アマチュアライダーのほとんどが、週に25時間も山でペダルを漕いでいるプロのようにトレーニングをする時間はない。
バイク通勤している人ならば、通勤往復で2時間近く走れる人もいるだろう。
だが、大抵の人は、仕事や家族がありトレーニングばかりしている時間はない。一日30分から60分くらい乗れて、週末に数時間ライドすることがほとんどだろう。
それでも、週10時間以上乗れる人は少ないはず。では、週に10時間未満ではFTPは向上しないのだろうか?
研究では、きちんとしたトレーニング計画を立て、一貫性を保ち、質の高いインターバルに焦点を当てれば、週に10時間未満のトレーニングで本格的なFTPを向上させることができると言う。
研究結果の報告を見てみよう。
トレーニングカレンダー
構造化されたトレーニング計画に従うアスリートは、他の様々なトレーニングプロトコルよりも、スポーツでの目標を達成し、より大きなフィットネスの向上を見る可能性が高くなる。
目標を設定することで、ふわふわした気持ちを切り取り、自分の人生やトレーニングにとって最も重要なことに集中することができるようになる。
構造化された計画や目標がなければ、トレーニングをすることは大変なことであり、ストレスになり、圧倒されることになる。
もちろん、私たちの多くは単に乗るのが好きだからというだけで乗っているけど、トレーニングやレース、高強度のトレーニングは、心と体に異なるストレスを与える。
トレーニング量の少ないトレーニングプランを強いられていると、目標を達成するのに十分なトレーニング時間がないかのように、無力感に襲われることがある。
目標達成への道を歩むための構造化されたトレーニングプランの作成を始めることが必要だろう。
目標設定は、私たちがアスリートとして持っている最も重要な心理的なツールの一つであり、多くの場合、スポーツでの成功と失敗の違いの要因になることがある。
心理学のオックスフォード研究百科事典の論文は、スポーツ全体の目標設定に関連する研究を検討し、
目標設定は、スポーツ選手のパフォーマンスとスポーツの中での経験を向上させることができる重要かつ貴重なプロセスである。
と結論づけている。
FTPを向上させたいならば、まずは目標を設定することだ。
一貫性が鍵
フィットネスの目標、減量、その他多くのライフスタイルの変化に関しては、一貫性を保つことが大切。
一日くらい、ダイエットやトレーニングプログラムを脱線させても問題はないけど、一週間以上かけ離れたプログラムを行うと、確かにいくつかのダメージを受けることになってしまう。
アスリートは、少しの計画性と一貫性を利用することで、大容量のトレーニング計画と比較して、低容量のトレーニング計画でもフィットネスのピークレベルを維持することができる。
2014年の研究では、トレーニングを受けたサイクリストの2つのグループを8週間の低負荷トレーニング期間中に追跡調査し、週に7時間のトレーニングを実施した。
さらに興味深いのは、最初の8週間のトレーニング期間の後、HIT と LIT の両グループは、次のシーズンに備えて 16週間の同じトレーニングを行えたということ。
そして最終的には、乳酸閾値でのパフォーマンスでは、LIT群はHIT群に追いつくことはなかった。
疲労、オーバートレーニング、バーンアウト、燃え尽き症候群については、多くのことが言われている。
だが、この研究を見てみると、HITグループは7~10日に1回の高強度トレーニングセッションを行っていたが、1~2週間に1回のハードインターバルセッションを低負荷トレーニングプログラムに組み込むことがいかに簡単かがわかる。
無理な計画を立てなくても良いということだ。
質の高いインターバルトレーニング
週に1回だけの高強度インターバルセッションでは、完璧なワークアウトを選ぶことがプレッシャーになるかもしれない。
しかし、それは思っているほど複雑ではない。
高強度インターバルトレーニング(HIIT)の目標は、心拍数を取得し、足の乳酸のレベルを増加させ、60分以内に良いトレーニングを行うこと。
HIITトレーニングはいくらでもあるが、少量のトレーニングプランでフィットネスを向上させる場合、量よりもはるかに重要なのは各ワークアウトの質となる。
スティーブン・サイラー博士は、近年、運動生理学のコミュニティで大きな声を上げており、彼が行ったサイクリングに関する研究は、世界中の何百万人もの人々の注目を集めている。
彼が取り組んだ興味深い研究の一つに、12週間のトレーニングプログラムで、強度と期間を変えて高強度のインターバルを行ったものがある。
この研究では、63人のサイクリストを対象に、4分×4、8分×4、16分×4を含む様々な構造化されたHIITセッションを実施し、各高強度インターバルの間に2分間の休息時間を設けた。
インターバルが4分、8分、16分のいずれであっても、2分という時間はサイクリストが各インターバルを通じてパフォーマンスレベルを維持できる程度に完全に回復するのに十分な時間だと言う。
12週間のトレーニング期間後には「40分間のオールアウトトライアル中の平均パワー、ピークパワー出力、および介入後のVO2ピークで5~10パーセントの改善」が見られた。
特にボリュームの少ないトレーニングプランでは、各ワークアウトの詳細は、トレーニングへのコミットメント、各インターバルの実行、数ヶ月間のスパンでの一貫性ほど重要ではない。
まず、過去のパフォーマンスを分析し、各インターバルでどのような強度(ワット数、最大心拍数の割合など)を目標にするべきかを考える。
あくまで、個人で強度は違うのできちんと計画を立てないといけない。
これらの数字を目標にして、各インターバルで一貫性を保とう。高強度のインターバルセッションを最大限に活用するために最大心拍数に達する必要はない。
つまり、全開で行う必要はないのだ。
全体的なフィットネスを維持するために、あるいは改善するために、週に3回のHIITセッションで自分自身を押しつぶす必要はないということだ。
計画を持ち、それに固執し、週に一度は質の高いインターバルセッションに集中して、低容量のトレーニング計画で体調を整えよう。
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