ブエルタ第2週の最終日は魔の山アングリルで締めくくられる。
アングリルは今回で8回目の登場。1999年に初めて登場して以来、幾多の名勝負を繰り広げてきた。
2017年には、ブエルタで引退するアルベルト・コンタドールが、クリス・フルームとワウト・プールスに追いつかれることなくステージ優勝している。
2日連続の登りゴールで総合勢は大きくタイム差がついてきそうだ。
第12ステージ ポラ・デ・ラビアナ~アングリル 109.4㎞
距離は109.4kmと短いが、詰め込まれた山岳は3級山岳2つに、1級山岳が2つ。最後は超級山岳アングリルで締めくくられる。
ライダーは340mから1575mの標高まで、12.5kmの距離を登る。ゴール手前6kmから急激に勾配はきつくなる。
ゴール手前2kmにある最大勾配は23.5%。ここで最後に残っているライダーが今年の優勝者を争うライダーとなるだろう。
間違いなく、少人数の総合勢しか残っていないはずだ。
20人の逃げ
上はニュートラルでの様子。今日間違いなく競い合う、プリモシュ・ログリッチとダン・マーティン。
ログリッチが総合とポイント賞トップだが、2位のダン・マーティンがポイント賞ジャージを着ている。
スタートから数人が飛び出したが決まったのは2人。
- 97. アントニー・ルー(Anthony Roux)Groupama-FDJ
- 106. ユリウス・ファンデンベルヒ(Julius van den Berg)EF Pro Cycling
後ろからも追走が、かかっているので合流するかもしれない。
残り89kmで後ろから合流が追いつく。20人という大集団となる。
先頭集団は3級山岳 Alto del Padrunを登る。6.6%勾配で3.5km。逃げには、イネオスのキャメロン・ワーフも入っている。
何故、貴重なアシストをイネオスは逃げに送り込むのか良くわからない。
メイン集団はユンボ・ヴィズマが全員で牽引。残り81.1kmで1分50秒のタイム差。
3級山岳はギヨーム・マルタンが1位通過で3ポイント追加で53ポイントとなる。最後尾は、スペインチャンピオンジャージのルイスレオン・サンチェス。
逃げ集団には、コフィディスからピエールリュック・ペリション(Pierre-Luc Périchon)も入っている。ギヨーム・マルタンのアシストと言った感じか。
ユンボ・ヴィズマはポール・マルテンス(MARTENS Paul)がずっと先頭を引いている。
2つ目の3級山岳もギヨーム・マルタンがトッブ通過。中継映像はなし。
1級山岳頂上手前になり、ギヨーム・マルタンが再び先頭に立ってトップ通過を果たした。
通過場面は上空からの映像で、チームメイトのピエールリュック・ペリションにアシストして貰っていた。
メイン集団とは1分35秒のタイム差。このタイム差では逃げきれないだろう。
先頭は下りから4人が逃げている。
- 97. アントニー・ルー(Anthony Roux)Groupama-FDJ
- 151. ギヨーム・マルタン(Guillaume Martin)Cofidis, Solutions Crédits
- 158. ピエールリュック・ペリション(Pierre-Luc Périchon)Cofidis, Solutions Crédits
- 211. アルヘル・マドラソ(Ángel Madrazo)Burgos-BH
後続とは17秒くらいのタイム差なので追いつかれるのでは。
モビスターが引き始めて、一気にタイムが縮まってくる。残り29.4kmで43秒のタイム差。
先頭の4人は後続につかまり、13人の逃げとなる。
ルイスレオン・サンチェスとマティア・カッタネオ(Deceuninck-Quick-Step)が2人で抜け出す。
ギヨーム・マルタンは3番手で前の二人を追っている。山岳ポイントが必要なので、このまま追走するだろう。
ギヨーム・マルタンは1級山岳頂上手前1.2kmで二人に追いつく。
フルームの牽引
クリス・フルームが頂上手前1km付近からリチャル・カラパスを引いて先頭を引く。一時は10m近い差をつける。
セップ・クスとジョージ・ベネットがフルームに並びかけるが、フルームはダンシングで加速!
