ジロ・デ・イタリア第13ステージは、逃げと集団との戦いだった。
思いのほか、逃げチームが粘ったけど、これには理由があった。まず、3級山岳コッレ・ディ・ナヴァの下りからは追い風。
そのため、60km/hで走る4人に対して、中々集団が追いつかないのも納得がいく。いくら集団でも、ずっと65km/h以上で走り続けるのには限界があるということだ。
勝利は目前だと思われただが、最後にEF Education-EasyPostのジュリアス・ファンデルベルフがアタックをかけて、牽制となり捕まってしまう。
私は、このアタックがいけないと思っていたけど、これにも理由があったようだ。
エンジンは二人
まず、最初に逃げに乗っていたのは5人。その前の段階の逃げではメンバーが少し違う7人だった。
- 18. 二コラ・プラドム AG2R Citroën Team
- 87. フィリッポ・タリアーニ Drone Hopper – Androni Giocattoli
- 98. ジュリアス・ファンデルベルフ EF Education-EasyPost
- 106. ミルコ・マエストリ EOLO-Kometa
- 144. パスカル・エーンクホーン Jumbo-Visma
3級山岳コッレ・ディ・ナヴァでフィリッポ・タリアーニが遅れる。
その後は、4人で回すことになった。EOLO-Kometaのミルコ・マエストリは、逃げ屋で第5ステージで100km。第8ステージで141km逃げている。
AG2R Citroën Teamの二コラ・プラドムは25歳で、クライマー。平地ではエンジンとはならなかったようだ。
4人の中でメインになったのは、パスカル・エーンクホーンとジュリアス・ファンデルベルフの二人。
二人は、オランダ人で同い年の友達同士。この二人の引きが強烈だったのは見ている人も感じていたはず。
ジュリアス・ファンデルベルフは、逃げ切れると思っていたようだ。まあ、残りの距離とタイム差を考えると、見ていた誰もが逃げ切ったと感じたはずだ。
これについて、EF Education-EasyPostのジュリアス・ファンデルベルフがボットキャストで語っている。
全速力でフィニッシュへ。計画は完璧に遂行されたと思う。我々は、もしかしたら、違いを生み出せるだけの人数が足りなかったのかもしれない。
多くのライダーを逃がすべきではない、ということにも気がついた。パスカルは非常に良かったが、他の選手はイマイチだった。それは残念なことだった。
もし、平地でバリバリ走る原付バイクがあれば、もう少し余裕があるので、フィナーレで勝負すればいいんだ。
残り50kmで5分、あとはタッチ・アンド・ゴーだ。成功する予感がした。
ジュリアス・ファンデルベルフは、残り1.3kmでステージ優勝を狙ってアタックをかけたが、同胞のパスカル・エーンクホーンに追いつかれた。
私は彼と話をした。彼はただ勝ちたかっただけで、それが他の人からは得られないことも知っていた。
理解できる反面、残念に思うこともあった。振り返ってみると、他の2人は前をフルスロットルで走って、ひっくり返しただろうと思う。
そうすれば、彼のホイールに乗ることはなかっただろう。しかし、後づけで話をするのは簡単だ。残念だが、仕方がない。
結局、パスカル・エーンクホーンとジュリアス・ファンデルベルフの力が抜け出ていたので、後方の二人は牽制してチャンスを狙うしかない。
ジュリアス・ファンデルベルフのアタックは、勝つために行った最後のチャレンジだったという訳だ。アタックがなくても、牽制となって捕まっていたかもしれないし。
胃腸炎からの復活
また、ジュリアス・ファンデルベルフは、自分の落ち度を探している。
集団とのタイム差を考えなかったのは自分の責任だ。
エーンクホーンが近づいてくるのが見えたので、今なら間に合うかもしれないと、あちこち走り回るのはやめようと思ったんだ。
だけど、健康な体調を取り戻したことに満足している。EF Education-EasyPostは、オウィエン・ドゥール、サイモン・カーが胃腸炎でリタイヤしている。
また、ジロの終盤でジュリアス・ファンデルベルフのアタックが見られるかもしれない。
やっぱりいい感じ。2人が胃腸炎で帰ってしまい、私のお腹も確かに大丈夫ではなかった。
本当に段階を踏んで時間通りに来るように苦心した。またこうして進んでいることも、超ポジティブなことだ。
脚の状態を日々確認したい。これからのものは、ほとんどがハードルが高い。
まだ平坦なステージがあると思うし、もしかしたらまたそういうことに挑戦できるかもしれない。もしかしたら、パスカルがその気になるかもしれない。
ジュリアス・ファンデルベルフは、2021ツール・ド・ポローニュ第7ステージでも、迫りくる大集団からゴール手前ギリギリで逃げ切っている。
大舞台での、勝利がギリギリで得られなかったのだから、悔やむのも仕方ないことだ。次のチャンスに期待したい。
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