レムコ・エヴェネプールが帰国の途についた。
レムコは、第9ステージのタイムトライヤルが終わって3時間後の夕方に、コロナ検査で陽性反応を示している。
月曜日の朝、車でベルギーへの帰国の長旅を開始している。別れの席で、レムコはもちろんマスクをつけていたが、それでも彼の落胆ぶりは明らかだった。
静かに去る
Heal up, champ 💪
We and the #Giro are going to miss you, but we’re sure more opportunities to show yourself will come sooner or later!
Photo: @BeelWout pic.twitter.com/Hm24r5tAcL
— Soudal Quick-Step Pro Cycling Team (@soudalquickstep) May 15, 2023
チームプレスからの報告は
「我々は、選手、チーム、そしてレースのためにこの決断を下した。チームやジロでこれ以上ウイルスが広がるのをすぐに止めたかったのです。」
一方、チームのボスであるパトリック・ルフェーヴルは、レムコの撤退に対する静かな批判にツイッターで反論した。
「これで全て説明がつく。私たちはあなたの回復を祈っている。それと、誰もがプライバシーを尊重してくれることを願っている。彼はもっと強くなって戻ってくるだろう。ありがとう、レムコ・エヴェネプール。
何が起きているのかは実際には、わからない。これは午前9時から午後5時までの仕事ではない。リスクはない 。だが、皮膚の下で何が起こっているかは決して分からない。」
努力が水の泡に
Soudal – Quick Stepでは、明確なルールがある。コロナ陽性となった場合には、すぐにライダーはレースから外れるということだ。
これは各チームで判断がわかれる。例えば、2022ブエルタ・ア・エスパーニャで総合3位となったフアン・アユソーは軽微なコロナの症状があった。
また、現在Intermarché – Wanty – Gobert Matériauxのスヴェンエリック・ビストラムはコロナ陽性反応でも走っている。
では、次の世界チャンピオンの目標は何だろう?
多くの人が最初に考えるのは、レムコのツール・ド・フランス・デビューが来年ではなく、今年になるのではないかということだ。それは論理的なステップのように思える。
コロナのため、レムコは数日間休養するだけだ。7月1日まで、ジロのために用意された基礎の上に、新たなフォームを構築するのに十分な時間がある。
もし、計画変更しないならば、ジロのために何度もトレーニングキャンプを行い、テネリフェ島のテイデ山で極度の孤独を味わったとはいえ、シーズンの大部分を目立ったハイライトもなく過ごすことになる。
この数カ月間の努力は決して無駄にはならないが、それでもまだ使われることはないだろう。
ツールから世界選手権
World Champion and #Giro maglia rosa @EvenepoelRemco is out of the race after testing positive to Covid-19. pic.twitter.com/FK0B1cnvTT
— Soudal Quick-Step Pro Cycling Team (@soudalquickstep) May 14, 2023
ツール出場の可能性の決め手となるのは、8月のグラスゴーでの世界選手権だろう。
そこでレムコは、タイトルを守りたいと考えている。しかし、ここで問題となるのは、今年の日程となる。
- ツール・ド・フランス 7月1~7月27日
- 世界選手権ロード 8月6日
- 世界選手権個人タイムトライヤル 8月11日
- ブエルタ・ア・エスパーニャ 8月26日~9月27日
上記が今年の日程だけど、今年の世界選手権は昨年とは違い、ツールとブエルタの中間に時期が移動している。
ツール・ド・フランスの総合を狙って3週間全力で走ったあとに、13日間のインターバルで世界選手権を連覇するのは難しいだろう。
まあ、2022年もブエルタが終わって、1週間で世界選手権TTに出ているし、その1週間後にはロードで勝ってはいるのだけど。ただ、それよりも日程はかなり厳しい。
それと、レムコがツール出場となると、スプリンターが勝利を得ることはなくなる。
Soudal – Quick Stepはファビオ・ヤコブセンかティム・メルリエが出場となるだろうけど、それがなくなるのは酷だ。メンバーも大幅に入れ替えないといけなくなる。
レムコの力ならば、世界選手権連覇、もしくはTTとロードの2冠を狙って、ブエルタで連覇を目指すというパターンが正解かもしれない。
ただ、ブエルタに出場するのかは、また別の問題となる。今しばらく、レムコのスケジュールが決まるのを待たないといけないだろう。
コメント
有力な山岳アシストの大半がジロに出場した以上、ユンボやUAEのチーム力には敵わないですし、ツールで総合優勝は難しいでしょうね。
例年通りクイックステップはスプリンター(メルリエかヤコブセン)をエースに据えてレムコはブエルタ連覇狙いか、ツールに出場したとしてもステージ優勝狙いやスプリンターのアシストを務めつつ世界選手権に向けた調整をするのが正解な気がします。
ですよね~。タデイ・ポガチャル以外にも、ヨナス・ヴィンゲコーとも戦わないといけない。
やはり、2024ツール・ド・フランス参戦で、タデイ・ポガチャルとヨナス・ヴィンゲコーと対決するというのがいいようですね。
世界選手権連覇に、TTも狙うでしょうね。