新しく自転車を買う場合や、コンポーネントのアップグレードに関しては頭を悩ませますね。
常につきまとう疑問と問題だ。
ほとんどの主要メーカーのレースバイクは、軽量バイクとエアロバイクにわかれていてプロライダーはコースによって使い分けている。
代表的なメーカーのバイクは以下の通り。
- Trek Emonda軽量バイク Madoneエアロバイク
- Giant TCR軽量バイク Propelエアロバイク
- Merida Scultura軽量バイク Reactoエアロバイク
- Bianchi Range 軽量バイク Oltre XR4エアロバイク
メリダの開発陣の場合
メリダがReactoエアロロードバイクを発売したとき、ツール・ド・フランスのステージを分析するために外部の科学コンサルタントを雇ってReactoエアロロードバイクを開発した。
メリダの設計責任者であるユルゲン・ファルケは、次のように述べている。
自転車の重量は、加速と非常に急な山にのみ関係します。重量の影響は、ロードバイクで最も過大評価されている問題です。
重量は非常に明確で、自転車を手に取ると軽量かどうかすぐにわかる。
人のバイクを見せて貰う時に良く、手に取って持ち上げてみますよね。
最近では、エアロバイクの効果についてあいまいな考えを持っているかもしれないが、実際に空力効率を測定することははるかに困難。風洞実験やCFD(計算流体力学)ソフトウェアが必要となる。
メリダは、特定の出力で平坦な道路を30km/hで走行している場合、重量を2kg減らすと速度が0.05km/hだけ増加すると言う。
1時間のサイクリングでは50メートル。
軽量バイクとエアロバイクの重量差
つまり、2つの違いは230gしかない。Oltre XR4にエアロホイールとエアロハンドルバーを装備すると、その重量差はもう少し広がるだろう。
しかも、ほとんどの場合には、ずっとフラットなコースに乗っているわけではない。
ホイールブランドSwiss Sideは、さらに詳細な検証データを教えてくれる。
120 kmのロングライドで、1,200 mの獲得標高のあるコースでの実験で、時速30km/h(211.4Wの平均出力)で走ると仮定した場合。
バイクの重量を100g(8kgバイクから8.1kgバイク、75kgライダー)追加するとどのような違いがあるか実験。
その結果は3秒追加されるだけだった。100g追加でたった3秒なの?
100gの軽量化は、2kgの軽量化よりもはるかに現実的だが、その利点はわずかだということがわかる。
しかし、空気抵抗の場合にはかなりの価値がある。
平坦で起伏の多い地形では、空力を高めるのが価値があることになる。
Swiss Sideによると、平均的なライダーの体重増加は、ライドの平均勾配が4.5%以上の場合、大幅に時間を節約できることを教えてくれる。
それ以外の場合は、空力に集中したほうが良いという結論のようだ。
趣味のライダーの場合、エアロよりも重量が重要な平均勾配は4.5%以上。
より高速のプロライダーの場合、約7.5%となる。
アップダウンがある場合には、エアロ性能を高めたほうが効果的のようだ。
遅く走っていても空力は重要なの?
空力が重要になるほど速く走れないよ~、と言うのを聞いたことがあるかもしれない。
空気力学は、時速40km/h以上で走行している時にのみ重要というのがこれまでの定説だった。
だが、風洞実験によると、速度が遅くなるほどエアロホイールを装着することで得られる利益が大きくなることも実験で分かっている。
速く進むほど、経験する相対的な風の角度の範囲が狭くなる。
自転車に対する風の角度は、通常ヨー角という用語で表される。
向かい風に直接サイクリングしている場合、ヨー角はゼロであり、直接横風で停止している場合は90°となる。走行中のヨーは、風速、風向、および速度の組み合わせとなる。
プロのライダーは通常の状態ではヨー角が約10°を超えることはないが、スポーツ用のバッカーと下位のカテゴリーのライダーは同じ風に対してより速いヨーとなる。
気流がリムから外れてエアロの利点が失われる約20°まで、最大の利益が得られるのはヨー角が大きい場合だ。
ヨー角(yaw angle)はBの角度のことで、黒線と緑線の間の角度のことをいう。
抗力が高速で大幅に増加するのは事実だが、より速いライダーが空力の改善から最も利益を得るということにはならない。
抵抗が速度の2乗に比例するため、より速いライダーはより多くの抵抗を生成する。
これらは、計算によって確認すること出来る。
CyclingPowerLabではオンラインで電力/速度シナリオ計算機に接続し、1キロの低下が、特定のワット数で速度にどれだけ影響するかを確認することが可能。
重量を変更するだけでなく、平均勾配と風速、およびCdA(抗力係数)を変更することが出来、自転車の重量を減らすことで、ほとんどの状況で得られる利益がどれだけ少ないかに驚くかもしれない。
結論
軽量バイクが良いのか、エアロバイクが良いのかだが、特定の条件下では軽量化が最も役に立つ。
しかし、アマチュアサイクリストの場合、プロのように軽量バイクとエアロバイクの両方を持つような贅沢は出来ない場合がほとんどだろう。
最後の結論は、Swiss Sideの言葉を借りると
一般的に、ケース(バイク)の90%以上で、エアロセットアップを選択する。
となる。
遅く走るライダーでも、エアロ性能を持ったバイクを買い、エアロホイールやエアロ反動を装着したほうが得られる効果が高いということが結論のようだ。
私の場合には、家の前の坂を電動ママチャリよりも速く上がらないといけないので、軽量バイクを選んだけど、軽量なエアロバイクがあれば選んでいたでしょうね。
バイク購入を考えている人は自分の走るコースによって、エアロバイクか軽量バイクを選び、迷ったらエアロバイク購入が良さそうだ。
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