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スーパータックの禁止により専門家はレースが遅くなり刺激が少なくなると言う

機材情報
Image by JackieLou DL from Pixabay
この記事は約5分で読めます。

UCIが4月1日から、スーパータックの禁止に肘をハンドルにおいて走るタイムトライヤルポジションも禁止したことにより、多くのプロライダーは不満を漏らしている。

中には、ダン・マーティンのように事故が起こる前に対処して良かったという意見もあるけど。

このスーパータックポジションと肘をハンドルにおくTTポジションの禁止により、どれくらい空気抵抗が変わるのか、レースがどう変わるのか専門家が意見しているので聞いてみよう。

 

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ポジションの違いによる空気抵抗の差

まず最初にポジションの違いによる差を見てみることに

photo Jean-Paul Ballard

 

代表的な4つのポジションで空気抵抗の値を比べている。

比べる元となるのは4のブラケットに手をおいて腕を伸ばして乗るポジション。もっともリラックスして乗る場合だ。

  1. ドロップバーを持ち、腕は半分曲げる
  2. ブラケットを握り、腕は完全に曲げる
  3. 肘をハンドルに置き手はハンドルを握らない(禁止)
  4. ブラケットを握り、腕は水平に伸ばす

 

参考記事によると4番は空力的自殺と表現されている。私は、常にこのポジションなので走りながら死んでいるのか?

 

平地の場合のポジションによるパワーの違い

ポジション CdA 40km/h 50km/h 60km/h 70km/h
手はドロップで、腕はストレート(4) 0.260 211w 412w 713w 1132w
手はドロップで半分曲がった腕 (1) 0.246 200w 390w 674w 1071w
手はブラケット、腕は水平 (2) 0.244 198w 387w 669w 1062w
肘をハンドルTTポジション(3) 0.231 188w 366w 633w 1005w

※スマホの場合には指で横にスワイプしてください。

 

平地の場合には、肘をハンドルに乗せて走ると5%程度速いことがわかる。

それでも、40km/hで走っていた場合には10w節約できる。だが、これは10分間逃げている場合に換算すると5~6%エネルギーを節約できる計算となる。

CdAの値は、抗力係数に正面の表面積を掛けたもので、他の全ての条件が同じであれば、抗力がすくないとぼ速度が速くなる。

 

下りの場合のポジションによるパワーの違い

ポジション CdA 40km/h 50km/h 60km/h 70km/h
手はドロップで完全に曲がった腕 (1) 0.225 183w 357w 617w 979w
スーパータック 0.194 158w 308w 532w 844w

 

下りの場合には、スーパータックが数値の上からも見てわかる通り一目瞭然で効果があることがわかる。

例えば60km/hで下った場合には、85ワットもの違いがある。70km/hでは135ワットの違い。これは大きな差だ。

10km下った場合には、70km/hならば30秒のアドバンテージが出来ることになる。スーパータックが禁止になった場合……

 

Chris Froome - Epic descent / descente - Stage / Étape 8 - Tour de France 2016
Plus d'informations sur :www.letour.fr Officiel : #TD...

 

2016年ツール・ド・フランスの第8ステージでクリス・フルームがみせた逃げも計算によると逃げ切れなかったことになる。2位のダン・マーティンとのタイム差は13秒しかないのだから。

 

下りに特化した風洞実験結果については以下の記事も参考までに。

 

 

レース展開が面白くなくなる

 

身体が受ける風の抵抗の割合は以下の通り。

 

身体の空気抵抗の割合は
  • 足 50%
  • 腕 25%
  • 頭 15%
  • 胴体 10%

空気をかき乱す足は全体の50%、腕は25%を占めている。頭部が約15%であることを考えると、胴体には10%が残る。

肘をハンドルにおくTTポジションの場合には、小さくまとまることによって上半身の空気抵抗を少なくしてくれる。

フラットなコースでは、最も低い空気抵抗で走ることは逃げ切るための重要なファクターとなる。

だが、肘をハンドルに置くTTポジションを禁止することは、より高い抗力をもたらすことになり、その結果、逃げられる距離を制限することになる。

前腕を水平にして手をフードの上に乗せる2番目のベストポジションと直接比較した場合、CdAには約5パーセントの差がある。

単純に言うと5%逃げれる距離が減る可能性があるということだ。

スピードが増すにつれて、抗力は増加するためそのインパクトは更に大きくなる。見る側としては、逃げ切れるか、どうかをハラハラしながらみている。

後ろに集団が迫りながら、ギリギリで逃げ切る姿を期待しているのだ。これが見られる可能性が減るというのは面白みがなくなるということに繋がる。

ロードレースの興奮は、間違いなく戦術と離脱から来ている。これを取り除けば、レースはそれほど刺激的ではなく、つまらなくなる。

TTポジションの禁止は場合によってはファンの離脱も加速する可能性もある。

 

コメント

  1. からから より:

    レース展開が面白くなくなるか、というと、5%の差が発生するのは追走がスーパータックしない時だけ。追いつく気のある選手はするでしょ?だからポジションの制限でレース展開の違いは生まれないと思います。それにレースファンは、選手が命の危険に身を晒すことを期待しているわけではありません。いざという時にバイクコントロールできない乗り方は禁止されるのが妥当だと思います。TTバイクの練習中の路上事故問題も同様。自損事故だからまだ見逃されていますが。ちなみに私はサイクリングロードでTTバイクに引っ掛けられたことがあります。

    • ちゃん より:

      TTバイクに引っ掛けられるというのは、嫌ですね。たまに、車が通っている道路でTTポジションを取る人もみかけますけど、あぶないですよね。
      フルームのいうように、ロードバイクだけにするといいかもしれないけど、そうすると技術の進歩もなくなる。
      難しい問題ですね。

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