イギリスの老舗ブランドRaleigh(以下ローリー)は1885年に創業。
ローリーは1980年にTi-Raleigh-Credaチームが乗っていたバイクをレプリカとして忠実に再現した。
1980年といえば、ベルナール・イノーが膝のケガでツールの優勝を逃した年。この年優勝したのが、ヨープ・ズートメルク(Joop Zoetemelk)。
ズートメルクがツール・ド・フランスで優勝して40周年となることを記念して作られたのがTI-Raleigh 40th Anniversary Edition。TIは、ローリーの当時の親会社であるTube Investmentsの略だ。
ヨープ・ズートメルク
1980年時代は、ベルナール・イノーの全盛期の頃で5回のツール制覇を果たしている。
ヨープ・ズートメルクもこの時代に活躍し、ツールとブエルタを1回制覇。ツールのステージ優勝は10回。1985世界チャンピオンも獲得している。
ツールには7回出場したが、そのうち5回は2位。イノーがいたからだ。
ヨープ・ズートメルクは、1979ツール最終日には優勝の決まっているベルナール・イノーと2人で逃げたこともある。ゴールはイノーが勝っているけど。
今なら、最終日に優勝の決まっている選手が逃げるなんて考えれないこと。シャンパンで乾杯なんてやってられないですね(^^;
1980ツールもベルナール・イノーが膝を壊して13ステージでリタイヤしていなければ、彼が優勝していたことだろう。
それだけ、この時代のツール制覇は難しいものだった。だからこそ40周年記念としてレプリカ販売となったのだ。
TI-Raleigh 40th Anniversary Edition
スチールバイクのフレームは限りなく細い。カーボン全盛の今では考えられないボリュームのなさだ。
フレームは、ろう付けされたラグを使用して異なるチューブを結合するフルレイノルズ753カスタムチューブから構築されている。
レイノルズ753チューブは、1976年に正式に導入され、自転車のチュービングに使用される熱処理鋼の最初の例であり、バイクの剛性と強度が大幅に向上している。
特徴的なのは今では見られなくなったブレーキワイヤーの目立つこと。この時代ならではだ。
53/39クランクセットと13-29tカセットを使用して、ゴージャスなシルバーカラーの10スピードCampagnolo Veloceグループセットを使用。
実際には、ヨープ・ズートメルクはもっと大きなギアを使っていたはず。リアが13なんて使わないだろう。
Dia-Compeブレーキレバーには天然ゴム製のフードが付いている。
Cinella 1Aステムはクラシックな形状。1ボルトで締結されてますね。昔はこれでもパワーを受け止められていたのでしょう。
ハンドルバーはCinelliを使用。
Mavic Open Pro Cホイールで23Cのクリンチャータイヤ。ホイールのデカールはちゃんと昔のものを貼ってある。ブレーキもCampagnoloだ。
チェンジはダブルレバーで行う。これを知っている人のほうが少ないのでは。ダウンチューブのデカールも忠実に再現。
このレプリカバイクの販売は9月1日から。
TI-Raleighの価格は£2,500(約34万円)。フレーム価格は£1,500(約20万円)となっている。
9月1日の販売日には、ヨープ・ズートメルクとの独占インタビュー、TI-Raleigh 40th Anniversary Edition自転車の開梱、質問と回答を含むお祝いのオンラインイベントも開かれる。
カーボン全盛の時代に、このバイクで走ったら逆に目立って良いかも。
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