世界一の逃げ屋として有名なトーマス・デヘント(Lotto Soudal)。
今年は、ジロ・デ・イタリアにツール・ド・フランス。
そして、ブエルタ・ア・エスパーニャにも参加しているので、3大グランツールを全て走ったことになる。
ブエルタの第13ステージを終わった時点で85レース。実にレースだけで13,026kmも走っているのだ。
その内、何キロを逃げについやしていることだろう。
今回のブエルタでも、第10ステージの個人タイムトライヤルでは7位に入っている。
だが、トーマスはベルギー代表として走れる力を持ちながら世界選手権は欠場するという。
トーマス・デヘントの走り
Coach Paul Van Den Bosch over Thomas De Gendt: “Kun je het mentaal nog aan om het WK te rijden? “https://t.co/wKtmEu8mdR #LaVuelta19 pic.twitter.com/ZBI7iyZMvc
— Sporza 🚴 (@sporza_koers) September 4, 2019
実は、記録を調べてみるとトーマス・デヘントは世界選手権にロードで出場したことはない。
一番最近でも、2013年にチームタイムトライヤルと個人タイムトライヤルに出場しているだけ。
ロードとなると、2008年にU23で出場してDNFとなっているのが唯一の記録なのだ。
「300キロの世界選手権でみたいものは何もない」
- 3つのグランドツアーで身体的に疲れている
- ブエルタ終了から14日間しかない
- 精神的な充足が出来ない
と分析している。
トーマス・デヘントの場合、完全休養で自転車から離れるということはほとんどないそうだ。
4~5日も休んでしまうと、その後の調子が戻ってこないからだという。
ツール・ド・フランスのあとも、ブエルタまで自転車に乗らなかったのは1日だけだというから驚きだ。
All smiles for @DeGendtThomas 😃 #TDF2019 pic.twitter.com/43oRoLQKbH
— Lotto Soudal (@Lotto_Soudal) July 27, 2019
トーマス・デヘントの場合、逃げて勝つというのが唯一の作戦だ。その場合、世界選手権のようなワンデイレースではチャンスが少ない。
グランツールのような長いステージレースで、彼のポイントでアタックをかけて逃げ切る。
Paul Van Den Boschコーチは次のようにコメントしている。
「トーマスにとって、勝つチャンスは、これらの大規模なツアーや他のステージレースにあります。彼は1日のレースでは輝きません。
彼が3つのツアーに乗ると、すぐに3つのチャンスがあります」
ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスでは、カレブ・ユアンのために平地で献身的にアシストをした。
ツール・ド・フランスでは1勝を上げたが、ブエルタではまだ逃げに成功していない。
だが、トーマス・デヘントはまだ空っぽではない。これから逃げを見せてくれるはずだ。
トーマス・デヘントが後ろとの差を計算しながら、わずかな差で逃げ切る。そんなゴールシーンを見たいのは私だけではないはず。
世界一の逃げ屋の走りに期待したいと思います。
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