今年のツール・ド・フランスの始まる直前になってギリギリのタイミングで出場が決まったクリス・フルーム。
ツールが終わると、サブブタモール問題なんてなかったかのように大人しくなりました。
この問題について、フルームがようやく語った言葉は。
改めてサブブタモール問題とは
ほとんど忘れてしまっているので、サブブタモールの何が問題であったのでしょうか?
WAD(The World Anti-Doping Code) 世界アンチ・ドーピング規程のなかでサブブタモールは、ベータ2作用薬として規定されています。
但し書きがあって
- 24 時間で最大1600 μ g
- 12 時間ごとに 800 μ g を超えない こと
さらに、追加で以下が記載されています。
尿中のサルブタモールが1000ng/mL、あるいは尿中ホルモテロールが 40ng/mL を 越える場合は、治療を意図した使用とはみなされず、管理された薬物動態研究を通し てその異常値が上記の最大治療量以下の吸入使用の結果であることを競技者が立証しないかぎり、 違反が疑われる分析報告 (AAF) として扱われることになる。
引用 世界アンチドーピング規定
あまりにも、難しいので単純にまとめると
- 治療の為に使う場合にはTUE申請(治療使用特例)も不要
- 検査で基準を越えたら、吸入使用の結果であると立証すること
- 立証出来ない場合には、違反が疑われる
The Timesより
TUE申請不要でもフルームは治療薬として使っていると申請していたようです。
経過としては、国際自転車競技連合(UCI)が7月2日、フルームに対するドーピング問題に関する手続きが終結したと公式ウェブサイト上で発表した。
それにともないツール・ド・フランスを主催するアモリ・スポル・オルガニザシオン(ASO)も出場を認めて走れるようになったのは、皆さんも知っておられるでしょう。
時系列にまとめてみました。
- 2017.9.7ブエルタ・ア・エスパーニャ18ステージ尿検査サンプル採取
- 2017.9.20検査結果判明基準の2倍の数値が検出された。
- 2017.12.13TeamSkyのサイトから発表UCIから照会されていると公表
- 2018.6.4TeamSkyからWADAに資料提出同機構分析
- 2018.6.28WADAに同機構分析結果正常なサブブタモール使用範囲内での基準値超過で問題なし
- 2018.7.1ASOがフルームの出場拒否疑いのある選手は出場させない
- 2018.7.2UCIの手続き完了問題なしの結果
- 2018.7.3フランス国立オリンピックスポーツ委員会出場を認める
- 2018.7.7ツール・ド・フランスフルーム、ツールのスタートラインにたつ
Grateful and relieved to finally put this chapter behind me, it has been an emotional 9 months. Thank you to all of those who have supported and believed in me throughout. pic.twitter.com/OGzsg83Gjj
— Chris Froome (@chrisfroome) July 2, 2018
その時の心情は
フルームは、今年のジロとツールのあいだには、サブブタモール問題について固く口を閉ざしていました。
フルームが電話インタビューでVeloNewsに語ったところでは、サブブタモール問題は認めようとしていたよりも、気を散らしていたと認めた。
「私が自分自身に正直であれば、それは間違いなく私にとってストレスで気を散らしていたさ。私の気持はツール・ド・フランスに向かっていた。
準備や回復を考えるときには、多くのエネルギーと集中力が必要だからね」
と語っている。
フルームのコメントは、今後紹介される2018年のシーズンを振り返るより大きなインタビューの一環として、サブブタモールの問題が彼の走りにどれだけ影響を与えていたかを明らかにしていきます。
フルームの事件は、昨年12月にメディアに流出し、シーズンを通して見出しを独占。
その後、数ヶ月間劇的に消え去った。
フルームは、問題が起こった時に出場を辞退することを拒否。伝説の一日の逆転劇でジロ・デ・イタリアでも勝利しました。
彼はいつものようにレースで反撃していましたが、彼の緊張感とストレスは彼のシーズンを通じて負の要素だったと認めました。
「レースは常に優先されますが、メディアが何を書いているのか、そして人々が何を言っているのかを知ることは当然のことです」
とフルームは続けました。
「ツールのスタートラインに立てることにとても感謝したよ。
レースが始まる前に結論が出てよかった。少なくともその時から、私はラインを引いて、より平穏な心でレースをスタートすることを心がけたさ。」
彼は、事件の負担を認めました。ツール出場禁止の可能性はツールが近づくにつれて彼に重く重くのしかかりました。
一部の批評家は、フルームがWADAコードによって、特定の条件下で許可されているサブブタモール使用は悪いと非難していますが、Skyライダーはルール内でレースをして勝利していると主張してます。
「それは厳しい、本当に厳しいものでした」
とフルームは続けました。
特に、クリーンなスポーツマンとしての私の信頼性が疑問視されたとき。 それは私が自分自身にとても大切にしているものです。
「私が私の原則に従って生きているかのように感じ、サルブタモールのようなことにすべての疑問を抱かせると、とてもイライラしました。」
と彼は続けた。
「多くの人が何が起こっているのか理解していませんでした。
多くの人がサルブタモールの試験を理解していませんでした。不都合なことは何もなく、それは事件の終わりでようやく示されました」
チームスカイは、2019年のレースプログラムを決めていません。サブブタモール問題は過去数カ月彼を苦しめ続けました。ですが、彼はこの問題が次のプランにぶら下がることはないと安心したと語っています。
来年には、ツール5勝目を目指すのか、それともジロやブエルタを再度走るのか注目ですね。
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