ロードバイクの情報を発信しています!

2026 ブエルタ・ア・エスパーニャ エンリク・マス マイヨロホをほぼ確定 崩れなかった好調と運だけはない強さ

海外情報
Image generated by Midjourney
この記事は約7分で読めます。

第20ステージは、2026 ブエルタ・ア・エスパーニャの総合争いを決定づける最後の山岳決戦となった。

ラ・カラオラからコジャド・デル・アルグアシルまでの186km超、4つの大きな登りを含む過酷なステージ。

逃げ集団とのタイム差が10分以上まで開く一方、総合勢ではリチャル・カラパスが何度も攻撃を仕掛け、レースは最後まで予断を許さない展開となった。

総合首位のエンリク・マスは、フェリックス・ガルに最後は引き離されたものの、プリモシュ・ログリッチを上回る走りを披露。

第18ステージ終了時点で1分37秒だったログリッチとの差を、最終的に2分15秒まで拡大した。

 

スポンサーリンク

崩れなかったエンリク・マスの好調さ

 

エンリク・マスの2026 ブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝が、いよいよ現実のものとなった。

第20ステージは、マスにとって最後の大きな試練だった。

獲得標高は約5,000mにも達し、総合勢の前には4つの大きな登りが待ち受けていた。さらに最後はアルグアシル峠。終盤の8.3kmは平均勾配9.8%という厳しい登坂だった。

 

 

序盤から逃げ集団とメイン集団の差は大きく開き、一時は10分以上。総合争いではリチャル・カラパスが何度も積極的に攻撃を仕掛けるなど、マスのマイヨロホを脅かそうとする動きも続いた。

それでもMovistar Teamは慌てなかった。

チームはマスを危険な位置に置かないようにレースをコントロールし、最後の山岳に向けてエースを守り続けた。マス自身もライバルの動きに過剰反応することなく、自分のペースを維持した。

途中、総合勢が止まるのではないかというほどのけん制を見せて時には、後方のアシストを待っているようにも見えた。

 

 

そして最後のアルグアシル峠。

フェリックス・ガルが前に出ると、マスはその動きには対応できず、17秒を失った。しかし、マスにとって本当に重要だったのはステージ優勝ではない。

背後のログリッチを抑えることだった。

ログリッチは最後の山岳でマスを崩すことができず、むしろマスがログリッチとの差をさらに広げる結果となった。第19ステージ終了時の1分37秒から、2分15秒へ。

これでマイヨロホは、ほぼマスの手中に収まった。

 

ただキロ数を数えていた

 

ゴール後のマスの言葉が、この日の走りを象徴している。

マスは「正直、ただキロ数を数えていた」と振り返り、自分の感覚については「最高だった」と語った。

さらに、チームについても「素晴らしい仕事をしてくれた」と称賛。今回の成功は、自分一人の力ではなく、Movistar Team全体の働きによるものだと強調した。

このコメントは非常に興味深い。

なぜなら、今回のマスは、これまでのブエルタで見せてきた「終盤に失速するマス」とは明らかに違っていたからだ。

マスは今回、レースを通して大きく崩れる日がなかった。

ポガチャルがレースを去ったことでマイヨロホを引き継いだことは事実だ。しかし、その後のマスは単に幸運を享受していたわけではない。

第9ステージのアルト・デ・アイタナではステージ優勝。

 

その後も山岳ステージでライバルの攻撃に対応。

個人タイムトライアルではログリッチに大きく差をつけられることを回避。そして第19、第20ステージでは、自らの攻撃を封印し守りに徹した安定した走りを続けた。

 

ポガチャル不在、そしてログリッチの状態

 

もちろん、マスにとって幸運だった要素もある。

大会最大の優勝候補だったタデイ・ポガチャルは、第8ステージで落車してリタイア。マスはその翌日にマイヨロホを引き継いだ。マス自身も「自分が勝って手に入れたわけではない」と考え、ポガチャルへの敬意を示していた。

さらに最大のライバルだったログリッチも、万全の状態で大会に入ったわけではなかった。

 

ログリッチはブエルタ前の事故で影響を受けており、今大会では個人タイムトライアルで力を見せたものの、かつてのブエルタで見せた絶対的な強さを最後まで発揮することはできなかった。

そして、第19ステージではアタックを見せたが、第20ステージでは逆に引き離されてしまった。

しかし、だからといってマスの勝利を「運が良かった」の一言で片付けることはできない。

 

Movistarの堅実さがマスを支えた

 

むしろ重要なのは、チャンスを得た後にMovistar Teamが一度も大きくレースを崩さなかったことだ。

マスがマイヨロホを手にした直後から、チームは過剰に攻撃するのではなく、危険な動きを抑えながらマスを最後まで守るという現実的な戦い方を続けた。

そしてマス自身も、それに応えた。

第18ステージのタイムトライアルでログリッチにタイムを詰められても慌てず、第19ステージではログリッチのアタックを封じ、第20ステージでは逆にログリッチとの差を広げた。

この安定感こそが、今回のマスをこれまでとは違う存在にしている。

大会前、3度のブエルタ総合2位という実績を持ちながら、いまだグランツール総合優勝には届いていなかったマス。

それが今、最後の第21ステージを残して、ついに夢の実現を目前にしている。

「トレーニングはジロ後からとても順調だった。1日ずつ走り、すべてがうまくいった」

マスはそう振り返っている。ポガチャルがいなくなり、ログリッチも絶好調ではなかった。

それは確かにマスにとっての追い風だった。

しかし、その追い風を無駄にせず、最後までマイヨロホを守り抜いたのはマス自身だ。

そして第20ステージを終えた時点で、ログリッチとの差は2分15秒。ガルとの差も2分44秒となった。残るのはグラナダでの第21ステージだけだ。

予期せぬ形で巡ってきたチャンスを、エンリク・マスは自らの強さで確かなものに変えたのだ。あとは、最後のステージを走り切るだけだ。

エンリク・マスは、ついに「ブエルタ総合優勝者」という名前を手にすることになる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました