UCIが発表した安全対策の中でスーパータックの禁止については、多くのライダーが反応している。
レースにおけるライダーの安全性を向上させようとするUCIの試みを歓迎する一方で、ミハウ・クフィアトコフスキ(Ineos Grenadiers)は、4月1日からワールドツアーのレースでスーパータックを禁止することに反対している。
多くのライダーが反対
So just before the stage I was answering questions about riding on the top tube. Please @UCI_cycling think about the real risks, like oil on the road today. Don’t blame us for causing crashes. There is so much to do on safety and organization side of cycling… @Etoile_Besseges pic.twitter.com/3SV3dmOyDF
— Michał Kwiatkowski (@kwiato) February 5, 2021
ミハウ・クフィアトコフスキはツイッターでレースの前にスーパータック禁止について意見を述べたと語っている。
彼がレースに前に言った言葉は
それはライダーにクラッシュの責任を負わせるための方法に過ぎない。交通安全の改善やバリアの設置など、他にもやるべきことはたくさんある。
でもトップチューブに乗るのは?申し訳ないが、それは賛成できない。今、トップチューブでの走行を禁止したら、来年は勝利を祝うために手を上げることも禁止になるだろう。
速度制限とかそういうものが導入されるだろうね。彼らはレースの組織的な側面にもっと焦点を当てるべきだと思う。
最もな意見だ。
当然、ミハウ・クフィアトコフスキはスーパータックを無条件に認めている訳ではない。特定の状況では危険であることも認めている。
集団の真ん中でそれをするならば、明らかに危険だ。しかし、時速60km/hで走っている時に集団の真ん中でボトルの水を飲むことも危険なことだ。
でも、それは僕らがやらなければならないことのひとつで、トップチューブに乗ることも別の方法の一つだ。僕らがそれをするのを止めるべきではないと思う。
下りになると、誰もがしているという訳ではないし、当然集団の真ん中でするライダーもいない。常識を持ってやっているということだ。
また、イネオスのチームメイトのトム・ピドコックは簡潔に、「馬鹿げている。愚かだ。」とコメント。
This is stupid https://t.co/muzcilaWxU
— Tom Pidcock (@Tompid) February 5, 2021
ほんと、ほかにあるだろうという感じですね。
ミハウ・クフィアトコフスキは、追加のツイートではソックスの長さを測定するのも同じだと言っている。やってられないねと。
追記
コメント欄でいただいた意見では、ツールド沖縄やニセコで先頭集団に復帰するためにスーパータックを使う選手もいるようだ。下りで使うと80km/hを越えるので、そのまま前の選手を抜いたりする人もいる。これは危険なので、レースでの禁止は賛成という声もある。
本当にその通りで、危険を顧みずに使うことは良くないと思う。事故がホビーレースで起こっていないのが幸いだ。
これも禁止になる?
