今シーズンのシクロクロスを見ていて疑問に思っていたことがある。
男子は1時間、女子は40分のレース時間だけど、INEOS Grenadiersのトム・ピドコックが途中でジェルを補給していることだ。
シクロクロスの開催される期間は冬場で寒いのでボトルをつける走る選手はいない。それなのに、女子選手のシリン・ファンアンローイもジェルを摂取しているのをレースで見かける。
何故、1時間のレースで補給をするのか調査してくれている記事があったので紹介。
ジェルを補給する選手は?
自分がレースを見ていて気付いたのは二人だけ。調査によると更に多くのライダーがジェルを摂取している。
- トム・ピドコック INEOS Grenadiers
- シリン・ファンアンローイ Trek-Segafredo
- ルシンダ・ブラント Trek-Segafredo
- パック・ピーテル Alpecin-Deceuninck
- ブランカ・カタバス TEAM SD WORX
- ダーン・ソエテ DESCHACHT-HENS-MAES
- ランダー・ロックス DESCHACHT-HENS-MAES
パック・ピーテルは、スーパープレスティージュ2022-2023第6戦ディーゲムから初めてジェルを摂取した理由を話ている。
「最近、ルシンダとシリンが何度かやっているのを見た。今日、トレーナーに電話して相談したんです。試してみることにした。ジェルを飲んだ後、身体的に良くなったというわけではなけいけど、精神的には良かったと思う。
その点では、(追走していた)シリンと比較しても、まったく不利ではないことがわかったので、助かりました。」
スタート前に飲む選手は
多くのライダーはレース中ではなくて、前に飲んでいる。
- デニス・ベッセマ
- マイケル・ファントーレンハウト
- ゾーイ・バクステッド
- クララ・ホンシガー
また、飲まないライダーもいる。
- ワウト・ファンアールト
- マチュー・ファンデルプール
Pauwels Sauzen-Bingoal、Alpecin-Deceuninck、Crelan-Fristadsのチームのライダーはジェルを飲まない。
Alpecin-Deceuninckの、トーン・ファンデボッシュはシクロクロスの時に飲まない理由を説明している。
「私見ですが、あまりアドバンテージにならないと思う。確かにやっている人は増えているけど、そんなゲルの効果はあまり大きくないような気がする。」
また、胃と腸がもたれるのでやらないという選手もいる。走りながら飲むのは、濃い味の場合難しいのでは。水も持っていないし。
私は、Meitan(メイタン) サイクルチャージを走る前に飲んでいたけど、結構味が凄かった。効きそうで気合が入る味だけど、全力で走るシクロクロスでは走りながらは厳しいかも。
ジェルの味や、濃度にもよるでしょうね。
ワウト・ファンアールトの栄養コーチの見解
糖分不足にならないようにする余分なエネルギーを得ること。クロスライダーとの会話から見えてくるのは、2つの動機だ。
Jumbo-Vismaの栄養士であり、ワウト・ファンアールトの栄養コーチでもあるMartijn Redegeldとの会話で、そのことが明らかになった。
「ライダーは、クロスの途中でお腹が空かないように、一種の保険としてやっているのだと思う。
しかし、クロス当日の計画をしっかり立て、そのために朝食をしっかりとり、その後もしっかり食事をとっていれば、ジェル1つで大きく変わることはないだろう。大きな付加価値をすぐに見出すことはできない。
平均的なジェルには、20~30gの炭水化物が含まれている。ヴァンアートのような大男が1時間のレースで消費する量と比べたら、たいしたことはない。ジェルが大きな計画の一部であるとすれば、それは何パーセントかの助けになる。
しかし、栄養面で詳細な計画を持っておらず、クロスの前に十分な食事をしていないライダーは、ジェルで救われることはない。」
しっかりと栄養管理していれば必要ないということか。ただ、エネルギーは消費しているし、これでエネルギー不足にならないのならば、精神的には良いだろう。
結論は?
Deschacht – Hens – Maesチームで走るランダー・ロックスはクロス中にジェルを摂取するライダーの一人。上記のInstagram動画から抜きとった写真では、走っていない時にもジェルを摂取している。
ランダー・ロックスは、ルーヴェンで栄養学を学んだ経験もあり、専門家でもある。
「クロスの時にジェルを飲むというのを2シーズン続けている。私にとっては、本当に助かっている。二連戦の場合は、余計に重要となる。土曜日にジェルを摂取すれば、日曜日に向けてより回復することができるんだ。」
ライダーや関係者との多くの会話から、本当の意味での結論が出にくいことを教えてくれる。さまざまな意見があり、主に個人の問題であることが印象的だ。
しかし、確かなことは、ジェルはハードな運動中に炭水化物を摂取するようトレーニングされていれば悪影響を及ぼさないということ。もちろん、その効果が大きいかどうかは別問題となる。
INEOS Grenadiersのトム・ピドコックが使っているのは、Science In Sport(SIS)のジェルだと思われる。チームが使っているので間違いないだろう。
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