さらにレインボージャージを着用してロンド・ファン・フラーンデレン、パリ~ルーベのモニュメント2冠、グラベル世界選手権、シクロクロス世界選手権も獲得したマチュー・ファンデルプールもタデイ・ポガチャルの前には、少しかすんでしまう。
それほど、今シーズンのタデイ・ポガチャルは凄かった。
もっとも逃げた選手
🚴🏻 Most breakaway km’s
🔸 World Tour + ProSeries races
🇳🇴 Jonas Abrahamsen 1948
🇮🇹 Manuele Tarozzi 1869
🇪🇸 Marc Soler 1748
🇫🇷 Mathis Le Berre 1655
🇧🇪 Dries De Bondt 1563
🇮🇹 Mirco Maestri 1465
🇪🇸 Oier Lazkano 1329
🇫🇷 Julian Alaphilippe 1325
🇪🇸 Pablo Castrillo 1264#cycling pic.twitter.com/OKdzMKdt9X— CyclingBottle (@Cyclingbottle) October 3, 2024
- ヨナス・アブラハムセン Uno-X Mobility 1,948km
- マヌエーレ・タロッチ VF Group – Bardiani CSF – Faizanè 1,869km
- マルク・ソレル UAE Team Emirates 1,748km
- マティス・ルベール Arkéa – B&B Hotels 1,655km
- ドリース・デポンド Decathlon AG2R La Mondiale Team 1,563km
- ミルコ・マエストリ Team Polti Kometa 1,465km
- オイエル・ラスカノ Movistar Team 1,329km
- ジュリアン・アラフリップ Soudal – Quick Step 1,325km
- パブロ・カスティーリョ Equipo Kern Pharma 1,264km
Uno-X Mobilityのヨナス・アブラハムセンはツール・ド・フランスだけで、753kmも逃げていたので目立っている。
2位はVF Group – Bardiani CSF – Faizanèのマヌエーレ・タロッチ。ジロ・デ・イタリアでは4レース逃げている。これも以外に逃げている予想外の選手ですね。
やはり、レースで逃げている選手は目立っているし実力も十分にあるということだ。リストにタコ・ファンデルホールンが今年いないのが残念。
脳震盪から復帰して勝利もしたのに、まだ2025年シーズンの所属先が決まっていないのも気がかり。
9位のパブロ・カスティーリョも1,264kmも逃げている。普段は、Equipo Kern Pharmaのエースなので逃げることはほぼない。この逃げの距離は初出場のブエルタ・ア・エスパーニャで記録されているのだから凄いことだ。
ブエルタでは、ステージ2勝もしており凄い選手となりそうだ。
コメント
気がついた範囲だけですが…
マルク・ソレル がUAEで
ミルコ・マエストリ がporti cometa
ですね
いつもレースや各情報まとめありがとうございます
matanekoさん、ご指摘ありがとうございます。
各ライダーの所属チームは、以前のチームで覚えていることが多くて、つい間違えてしまいます。
2025年シーズンも、また移籍した選手を間違えそう。また、教えていただけると助かります。