フルームの加速で先頭とは一気に26秒まで縮まる。
先頭の3人は1級山岳を通過。
ギヨーム・マルタンが、ここまでの山岳ポイントを全て1位追加。今日だけで26ポイント追加で断トツの76ポイントとなる。
アングリルの戦い
先頭の3人は最後の超級山岳の登りに入る。後続とは26秒のタイム差しかない。
メイン集団はユンボ・ヴィズマのポール・マルテンスが引く。ユンボはまだ6人いるが、イネオスはフルームとカラパスの2人だけだ。
先頭の3人はラスト10.5kmで捕まる。
クリス・フルームはラスト10.3kmでドロップ。集団の後ろで走っている。カラパスは丸裸だ。
ついにゴール前のきつい勾配に入ってきた。すでに集団は20人以下。
ラスト6キロで先頭は11人。ついに絞られてきた。
こちらのツイートは6km付近の映像
🏁 -6 km | Etapa 12 – Stage 12 | #LaVuelta20
🇪🇸 @JumboVismaRoad controla el grupo de favoritos en L’Angliru
🇬🇧 The leader’s team is controlling the climb👉https://t.co/zqaO4Bw62K pic.twitter.com/tQJE3HIhr1
— La Vuelta (@lavuelta) November 1, 2020
先頭は、ずっとヨナス・ヴィンゲゴーが引いている。
ワウト・プールスがドロップして9人。カラパスはずっと最後尾にいるが大丈夫なのか?
エンリク・マスがラスト3.5kmでアタック!
アルベルト・コンタドールの後継者と言われた男がアングリルで爆発か。
18%勾配でダン・マーティンが危ない。だが、ダン・マーティンは軽いギアでクルクル回して最後尾に追いつく。
エンリク・マスが少し抜けている。後ろはヒュー・カーシーからセップクスに変わる。
カラパスはずっとログリッチをマークだ。
おっと、ログリッチが遅れたので、カラパスがスパートしてエンリク・マスに追いつく。後ろにはヒュー・カーシーもついている。
セップ・クスが後ろに下がりログリッチをアシスト。ログリッチは、かなりキツソウだ。たびたび、セップ・クスが後ろを振り返りペースを落として調整している。
ラスト1.4kmでヒュー・カーシーがアタック。エンリク・マスとアレクサンドル・ウラソフを引き離す。カラパスは4番手。
ヒュー・カーシーはそのまま逃げ切り。後続に16秒ものタイム差をつけダン・マーティンを抜いて総合3位に浮上した。
プリモシュ・ログリッチはこのステージ5位。トップと26秒のタイム差がつく。もし、セップ・クスがいなければもっと遅れていたはずだ。
これでカラパスが10秒リードしてマイヨロホに返り咲きとなった。
リースリザルト
第12ステージリザルト
Rnk | Rider | Team | Time |
---|---|---|---|
1 | Carthy Hugh | EF Pro Cycling | 3:08:40 |
2 | Vlasov Aleksandr | Astana Pro Team | 0:16 |
3 | Mas Enric | Movistar Team | ,, |
4 | Carapaz Richard | INEOS Grenadiers | ,, |
5 | Roglič Primož | Team Jumbo-Visma | 0:26 |
6 | Kuss Sepp | Team Jumbo-Visma | ,, |
7 | Martin Dan | Israel Start-Up Nation | ,, |
8 | Poels Wout | Bahrain – McLaren | 1:35 |
9 | Woods Michael | EF Pro Cycling | ,, |
10 | Großschartner Felix | BORA – hansgrohe | 2:15 |
総合
Rnk | Prev | ▼▲ | Rider | Team | Time |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | ▲1 | CARAPAZ Richard | INEOS Grenadiers | 48:29:27 |
2 | 1 | ▼1 | ROGLIČ Primož | Team Jumbo-Visma | 0:10 |
3 | 4 | ▲1 | CARTHY Hugh | EF Pro Cycling | 0:32 |
4 | 3 | ▼1 | MARTIN Dan | Israel Start-Up Nation | 0:35 |
5 | 5 | – | MAS Enric | Movistar Team | 1:50 |
6 | 9 | ▲3 | POELS Wout | Bahrain – McLaren | 5:13 |
7 | 7 | – | GROSSSCHARTNE Felix | BORA – hansgrohe | 5:30 |
