ボルタ・ア・カタルーニャ第4ステージで、ラスト7.2kmから独走を開始したエスデバン・チャベス(Team BikeExchange)。
まだ、イネオスは4人残っており、その時引いていたのは2019ジロ王者のリチャル・カラパス。その後ろは2018ツール王者のゲラント・トーマスと続いており、逃げ切れることはないと思われていた。
実際、タイム差は15秒程度で推移しており、最大でも25秒までしかひらかなかった。だが、最後は追い込まれながらも7秒のタイム差をキープしてゴール。
2019年ジロでのステージ優勝以来、実に664日ぶりの勝利を飾ることが出来、前日の2位と合わせて完全復活をアピールした形だ。
失うものは何もない
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all-or-nothing。失うものは何もないとゴール後に語るエスデバン・チャベス。この勝利までの道のりはとても長かった。
2013年トロフェオ・ライグエーリアのレース中の事故で右鎖骨の複合骨折、頭蓋骨の骨折、右頬骨、上顎洞と蝶形骨、穿刺された肺、肋骨骨折の重症をおってしまう。
この時の不自由な生活がエスデバン・チャベス財団を立ち上げることにつながっており、子供を整形外科的に救う活動を継続して行っている。
チャベスは、2017年には膝のケガ、肩の骨折。2018年には、伝染性単核球症にかかってしまいジロを総合73位で終えた後は、このシーズンレースを走ることはなかった。
2020年は短いシーズンで、復活へ向けて困難な時期を過ごしていた。
エスデバン・チャベスは前日のステージでも、集団からアタックをかけて一人単独で前を走っていたライダーを次々に抜いて2位でゴールしている。
この日は、無謀とも思えるラスト7.2kmからの離脱はイネオスの最強トレインとの戦いでもあった。
それは本当に長い道のりだったが、失うものは何もなく、勝つためにすべてを捧げた。私は総合で9位だったので、失うものは何もなかった。
向かい風が強く、ホイールのエネルギーを大幅に節約できるタイプの登りだったので大変だったが、良い動きだった。前にとどまることができ、足は本当に良かった。
チームは私、サイモン(イエーツ)とルーカス(ハミルトン)を本当に良いポジションに保つために本当にうまく働いたので、私はチャレンジしてみた。
信じられないことだ。昨日、この数か月、数年、数か月の苦労の末に言ったように、このようなパフォーマンスは、困難な瞬間の後に多くの喜びと幸せを与えてくれる。これは、私を信じ続けたチームのすべての人々に「ありがとう」と言う方法だ。
残るステージは3ステージ。エスデバン・チャベスは最終日まで山岳賞ジャージを守る予定だ。
Team BikeExchangeは、この日、ドリダーフス・ブルージュ~デ・パンネのウーマンレースで、グレース・ブラウン(Grace Brown)が独走勝利しており、二人の優勝者がいる嬉しい日となっている。
コメント
ずっと応援していたので本当にうれしかったです。
ケガや病気の影響もあったので、再びチャベスの勝利を見ることは難しいとも思っていました。たぶん私だけでなく多くの人がそう感じていたと思います。
でも、チャベスは復活しました。
あの、力強い走りはまるで夢のようでした。
素晴らしい選手です。
ししまいさん、確かにエステバン・チャベスは完全復活と言ってよいでしょう。
2日連続での良い走りというのは、中々出来るものではないですからね。多くの選手がケガや病気から復帰しようとしているけど、大半の選手はあきらめることをしてしまう。
チームの支えに、家族のサポートもあったから復帰出来たのでしょう。
財団で、若者や子供たちに夢を与えているのも素晴らしいこと。これからツールなどでも活躍して欲しいですね。