🔥 ¡GIGANTE Tim Wellens! #EDB2021
🚴 El corredor belga del @Lotto_Soudal se escapó en solitario y se llevó la victoria en la tercera etapa del @Etoile_Besseges-Tour du Gard
💥 https://t.co/wgAVMDSNo2 pic.twitter.com/KFtAjPnjwB
— Teledeporte (@teledeporte) February 5, 2021
スーパータックが禁止になるならば、昨日のレースでティム・ウェレンスが見せていたハンドルバーに肘を置いて走るスタイルも禁止になるかも。
今回の規制では、このスタイルについては全く触れられていない。こちらのほうが、ブレーキも握っていないし、路面の状況によっては肘が跳ねることも十分考えられる。
そのうちに、禁止と言われ出すかもしれないですね。
コメント
トレーニング記事も情報記事も毎日楽しく拝見しています。
いつもありがとうございます。
本件、いろんな意見があるとは思うのですがいちホビーレーサーとしては賛成です。
クフィアトコウスキーの意見はもっともですし、高い技量を持つプロにおいてはテクニックの一つとして認めらて良いと考えます。
問題なのは、プロの影響を受けてホビーレースでスーパータックを使う人がかなり増えてきていることです。
スーパータックは使えば傾斜次第であっという間に80kmオーバーに到達しますが、体幹に負担がかかり極端な前荷重になるためカーブでの車体コントロールは簡単ではありませんし段差や落下物への対処もろくにできません。
アマチュアのレースではサガンのようにダウンヒルをスーパータックで単独逃げ切るような展開はそうそう起こらず、大抵終盤まではそれなりの人数の集団がまとまって登りも下りも先頭を牽引します。
アマチュアのスーパータックのよくある使い方は、勝負所の登りで千切れた後に下りを使って先頭集団にジョインする時です。
ツールド沖縄やニセコで先頭集団後方にいるとスーパータックで後ろから無理矢理抜かれるケースがかなりあり、非常に危険です。
こういう人は結局途中で集団から落ちて勝負に絡めないケースがほとんどでしょう。
でもスーパータックの圧倒的速さを活用すれば多少脚力に劣っていても、下りで無理矢理ジョインして一時的に生き残ることが可能です。
技量も体力レベルもわからない人がスーパータックを使ってレースに残ろうとするのは周囲からすると非常に怖いです。
今回のUCIの動きでホビーレースにおいてもスーパータック禁止の動きが広まると思います。
大事故でも起こらない限り禁止されないと思っていましたし、止めるならUCIとプロレースの影響力は必須と思われるため、とりあえず今回の判断は賛成します。
(アマチュアレースでの禁止が浸透したら復活しても良いかも…とも思っています)
まあまあシリアスやホビーレーサーさん、レースでの実際の例を示してくれてありがとうございます!
ツールド沖縄とか人数も多いし、登りも厳しいので使う選手もいるのですね。
しかし、スーパータックのまま人を抜かすというのは、ありえないですねえ~。こうなるとその人の常識を疑ってしまいます。
レースでのテクニック不足による落車は絶対に避けないといけないことであり、まして他人を巻き込むようなことはあってはならない。
ツールド沖縄や、ニセコの先頭集団に残れる選手ならば、実力はアマチュアのトップレベルであり良識ある走り方をして貰いたいと思いますね。
スーパータックについては、クリス・ボードマンも禁止には賛成しており、その危険性については以前から指摘していたようです。
とりあえず、プロでは4月から禁止なので事故が起こる前に対処したと言えるけれど、実際に走っているプロからしたら、もっと他にあるだろという意見も良くわかりますね。
まあまあシリアスやホビーレーサーさん、また貴重なご意見を頂けると幸いです。レース頑張って下さいね!
この件について色んな記事を見て歩いてここが1番中立だと感じましたので、コメントさせていただきます。
他記事では、スーパータックの事故が多発したためと言っているものもありますが、それ以上に選手の一瞬の気の緩み(仕方ないことではある)や路面状況による事故の方が多いのにも関わらずそちらについては特に何も改めていないことに疑問を感じました。
アマチュアでのフォーム制限はとても賛成ですが、プロという様々なカテゴリの側面を持ち合わせたカテゴリレベルの所を制限してしまうのはどうかと感じてしまいます。昔ながらの楽しみが減りファンを辞めた方も海外を見るととても多いので
ハクアさん、コメントありがとうざざいます!
スーパータックで具体的に事故があったというのは初耳です。プロであったのならば問題ですけど、時と場合を考えてプロならば使っているでしょうから。
ハクアさんの言われる通り、ほんとプロはレースで魅せてくれるのが仕事ですから、乗り方まで規制されるのはどうかと。
危険なコース設定、ゴールでのバリア基準、選手を守るための規制をもっと強化して貰いたいと思うのが選手側の意見でしょう。
ハクアさん、これからも貴重なご意見をよろしくお願いします<(_ _)>