世界選手権やオリンピックではレースで無線が使われない。
今回の男子エリートでも、無線がないことでライダーは何を目指してスプリントしているのかわからない状態で走っていた。
これについて、タデイ・ポガチャルもワウト・ファンアールトも、困ったとコメントしている。
特に、ワウト・ファンアールトはレムコが独走していることを知らずに、マウントプレザントで追走の一番手でアタックをかけていたほどだ。無線があればチームメイトが逃げているのに追うことなんてしない。
今回、UCIはタイム表示について誤りがあったことを認めている。今後の改善はあるのだろうか?
タイム表示の方法
UCI admits time gap communication failings at World Championships https://t.co/5bMaTZhLST
— Cyclingnews (@Cyclingnewsfeed) September 28, 2022
レース映像では、モトバイクの掲げるタイム表示のボードまでは映されることがない。上記の写真をみると、レムコが逃げているという表示を掲げているだけ。
全てのモトバイクの表示がこんな感じではなかったのだけど。一部はこんな表示だった。
通常のレースでも、普通はタイム差を逃げている先頭集団のライダーに伝えるのだけど、これではレースの状況なんてわかるはずもない。
エリート男子でレムコ・エヴェネプールが独走で優勝した後、選手たちは自分がどこを目指してスプリントしているのか見当もつかないと不満を漏らした。
マイケル・マシューズも、銅メダルを獲得したことを、終了後数分経ってから知ったと。
ゴール後のコメントでは
「私たちはプロトンの中で話していたけど、誰かがどこにいるか正確にわからなかったので、何のためにレースをしていたのかわからなかった。
私たちは単にスプリントするだけだった。レースの最後の500mでも、トップ10を目指して全力疾走すらしていないのではないかと考えていた。
だけど、フランス人アシストがクリストフ・ラポルトのために並んでいるのに気づき、その後ろに飛び乗って、ダッシュ内で自分の役割を果たした。」
みんな、知らずにゴールスプリントをしていた訳だ。
UCIは改善するのか?
UCIのディレクターは、タイムボードの不具合を学習になったと認めている。
今後のレースでは、より熟練したタイムボードオペレーターや別のコミュニケーション手段を探すかもしれないと述べている。
具体的には
- UCI内部でタイム表示について専門知識を持った人を採用
- フィードゾーンにデジタル表示器を設置
今回、モトバイクでレースをアシストしてくれたライダーは、地元オーストラリアの人だろう。欧州のようにレースに慣れている人達ではなかったことは考慮しないといけない。
しかし、タイム表示などはUCIの運営側が指導しないといけないはずだ。
UCIは、あくまでクローズドサーキットの場合には、安全上のリスクは回避できるので、今後も無線を使うことは考えていないとしている。
現在のUCI会長、ダヴィド・ラパルティアン(David Lappartient)も、短期的には無線を使うことに賛成していないので、今後も変わることはなさそうだ。
それならば、もう少しタイムボードの改善をするべきだろう。来年の世界選手権で改善されているのか、確認してみる必要がありそうだ。
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