8 | 8 | – | VALVERDE Alejandro | Movistar Team | 6:22 |
9 | 15 | ▲6 | VLASOV Aleksandr | Astana Pro Team | 6:41 |
10 | 10 | – | NIEVE Mikel | Mitchelton-Scott | 6:42 |
ワウト・プールスが6位に浮上。アレクサンドル・ウラソフは一気に15位からトップ10入りを果たす。
ポイント賞
Rnk | Prev | ▼▲ | Rider | Team | Pnt |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | – | Roglič Primož | Team Jumbo-Visma | 147 |
2 | 3 | ▲1 | Carapaz Richard | INEOS Grenadiers | 104 |
3 | 2 | ▼1 | Martin Dan | Israel Start-Up Nation | 100 |
4 | 7 | ▲3 | Carthy Hugh | EF Pro Cycling | 75 |
5 | 4 | ▼1 | Martin Guillaume | Cofidis, Solutions Crédits | 74 |
6 | 8 | ▲2 | Mas Enric | Movistar Team | 66 |
7 | 5 | ▼2 | Großschartner Felix | BORA – hansgrohe | 60 |
8 | 15 | ▲7 | Vlasov Aleksandr | Astana Pro Team | 57 |
9 | 6 | ▼3 | Soler Marc | Movistar Team | 53 |
10 | 9 | ▼1 | Woods Michael | EF Pro Cycling | 52 |
ヤングライダー賞
Rnk | Prev | ▼▲ | Rider | Team | Time |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | – | Mas Enric | Movistar Team | 48:31:17 |
2 | 3 | ▲1 | Vlasov Aleksandr | Astana Pro Team | 4:51 |
3 | 2 | ▼1 | Gaudu David | Groupama – FDJ | 6:37 |
4 | 4 | – | Zimmermann Georg | CCC Team | 32:59 |
5 | 6 | ▲1 | Goossens Kobe | Lotto Soudal | 41:14 |
6 | 5 | ▼1 | Mäder Gino | NTT Pro Cycling | 42:08 |
7 | 7 | – | Barta Will | CCC Team | 42:30 |
8 | 8 | – | Champoussin Clément | AG2R La Mondiale | 1:09:47 |
9 | 11 | ▲2 | Bagioli Andrea | Deceuninck – Quick Step | 1:12:25 |
10 | 10 | – | López Juan Pedro | Trek – Segafredo | 1:15:17 |
山岳賞
Rnk | Prev | ▼▲ | Rider | Team | Pnt |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | – | Martin Guillaume | Cofidis, Solutions Crédits | 76 |
2 | 3 | ▲1 | Carapaz Richard | INEOS Grenadiers | 30 |
3 | 2 | ▼1 | Kuss Sepp | Team Jumbo-Visma | 27 |
4 | 4 | – | Wellens Tim | Lotto Soudal | 22 |
5 | 34 | ▲29 | Carthy Hugh | EF Pro Cycling | 21 |
6 | 6 | – | Roglič Primož | Team Jumbo-Visma | 21 |
7 | 5 | ▼2 | Martin Dan | Israel Start-Up Nation | 20 |
8 | 26 | ▲18 | Vlasov Aleksandr | Astana Pro Team | 18 |
9 | 7 | ▼2 | Storer Michael | Team Sunweb | 17 |
10 | 8 | ▼2 | Woods Michael | EF Pro Cycling | 16 |
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